【Arcaea】最強ボス曲の歴史

Arcaea という音ゲー

皆さん、「Arcara」遊んでいらっしゃいますでしょうか。

数あるスマホ音ゲーの中でも独特の世界観や、その世界観を彩る多彩なオリジナル楽曲が特徴的なスマホゲームです。

音ゲーでは各時代における最難関曲、いわゆるボス曲というものが特徴的なものですが、この記事では Arcaea におけるそれぞれの時代の最強ボス曲の移り変わりを解説していきます。

  1. 時代を変えた「Greivous Lady」
  2. 圧倒的な速さと物量「Tempesttisimo」
  3. 現状唯一の難易度12「Testify」

この記事は3分で読み終わるので、是非読んでいってください!

リリース初期、Ver1.0~1.4

2017年3月9日にこのゲームがリリースされた当時のボス曲は2曲あります。

どちらも有料楽曲パック「Eternal Core」に収録されている、 Laur 氏による「PRAGMATISM」と Team Grimore 氏による「Sheriruth」です。

Eternal Core における楽曲の中では最も難易度が高く、この2曲のみがメインキャラクターである「」と「対立」がジャケットに描かれていることからもどちらもリリース当時は特別な楽曲として扱われていたことがわかります。

PRAGMATISM は楽曲のスピードは比較的遅めではあるものの、複雑なアークノーツの動きや突如スクロール速度が半分になるギミックなどによって難易度が上げられている技術派の譜面として猛威を振るっていました。

Sheriruth はこのゲームの特徴でもある空中にあるスカイノーツを交えた複雑で長い高速連打が特徴であり、どのような叩き方で処理するかをしっかり頭に入れていないと大きく崩れてしまう凶悪な楽曲でした。

またこの期間には今ではこの2曲と同じ難易度10である αterlβus、Nirv lucE 、Modelista などの難関曲が収録されました。

しかしどの楽曲もこの2曲に比べて圧倒的に難しいという物ではなく、この時代においてボス曲の地位を揺るがすことはありませんでした。

  • 技術の PRAGMATISM 、高速連打の Sheriruth の2大ボス
  • Arcaea 黎明期ということもありインフレは緩やか

衝撃のアノマリー楽曲、Ver1.5~2.6

2017年11月3日、有料楽曲パック「Vicious Lavirinth」が配信されました。

そのパックのアノマリー(隠し)楽曲として登場したのが先述の2曲を作った2人の合作である「Grievous Lady」です。Arcaeaの中でも特に有名な楽曲であり、知っている方も多いのではないでしょうか。

それまでの楽曲とは一線を画す演出で登場した本曲の難易度は現基準で11。難易度の上限を初めて解放した、史上初の難易度11楽曲です。

曲の速さを示す BPM は高速譜面の象徴だった Sheriruth (185)や、αterlβus (200)を越えた210。その上でノーツ数は当時の最多の1450と、数値面だけで見ても当時の環境で見れば圧倒的な物でした。

高速だからと言って配置が単純というわけでもなく、激しく左右に振らせる配置や指を交差しなければ取れない配置が終始飛んでくる上に、この譜面で初めて登場した4つ同時押しは多くのプレイヤーに衝撃を与えました。

そしてなんと言ってもこの特徴はラストの24分音符の超高速連打。この速さの7連打は Arcaea はもちろん他の音ゲーでも類を見ない物であり、熟練者であってもそう簡単にコンボを繋げる物ではありませんでした。

このように名実共に Arcaea 最強曲として君臨した Greivous Lady は、後述するいくつかの難関曲は登場しましたが、この後およそ2年半の間ボス曲の地位を保っていました

第2のアノマリー「Fracture Ray」

2018年7月16日には、「Luminous Sky」パックのアノマリー楽曲として Sakuzyo 氏による「Fracture Ray」が登場しました。

この曲は Greivous Lady と比べて遅く(とは言っても BPM 200)、ノーツも少ない(とは言っても1000は越えている)のですが、この曲の難しさはなんと言っても特徴的なリズムにあります。

曲の至る所で積極的にリズムを崩してくるいやらしい配置が最初から最後までふんだんに詰め込まれており、この譜面のスコア難易度を高めています。事実この譜面の理論値が出たのは Greivous Lady よりも遥かに後でした。

また、終盤に何度か流れてくる連打は非常に速く、この連打の速さに追いつけることがこの曲でハイスコアを狙う最低条件となっていました。これらのことから、Arcaea 最強の個人差譜面としてこの曲も歴史に名を残す物でした。

TANO*Cからの刺客「最強STRONGER」

2020年1月21日に、音楽レーベル「HARDCORE TANO*C」とのコラボで、REDALiCE 氏と USAO 氏の合作であり史上3曲目の難易度11楽曲である「最強STRONGER」が登場しました。

腕前によって上下するポテンシャル値を11.00以上にしなければ遊べないという前代未聞の解禁条件でしたが、難易度はその厳しい解禁条件にふさわしいものでした。

終始譜面の密度が高く総合的な実力が要求されるいわゆる全体難の譜面傾向で、前2曲とはまた違った難しさからこの時代の難関曲として存在しており、人によっては Grievous Lady より難しいと感じることもありました。

その一方で繰り返しの配置が多いことや他2曲にあった高速連打がないことから、当時の最高難易度の中では比較的スコアが出しやすく比較的やりやすい曲とされていることもありました。

余談ではありますが、このバージョンでは各有料楽曲パックの最後に難易度10+の曲がつくことも多く、その中でも World Vanquisher・Cyaegha・Ringed Genesis などは難易度11の面々には及ばないもののそれに次ぐ難関曲として存在していました。

  • 2年半の間不動のボス曲だった「Grievous Lady」
  • 人によっては最難関になる「Fracture Ray」「最強STRONGER」

BEYOND譜面の襲来、Ver3.0~3.12

登場から長い間 Arcaea 最強譜面として君臨していた Greivous Lady ですが、2020年5月27日に登場した有料楽曲パック「Black Fate」によってついにその王座が崩されることになりました。

このパックのボス曲は t+pazolite 氏による「Tempestissimo」。本来の難易度は10+なのですが、この曲をとある条件を満たしながらプレイすると当時は本曲のみだった一つ上の難易度「BEYOND」が出現します。

この BEYOND 譜面は表記こそこれまでのボス曲と同じ難易度11ではありますが、その実際はこれまでのボス曲とは比べ物にならない難易度の譜面でした。

まず数値を確認すると BPM は231、ノーツ数は1540。どちらも前時代のボス曲である Grievous Lady より数値が高く、この時点で凄まじい譜面が想像されます。

実際にプレイしてみるとこの BPM 231という速さがいかに凶悪かがわかり、まずもってこの速度に追いつけないと序盤に数多く配置されている基本の8分音符ですら太刀打ちできないでしょう。

序盤はこれまでのボス曲がある程度裁けていてこの速さに適応できればどうにか対処できるレベルの譜面ですが、中盤の叫び声と同時に流れる4点同時押しから曲調が一気に激しくなります。

そこからは様々なバリエーションの長い連打が多数登場し、細かく見極めないと押せない同時押しも要所に混じり要求される地力が一気に上がります。また、休憩が少ないことから体力管理もこの曲を攻略するにあたっての課題となります。

そして最後にはこの曲のこれまでに出てきた連打を片手で押せないと押せないような衝撃の配置が登場し、ここまではある程度できてもここが全く繋がらない!と多くの Arcaea プレイヤーを絶望させていきました。

嵐のように現れ Grievous Lady から最強ボス曲の地位を奪い取った Tempestissimo は、まさに BEYOND (~を超越した)譜面という名にふさわしく、こちらも登場から2年余りの間 Arcaea 最難関の座に位置していました。

この時代にも後述の難関曲は出現こそしましたが、どちらも Tempestissimo はおろか Greivous Lady にも及ばないとされていて、前時代よりも1強の風潮が強くなっていきました。

AegleseekerとPRAGMATISM-RESURRECTION-

2021年5月11日には Silentroom 氏と Frums 氏による合作の「Aegleseeker」が、2021月12月9日には PRAGMATISM の Laur 氏によるセルフリミックス「PRAGMATISM-RESURRECTION-」がどちらも難易度11で実装されました。

Aegleseeker は BPM 234と Tempestissimo を越えて難易度11最速の BPM による高速連打が特徴の譜面です。

しかし配置が難易度11の中でもかなり単純なことから Tempestissimo 以上に追いつけさえすれば簡単と言われています。

PRAGMATISM-RESURRECTION- は Aegleseeker とは対照的に BPM 174と難易度11で最も遅い譜面になっています。

しかしその内容は指の交差なども絡めたスカイノーツやアークノートの処理が求められる Arcaea 屈指の技術譜面です。ですが密度自体はそう高くないので最難関曲とはとても言えませんでした。

また、この時代に追加された難易度10+の中でも #1fle33 業-善なる神とこの世の悪について-など一部の楽曲はこれらの楽曲に匹敵する難易度とされることもありました。

これらの譜面も Tempestissimo 登場前であればボス曲の一角として数えられるほどの難易度を持っているのですが、どうしても最難関というポジション争いにおいては影に隠れてしまっている形でした。

  • 当時の高速物量譜面の最高峰「Tempestissimo」
  • 個性は強いものの最難関争いからは一歩引いてしまった「Aegleseeker」「PRAGMATISM-RESURRECTION-」など

物語の終着点、Ver4.0~

2022年7月7日、Arcaea メインストーリー最終章と銘打たれた有料楽曲パック「Final Verdict」が公開されました。

この楽曲パックは買った段階では1曲しか曲が入っておらず、「Axiom of the End」と呼ばれる解禁システムによって条件を満たす毎に1曲ずつ解禁されるという特殊なものでした。

その終着点に存在するのが void (Mournfinale) 氏による「Testify」という楽曲。難易度はなんと驚異の12。Arcaea史上Grievous Lady以来2例目の難易度上限を開放した曲でもあります。

BPM は178とこれまでに比べて控えめに思えますが、ノーツ数はなんと2221。この曲の登場までノーツ数1位だった#1fle33の1576ノーツを大きく引き離していることからもこの譜面の異常性がわかります。

序盤は基礎的なリズムの詰め合わせで、この段階では難易度11相当の譜面しか降ってきませんが、途中の4本指を用いてホールドで拘束しながらの交差などこれまでに無い複雑さの配置が降ってくるなどして油断はできません。

そして何と言っても特徴的なのが中盤でカメラがズームアウトして6レーンになるギミックでしょう。このギミックのせいでノーツが小さくなり正確に叩くことを困難にさせています。

また、この譜面の中盤から頻出する高速連打は Tempestissimo や Aegleseeker より数割増しで速い上に、スカイノーツも混じった左右振りの激しいもので、指の動かし方を覚えても接続するのが困難とされています。

そして終盤ではさらに密度が上昇、先述の高速連打が1小節続く配置や連打の途中にアークノーツが混じったりと、ひたすら取りづらい配置が高密度で休むこと無く降ってきます。

総合するとこれまでのボス曲に比べて BPM こそ遅いもののそれを補うかつてない程の物量と高速連打の数、それに加えて配置難と独特のギミックを全て兼ね備えた現段階で断トツの Arcaea 最難関楽曲と言って差し支えないでしょう。

Axiom of the End

この Testify に至るまでには Axiom of the End と呼ばれるシステムによって様々な楽曲を解禁する必要があるのですが、それらも過去のボス曲と比較しても難しい物が混ざっていました。

Testify を含めて全5曲を解禁できる中、そのうち前時代の最高難易度である難易度11が「魔王」「Pentiment」「Arcana Eden」の3曲も存在しています。

この中でも特に難しいとされているのが Arcana Eden で、昔のボス曲であった Grievous Lady と Fracture Ray の譜面傾向を混ぜてさらに密度を高めたような譜面であり、一世代前の Tempestissimo より難しいという意見も少なくありません。

しかしながらこの時代においては Testify が唯一の難易度12として存在していたせいで、難易度11の楽曲はかなり難しいながら既に最難関楽曲のひとつという括りからは外れていたと言えるでしょう。

  • 最強の密度と配置難「Testify」
  • 難易度11の中では最難関候補「Arcana Eden」

さいごに

Arcaea はリリースから今までの5年間様々な特徴を持った楽曲を公開し続けて音ゲー界隈を賑わせてきました。

もちろんこの記事で紹介したものの他にも多数の楽曲があるので、この記事を機に様々な楽曲に触れて貰えれば幸いです。

メインストーリーこそ完結を迎えましたが、これから Testify を越えるような新しいボス曲が出るのかどうか、これからの Arcaea の動向にも期待していきたいですね。