【FGO】パッションリップ、メルトリリス、BB……彼女達の特殊性と「恐ろしさ」

FGO で「変化した」「変化しなかった」彼女たちの話

FGOが初出のサーヴァントも増えましたが、初出作品は別というサーヴァントはやはり多いですよね。

また、場合によっては初出作品とは何かしら変化して出てくるということもありますし。

今回は、その中でも分かりやすい CCC の三人を紹介しようかと思います。

  1. 初出作品においての三人は「どんな存在だった」のか
  2. 見た目も中身も変化した彼女たち
  3. 「無かった物語」である、一夜の夢のような存在

軽くとはいえ、三人分の解説になるので5分程お時間をいただければと。

FGO での彼女たちを踏まえて、初出作品においての彼女たちを語っていきたいと思います。

色々な意味で、まさかまさかの CCC だった

CCC をプレイした方々は多少なりとも分かっていただけるかと思うのですが、「FGO で実装して欲しかったのは確かだけど、実装されて大丈夫か?」と思っていました。

というのも、パッションリップもメルトリリスも……かなり際どい格好なんですね。

「FGO でも結構な衣装では?」と思う人もいるでしょう。

そんなことはないんです。

FGO でのあの衣装はまだ隠されていますし、モーションも大人しくなりました。

キアラさんの宝具も、なかなかに過激ですが……初出ではもっと凄まじかったんです。

アンデルセンが「最低最悪の宝具が来るぞ!」というレベルで。

「じゃあ、初出作品ではどうだったんだ」と思う方は、少々入手が難しくなっておりますが Vita でプレイすることが出来ますので是非。

「自分の手は普通の手」そう思っていたパッションリップ

今でこそ、タンク役、宝具による全体回復と使いやすい存在であるサーヴァントではありますが、初出作品では彼女はまさに「化け物」でした。

まず、自分の手がこんな異形であることを認識出来ていませんでしたし

愛されたい、それだけの気持ちで主人公を王子様と慕い、大きな手を引きずりながら迫ってくる様子はなかなかにインパクトのあるものです。

分からないけれど、自分の腕が重い。

だから早く動けないし、すぐに疲れてしまう。

でも、どうして、普通の手のはずなのに……普通の、女の子と変わらない手のはずなのに、と。

そして、彼女の宝具は逃れられない一撃必殺のものでした。

「オシリスの砂塵」という礼装が手に入らない限り、それの対処が出来ない程に強力で恐ろしい敵だったのです。

パッションリップにより、トラウマを刺激された人物

ガネーシャの依り代にもなった、ジナコ=カリギリ。

彼女にはトラウマがありました。

それ故に引きこもりにもなったのですが、パッションリップの破壊力、なんであろうとあの異形の手で潰してしまえるという恐ろしさ。

それは、彼女が必死に蓋をし続けてきたトラウマを簡単に引きずり出せてしまえるものでした。

偶然のことであれ、パッションリップの能力を目にしたジナコのパニックと、その後に起こった出来事は CCC でもかなり辛く、印象に残っている方は多いのではないでしょうか。

「間違っていようが、己の好きなように愛する」メルトリリス

パッションリップが被虐の存在なら、メルトリリスは加虐の存在です。

自分が高性能であることを自覚しているので、高圧的とも言える振る舞いをしますし、加虐的な言動に一切迷いがありません。

メルトリリスが感覚障害を持っているのが、その一因とも言えるでしょう。

触覚が鈍い、つまり誰かの痛みに鈍い、触れる以上のものでなければ他者の存在を感じられない……それもそれで、少し辛いものですね。

とはいえ、自分本位な彼女は様々なサーヴァントから能力を奪うスキルで自分を強化していく、ある種のチート能力を存分に使うことに躊躇いはありません。

自分が良ければそれで良い、なスタンスを行くのが彼女です。

メルトリリスの被害者でもあるのがナーサリー・ライム

メルトリリスは、「自分が好きなように好きなものを扱う」部分があり、また「繊細なもの」を好んでいます。

その影響で狙われ、マスター共々言葉通り「お人形」にされてしまったのがナーサリー・ライムです。

可愛いから、自分のしたいように、相手の意思を聞くことはなく、やりたいことをする。

愛する人は愛する、けれど人間としては扱わない。

自分の好きに、お人形のようにしてしまいたい。

それがどれだけ残酷なことであろうと。

方向性は違うものの、メルトリリスもまた「化け物」であったと言えるでしょう。

初代ムーンキャンサー、BB

現在でこそムーンキャンサーというクラスは増えましたが、初代であり配布サーヴァントでもあるのが BB です。

配布された意味はコラボシナリオをやると理由が分かってくるので、語る必要はないでしょう。

初出の BB はラスボスの風格を備えていましたが、同時に愛する人を必死に守ろうとする存在でもありました。

月の表では観測されてしまうから、全てが確定してしまう。

だからこそ、観測されない月の裏で、愛する人を守っていたい、傍にいたい。

その方向が間違っていたとしても。

そうした複雑な心理を抱えたのが彼女です。

黒いのは衣装だけで、中身は案外真っ白なんですよ。

また、BB という名前については様々な説があります。

「Black Blossom」、「Back up Blossom」、「Bottom black」等々……けれど、明言はされていない以上謎のままです。

百獣母胎というスキルと、現実のお話

FGO では明記されていませんが、初出の BB は「百獣母胎(ポトニアテローン)」というスキルというか、能力を持っています。

古代遺跡、チャタル・ヒュユクで信仰され、今は名を忘れられた女神を取り込んでいるんですね。

この女神から派生したのがティアマトやデメテル、イシュタルやヘラ……ということになっています。

Fate 作品において、「古い」ということは「強さ」です。

神代のサーヴァントが使う高速詠唱と、それ以降のサーヴァントが使う高速詠唱に差があるように、神秘で満ちた古い世界であればあるほど、使える神秘の格が違ってくるんですね。

つまり、各神話に派生する前の女神なんてものを取り込んでいるということはその神話の上を行く存在とも言えるわけです。

これに関してはあの英雄王でも理解出来ないと言いますか、どうすればいいのかとなった程。

……なんですが、実はどうもこの女神信仰はどうだったのか現実ではどうとも言えないんです。

勿論、チャタル・ヒュユクという古代遺跡そのものは存在します。

存在するんですが、ここの遺跡発掘に関わった人物が何かしらのねつ造をしていたらしいんですね。

どこまでねつ造を行っていたか等々は分かりませんが、困ったものです。

彼女たちへの特殊ボイスが存在するロビンフッドの理由

他にも関係者というか、特殊ボイスのあるサーヴァントは多いのですが、特筆すべきはロビンフッドかもしれませんね。

というのも、CCC での主人公と契約していたサーヴァントではなく、BB に雇われたサーヴァントという立ち位置だからです。

マスターとはぐれてしまっていた所を BB に雇われたのと、彼の性格の噛み合わせによりあちこちで忙しい身となっています。

パッションリップに対しては、最早「保育園の先生」感すらあるような……

よく CCC は「女の子の秘密をメインにした物語」というような表現をされますが、実はこのロビンフッドの立ち回りなども含め「熱い男の物語」でもあります。

FGO でのコラボシナリオでもその片鱗は見えますが、関係者のことをよく知っておきたいという場合は CCC そのものに触れた方がいいですよ。

変わっても、変わらなくても、「いつかの夢」として消える彼女たち

FGO の世界において、彼女たちは過去の自分から変化しました。

けれど、彼女たちは月の裏の存在。

地球からは見ることの出来ない月の裏、そこで生まれた彼女たちは月の表には出られません。

夜が明けたら忘れられる、一夜の夢のような存在です。

FGO という様々な作品が入り混じる特異点で、たまたま存在出来た、人理に力を貸すことが出来ただけなのです。