殺生院キアラ、スカンナジビア・ペペロンチーノ、ガネーシャの依り代にある共通点……「臥藤門司」という真っ当でとんでもない男の話

共通点の無さそうな三人の共通点

FGO ではビーストにもなった殺生院キアラ、クリプターとなった元 A チームのスカンジナビア・ペペロンチーノ、そして彼の担当だったインド異聞帯に現れた疑似サーヴァントのガネーシャ。

どう見ても共通点の無さそうな三人ですが、実はとある人物が関わっています。

もしかしたら Fate だけではなく奈須きのこ先生が関わる作品の聖職者でも真っ当かもしれない……そんな「男の話」をしましょう。

こんな表現をすると、何処ぞの童話作家から「俺の言葉を使うな」と言われそうですね。

  1. FGO のインド異聞帯にて現れた、もう一人の関係者
  2. 臥籐門司という「無茶苦茶でありながら真っ当な聖職者」
  3. 能力も精神力も、そして他人に与えた影響も大きい男

記事としては紹介、解説というものになりますし、比較的ライトなものです。

3分程度で読んでいただけるかと!

そもそも臥籐門司とは?

さて、この「ミラクル求道者」という概念礼装を見て「誰だこの人」となった方もいらっしゃるかもしれませんね。

見た目の通り、お坊さんが使うような笠に錫杖、そうかと思えば首から十字架を提げて、腰には六芒星の飾り。

もうあっちこっちの宗教がない交ぜになっています。

でも、この人の場合はそれが「自分の至った結果」のようなものでもあるんですよね。

殺生院キアラの危険性を誰よりも早く見抜いた男

初出、つまり月の聖杯戦争の世界において、殺生院キアラは地上で指名手配を受けています。

まあ、教団の人間を破滅に導き、その教団すら破滅させ、それだけに飽き足らず……という人物ですからね。

とはいえ、本人が命令するわけでもなく周りにいる人間が自らキアラに全てを捧げてしまうわけですから、キアラを初めて見た人物は無害だと認識します。

それは月の聖杯戦争に挑んだ人物達も同様で、「見た目と言動はどうあれ害はない」というような認識をしていました。

ところが、臥籐門司は地上で一度彼女と会ったときに「仏敵である」と気付いており、初出作品である「Fate/extra」でも名前を出しています。

実は、キアラさん名前だけなら CCC より先に出ているんですね。

月の聖杯戦争ではサーヴァントを「地球から引っ張ってきた」とんでもないお坊さん

月の聖杯戦争の特殊な点は、「自分でサーヴァントを選べない」という所でしょう。

聖遺物の用意が必要ない代わりに、ムーンセルがそのマスターに「最適」と判断したサーヴァントをあてがいます。

どんなに優秀な魔術師(ウィザード)であっても、特定のサーヴァントを選ぶということは出来ません。

ところが、臥籐門司は何故かそれをやってしまいました。

それも、地球でサーヴァントを召喚して……という方法でもなく。

「原初の神」を探し回って、見付けた存在を地球から月に引っ張ってきたんです。

その「原初の神」として連れてきたのは、「月姫」のヒロイン、アルクェイド・ブリュンスタッド。

行動も発想もとんでもない男ですよね。

いよいよ出てきちゃった礼装

もしかしたら、というものはありましたが……アルクェイドが実装され、礼装に彼は再びやってきました。

原初の神、人々の手垢のついていない、存在や認識を曲げられていない神を見つけた時の礼装が。

……楽しそうで何よりです。

英雄王にも認められた存在

言動が基本的にメチャクチャで、何がしたいのかよく分からないお坊さんではありますが、彼の生き様と根っこにある思想はあの英雄王も認めるものでした。

神を求めて、人々を救う神を求めてたどり着いた思考というものは、残酷ではありますが……それでもそれを受け止められる器は、最早一般人のものではありません。

「神は人を救わない」「人を罰する為に存在するのが神」という、聖職者がたどり着くには辛いもの。

それでも「そういうものなのだ」として笑い飛ばせる豪快さ、そして人の心を救うというよりも軽くするその行動は、関連作品から見てもかなりの「真っ当な聖職者」と言えるでしょう。

スカンジナビア・ペペロンチーノの一言で FGO 世界での存在が確定した

元々、殺生院キアラだけではなく、月の聖杯戦争に参加していたサーヴァントの実装やマスターの概念礼装が存在していたことで、FGO の世界でも存在はしているのではないかという話はあったんです。

そもそも、Fate は関連作品があっても関連であり、明確な続編というものの方が少ないものです。

例えば「Fate/Zero」の物語がそのまま「Fate/stay night」に繋がるわけではないように。

「結果としてはそうなるのは確定しているけれど、その経過に何があったか、誰がどう関わるか」という詳細は違う、ということですね。

だからこそ、FGO 世界での殺生院キアラは普通に学校に通うことが出来た人間であり、「余計な介入」さえなければそのまま生きていられたんです。

そうなってくると、臥籐門司もどういう存在であれ生きているだろうということになるのですが、この一言によって「確定」したわけです。

ペペロンチーノのこの一言が、どれだけ重要か

「間が悪かったのだ」というこの台詞は、「CCC」を経験しているマスター達にとってどれだけの重さを持つか、理解出来ますよね。

というか、インド異聞帯というのは参加しているサーヴァントも含めて非常に月の聖杯戦争を連想させるものでした。

それを考えてみると、その先の流れにセファールが関わってくるのも当たり前の流れだと言えますが。

そもそもセファールってなんぞや?という方はこちらをどうぞ。

FGO にも出てきた!「セファール」って何???

インド異聞帯では、月の聖杯戦争に関わる小ネタが散りばめられています。

ムーンセルのような立方体も、出てくる人物も、そしてそのセリフも。

悩みや罪の意識を抱えるペペロンチーノに対して、「間が悪かったのだ」と告げてくれたその構図は、「CCC」でのジナコと臥籐門司に重なります。

しかも、その時の臥籐門司は自分の命を引き換えにしたのです。

ジナコの抱える苦しみを、軽くしてあげる為だけに。

疑似サーヴァントにはなれる?

こうして色々と濃い部分の多い臥籐門司ですが、ガネーシャ……もといジナコのように疑似サーヴァントとして登場出来るかは謎です。

というのも、現状 FGO というか現在の主人公達には決戦用礼装が渡されたように、終わりが近付いています。

奏章が始まりましたが、旅を終わらせるための旅でもある現状、ここから大きく新たな世界を広げるのは難しいでしょう。

クリスマスや夏のイベントでのサーヴァントなども実装されますが、そのほとんどが女性サーヴァントです。

また、殺生院キアラとは真逆に覚者に近いその思考と器であるからこそ、疑似サーヴァントになるのは可能かもしれませんが、彼が担当出来る程の大きな器というのがどれだけ残っているか。

一応、これからの実装予定サーヴァントのシルエットは度々公開されていますが……

そもそも、月の聖杯戦争に関わったマスターを依り代にした疑似サーヴァントが少ない以上、難しいのではないかと考えています。

もしも別の展開を迎えるとするならば……その時は、というのが一番可能性が高いでしょう。

ですが、いつか見てみたいですね。

この無茶苦茶でも誰かの心を救ってきた男が、誰かに力を貸す姿を、もう一度。