ドラゴンボールゲームの歴史 スーパーファミコン編
ドラゴンボールのゲームを紹介する、この『ゲーム龍の巻』。
第2弾は、数々の名作を世の中に生み出してきた、スーパーファミコン(通称SFC)で発売された、ドラゴンボールのゲームについて紹介します。
この記事を読めば、ドラゴンボールのゲームに人一倍詳しくなれるでしょう。
それでは早速紹介していきましょう!
SFCにて発売されたドラゴンボールのゲームソフトは、全部で7本になります。
ちなみに今回の記事をザックリまとめると!
- 好評だったカードバトルを採用した『ドラゴンボールZ 超サイヤ伝説』
しかしバグが多く『悟空からのお願い』出される事態に - ドラゴンボールゲームを世に浸透させた『ドラゴンボールZ 超武闘伝』
原作やアニメで見た光景を自分の手で再現できる格ゲー! - 原作のエピソードを辿るアドベンチャー『ドラゴンボールZ 超悟空伝』
原作ファンなら「ニヤリ」とする話まで収録されている!
この記事は5分で読み終わりますので、最後まで読んでって下さいね!
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ドラゴンボールZ 超サイヤ伝説
SFC 第1弾となるドラゴンボールのゲーム。
それが「ドラゴンボールZ 超サイヤ伝説」です。
こちらのゲームは、ファミコンソフトで紹介した「ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人」などと同じ、カードバトルシステムを採用しています。
ただし移動時にはカードを使わず、普通の RPG の様に移動が可能です。
もちろん、舞空術による飛行も再現されています。
ゲーム内容は?
シナリオは、サイヤ人襲来からナメック星の最後までが体験できます。
余計な追加シナリオもないので、純粋にシナリオを追体験する事が出来ます。
また、戦闘力の設定に関しても原作に忠実です。
そのため原作と同じ様に、苦戦する所では苦戦します。
逆にパワーアップ直後では、敵を簡単に倒せます。
この様に原作を忠実になぞっていくその姿勢は好感触ではあったのですが…
大量のバグと「悟空からのお願い」
同時に大量のバグがあったゲームでもあります。
- 特定のコマンドを入力する事で使えないアイテムが簡単に使える
- 特定のアイテムを配置して特定のコマンドを入力するとどのような戦闘も逃げれる
- セーブデータをロードすると低確率で全く知らない場所に飛ばされ、その後データが消える
ここで紹介したのはほんの一部です。
余りのバグの多さに開発側も困惑したようで、苦肉の策として「悟空からのお願い」という別紙が同梱されました。
この「悟空からのお願い」には、バグが発生してしまう行動と、それを止めて欲しいというお願いが記載されています。
最も、この「悟空からのお願い」に書かれているのは、ほんの一部のバグであり。
実際には、この数倍ものバグが存在していたのが、このドラゴンボールZ 超サイヤ伝説というゲームでした。
ゲーム紹介
タイトル | ドラゴンボールZ 超サイヤ伝説 |
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | スーパーファミコン |
発売元 | バンダイ |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 1992年1月25日 |
ドラゴンボールZ 超武闘伝
ドラゴンボールのゲームを、この世に浸透させたと言っても過言ではないタイトル。
それがこの「ドラゴンボールZ 超武闘伝」です。
今まで「RPG」が大半だったドラゴンボールのゲームですが、このドラゴンボールZ 超武闘伝は「格闘ゲーム」として発売されました。
当時は「ストリートファイターⅡ」が流行しており、その流れに乗ったとも言えます。
ですが、そのシステムはシンプルでありながら、随所にドラゴンボールらしさが散りばめられています。
ボタン1つでエネルギー弾を飛ばしたり、舞空術で空を飛んだりできます。
空を飛んでエネルギー弾を避けたり逃げたりするのは、まさにドラゴンボールの原作やアニメで良く見かける光景です。
それが、自身の手で簡単に体験出来るという事は、当時の子供達に衝撃を与えました。
原作を再現する演出
さらに、細かな演出も光る作品です。
ピッコロが大技を受けてしまった時に、腕を再生するアニメーションがあったり。
人造人間にエネルギー弾を撃っても、回復してしまうなど…
原作に忠実な演出が、いくつも散りばめられています。
新しいジャンルに挑戦したがための問題も
しかし、新しいジャンルへの挑戦という事もあり、問題点も多くありました。
操作感は決して良好とは言えず、どの行動もワンテンポ遅れて発生する状態でした。
さらにコマンド技の入力も難しく、初心者の内は、必殺技を1つ出すだけでも苦労します。
さらに、格闘ゲームでは大事になる、キャラとの相性やバランスも悪い状態でした。
一部キャラクターの技をずっと使うだけで勝ててしまったり、そもそも人造人間相手にエネルギー弾を使うと回復される。
画面端にまで追い詰められると投げもないので切り返せないなどなど…
ですが、この「ドラゴンボールZ 超武闘伝」が与えた影響は計り知れないものでした。
その証拠に、売上はわずか2ヶ月で「130万本以上」販売され数多くの派生作品が生まれる事となりました。
ゲーム紹介
タイトル | ドラゴンボールZ 超武闘伝 |
ジャンル | 対戦型格闘ゲーム |
対応機種 | スーパーファミコン |
発売元 | バンダイ |
プレイ人数 | 1 – 2人(対戦プレイ) |
発売日 | 1993年3月20日 |
ドラゴンボールZ 超武闘伝2
前作からわずか9ヶ月。
ドラゴンボールの格闘ゲーム第2弾として発売されたのがこの「ドラゴンボールZ 超武闘伝2」です。
隠しコマンドで「カカロット」とブロリーの声を流せるのもこのタイトルです。
ストーリーは、セルゲーム編とオリジナルのボージャック編のみ。
キャラクターの数も、隠し含め「10キャラ」と、前回より減ってしまいました。
前作の問題を改善しパワーアップ!
ですが、その分操作性とシステムは、前作の問題点をほぼ全て改善しました。
コマンド入力受付が大幅に甘くなったため、必殺技を簡単に使えるようになりました。
さらに、1つ1つの行動も機敏になり、よりドラゴンボールらしいスピーディーな戦闘を行えるようになりました。
かつ「投げ技」も追加された為、格闘ゲームらしい駆け引きも出来ます。
他にも、ダメージはないが、大きな隙を与える技など、格闘ゲームとしての完成度は非常に高くなりました。
しかしゲームバランスは…
とはいえ、完璧なバランスとまではいきません。
隠しキャラである「ブロリー」は、他のキャラより秀でています。
また、ハメ技も前作の「ドラゴンボールZ 超武闘伝」より強烈なものはありませんがそれでも存在します。
しかしこのあたりもドラゴンボールらしい要素だと好意的に受け入れるプレイヤーも多く、大きな問題にはなりませんでした。
結果として、この「ドラゴンボールZ 超武闘伝2」は非常に優れた格闘ゲームとして世に残りました。
現在でも友人と遊ぶにはぴったりのタイトルでしょう。
ゲーム紹介
タイトル | ドラゴンボールZ 超武闘伝2 |
ジャンル | 対戦格闘ゲーム |
対応機種 | スーパーファミコン |
発売元 | バンダイ |
プレイ人数 | 1 – 2人(対戦プレイ) |
発売日 | 1993年12月17日 |
ドラゴンボールZ 超武闘伝3
超武闘伝シリーズ最終作品、SFCでのドラゴンボール作品としては4作目。
それがこの「ドラゴンボールZ 超武闘伝3」です。
気になるゲームバランスは?
今作では「ドラゴンボールZ 超武闘伝2」の一部であったハメ技や、強い技が使えなくなったり弱くなったりしました。
その為、格闘ゲームとしてバランス崩壊するような仕組みはほぼ無くなりました。
一方で、舞空術の仕様が変更された事で、駆け引きの一部分が消滅した点もあり、必ずしもバランスが良好になったとは言えない点もあります。
また、キャラクターは、半数が超サイヤ人で埋め尽くされていた為、「超サイヤ人のバーゲンセール」とまで言われました。
カットされたストーリーモード
さらに、前作と前前作にあった「ストーリーモード」はばっさりカットされてしまいました。
これは、本作の登場キャラクターが、「魔人ブウ編」を中心とするものだったのですが、当時魔人ブウ編はまだ連載途中でした。
その為、ストーリーが完結しておらず、ゲーム側でストーリーを作れなかったのが原因です。
以上の事から、使えるキャラクターが変わった「ドラゴンボールZ 超武闘伝2」という印象が強いゲームでした。
とは言っても、ベースは良作である「ドラゴンボールZ 超武闘伝2」を引き継いでいます。
その為、友人と対戦する事だけを考えれば、十分遊べるタイトルと言えます。
ゲーム紹介
タイトル | ドラゴンボールZ 超武闘伝3 |
ジャンル | 対戦格闘ゲーム |
対応機種 | スーパーファミコン |
発売元 | バンダイ |
プレイ人数 | 1 – 2人(対戦プレイ) |
発売日 | 1994年9月29日 |
ドラゴンボールZ 超悟空伝 -突激編-
今までのジャンルとは打って変わっての「アドベンチャーゲーム」。
それが、SFCでのドラゴンボールゲームとして5作品目の「ドラゴンボールZ 超悟空伝 -突激編-」です。
プレイヤーが主人公
本作の主人公は、悟空ではなく、プレイヤー自身が主人公になります。
プレイヤーは、ドラゴンボールが大好きなファンとなり、ドラゴンボールの原作を再現したゲームで競い合うという設定です。
原作エピソードを遊ぶ
この作品の大きなポイントは、今まで取り扱わなかった原作のエピソードを取り扱っている事です。
ブルマの車にちょっかいを出す悟空や、戦闘が始まるとすぐ逃げ出すウーロンなどなど…
原作を読んでいれば読んでいるほど、「にやり」とするシーンが数多く再現されています。
IFの展開も!
さらに、ただシーンを再現しているだけではありません!
途中にある選択肢を選ぶ事で、展開や会話が少し変わる事もあります。
この「もしも」を見る事が出来るのもこの作品の特徴です。
問題点も…
ただし悪い点もあります。
まず、タイトル詐欺があります。
「ドラゴンボールZ 超悟空伝 -突激編-」とありますが、本作のストーリーの範囲は悟空の少年期だけです。
青年期の物語は一切ありません。
戦闘パートの不親切さ
また、戦闘パートの仕様が親切ではありません。
- 必殺技は登録しないと使えない。
- 特定の攻撃は防御出来るがそれ以外は防御出来ない。
- 原作通り進めないと必殺技を覚えない為かえって難しくなる
などなど…。
折角のシステムが逆に仇となってしまった点もあります。
中途半端な終わり方
さらに、本作は前後篇の為終わり方も非常に中途半端です。
これはどうしても仕方のない面もありますが…
ですが、原作が好きな人であればあるほど面白い点が多く見つけられる作品です。
その為、コアなドラゴンボールファンであればあるほど、面白いと思えるでしょう。
ゲーム紹介
タイトル | ドラゴンボールZ 超悟空伝 -突激編- |
ジャンル | アドベンチャーゲーム |
対応機種 | スーパーファミコン |
発売元 | バンダイ |
プレイ人数 | 1 人 |
発売日 | 1995年3月24日 |
ドラゴンボールZ超悟空伝 -覚醒編-
ドラゴンボールのSFC作品6作品目。
それが「ドラゴンボールZ超悟空伝 -覚醒編-」です。
「ドラゴンボールZ 超悟空伝 -突激編-」の続編にあたる作品です。
本作は、前作のタイトル詐欺とは違い、青年編開始の第23回天下一武道会から、フリーザ編までを追体験できます。
また、前作をクリアしている場合クリア時に表示されるパスワードを入力する事で、ある程度強いデータで遊ぶ事が出来ました。
また本作も、今まで余り描かれなかった、コアなエピソードを描くというコンセプトは引き継がれています。
IF展開はさらにパワーアップ
さらに、前作でもあった「もしも」要素は大きくパワーアップ。
一度クリアした後、再度プレイする事で、アドベンチャーパートで選択出来る選択肢が増えます。
しかも、選択によっては原作とは全くことなる結末を迎える、マルチエンディングシステムを採用しています。
さらに、色んな選択肢を見る事で、悟空とピッコロのおまけ寸劇も見る事ができ、コンプリート欲を掻き立てます。
問題点も
一方、バトルパートに関して、相変わらず解りづらいシステムなのは変わっていません。
むしろ、じゃんけんのような相性ゲームになっているのにも関わらず、何で勝てるのかわかりづらくなっています。
その為バトルパートに関しては、より難易度が上昇してしまいました。
さらに、気楽にセーブが出来ないのもマイナスポイントです。
話の区切りごとに「セーブ」「戦闘力の上昇」「体力の上昇」の、どれか1つだけ選択出来る仕組みになっています。
その為、難易度を低下させたいなら、後者2つを選ぶしかなく、セーブが気楽に行えない状態になっていました。
ドラゴンボールの、コアなファンであれば面白い作品ではありました。
ですが、それ以外の人にとってはつまらないゲームでもあり、結果売上は伸び悩む事になります。
ゲーム紹介
タイトル | ドラゴンボールZ 超悟空伝 -覚醒編- |
ジャンル | アドベンチャーゲーム |
対応機種 | スーパーファミコン |
発売元 | バンダイ |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 1995年9月22日 |
ドラゴンボールZ HYPER DIMENSION
ドラゴンボールの SFC作品として7作品目。
そして最終作となったのがこの「ドラゴンボールZ HYPER DIMENSION」です。
より対戦格闘ゲーム色が強く
本作は、ジャンルこそ大ヒットした「ドラゴンボールZ 超武闘伝」と同じ格闘ゲームですが、システムは全く異なります。
まず、通常の格闘ゲームと同じ様に、画面端に移動するとそれ以上移動出来ません。
※「ドラゴンボールZ 超武闘伝」シリーズでは、ある程度距離が離れるとデュアルスクリーンとなり、ステージを縦横無尽に移動出来ました。
さらに、ガードキャンセル、空中コンボ、小ジャンプなど、今の格闘ゲームでは当たり前に存在するようなシステムもいち早く備えており、そのバランスも良好でした。
キャラクター数は10人と決して多くはありませんが、どのキャラクターも、数多くの特有アクションがあります。
さらに、ストーリーはフリーザ編から魔人ブウ編までをカバーしており、ボリューム面でも飽きが来ないように工夫されていました。
この様に、SFCのドラゴンボールの格闘ゲームとしては、最高峰のバランスの良さであるのですが、この時期はすでにプレイステーション全盛期。
SFCは、過去の遺産になりつつあった為、販売数は伸び悩み隠れた名作として埋もれていきました。
今でも購入しようとすると少々高いプレミア値がつけられている本作。
もしプレイする機会があれば是非友人と一緒に遊んで見て下さい。
ゲーム詳細
タイトル | ドラゴンボールZ HYPER DIMENSION |
ジャンル | 対戦型格闘ゲーム |
対応機種 | スーパーファミコン |
発売元 | バンダイ |
プレイ人数 | 1 – 2人 |
発売日 | 1996年3月29日 |
まとめ
有名なタイトルもあれば、全く知らないタイトルもきっと存在していたでしょう。
しかしどの作品にも共通して言えるのは、「どこか1点は必ず製作者の愛が感じられるこだわりが見られる」こと。
そんな作品ばかりだったのが、SFCで発売されたドラゴンボールのゲームだったと考えております。
次回は、偉大なるハード2種類で発売された、ドラゴンボールのゲームを紹介しますので、お楽しみに!
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