『 GhostwireTokyo 』現代の東京を舞台に幽霊退治!プレイレビュー

気分は現代版陰陽師

突如東京に立ち込めた、「触れることで肉体が消えてしまう霧」。

プレイヤーは主人公である暁人の視点に立ち、肉体から解放された魂を匣に詰めてしまう怪異の存在「マレビト」を倒しながら、この事件の犯人であり暁人の妹をさらった人物である、般若の面をかぶった謎の男を追うことになります。

現代を舞台に、印を結んで怪異を倒す。

本稿はそんな現代版陰陽師な俊作、「 GhostwireTokyo 」のレビュー記事となります。

箱庭で再現された渋谷の姿。

お散歩ゲーが好きな方には、間違いなくオススメ出来るゲームとなっています。

なお、「 GhostwireTokyo 」の対応ハードは、 PS5/ PC となっていますのでご注意を。

筆者は PC 版でのプレイとなります。

  1. 印を結んで怪異を倒す!
  2. 古き良きバディもの!
  3. 呪いの人形の追跡など、バリエーション豊かなサブクエスト!
  4. 弓が強すぎるのが不満点!

この記事は5分で読み終わりますので、最後まで読んで行ってくださいね!

ありそうでなかった斬新なシステム

今作の主な攻撃手段は、「印」を結ぶことによって発動する「エーテルショット」。

風属性火属性水属性があり、それぞれが中距離、遠距離、近距離向けの攻撃となっています。

エーテルショットの撃てる数には制限があり、それぞれの属性に対応した色の「エーテル結晶体」を破壊すると、霊力を補充できます。

ある程度エーテルショットを当てるとマレビトがダウン状態になり、コアが出現

それを直接引き抜くことで、大ダメージを与えることができます。

コンビニ商品で体力回復

回復アイテムは、現代人にはおなじみのおにぎりやカップの味噌汁

アイテム欄でそれぞれのアイテムの説明を読むことが出来るのですが、かなり手が込んでいます。

印の使い道

また今作では、封印を解くために印を結ぶ場面が多々あります。

その際にはマウスを動かして実際に印を結び、封印を解除します。

KK に任せてしまうことも可能ですが、実際に結んだ方が臨場感を味わえます。

スキルポイントで能力を解放

また、今作はレベルアップで入手するポイントを使って、様々な能力を解放できます。

たとえばボタンを長押しすることでより強力なエーテルショットを放つことが出来るチャージショットなどの戦闘能力から、アイテム数制限の拡張まで幅広く行えます。

序盤は戦闘方法が限られてくるのでどうしても戦闘が単調に感じがちですが、ある程度スキルが揃うと、スタイリッシュで爽快感のある戦闘を行うことができます

魅力的な登場人物たち

主人公の伊月暁人。 般若に攫われた妹を救うため、 KK と共に般若を追う。

主人公である暁人は、「困っている人がいたら見捨てられない」という、かなりの正義感の持ち主。

同じく肉体を共有している KK も、ぶっきらぼうではありますが、基本的には暁人の意見を優先してくれます。

そんな2人のやり取りは、古き良きバディものそのもの。

他にも天才発明家のエドや、 KK となにやら因縁のある女性凛子など、魅力的な NPC が多数登場します。

また今作ではコンビニや屋台で買い物ができるのですが、店員はなんと、猫又という妖怪。

人間がいなくなったことで我が物顔で妖怪が闊歩するようになったのですが、商売はきちんと行ってくれるので、安心して利用しましょう。

回復アイテムのほかにも、匣から解放した魂を吸収できるアイテム「形代」や、消費アイテムである矢を購入できます。

また中には、主人公の見た目を変更できる衣服などを売ってくれる猫又も

なお今作は FPS ゲームとなっていますが、変更した服に着替えた主人公は、メニュー画面やフォトモードで確認することができます。

ちなみに、回復アイテムは購入しなくても道端に落ちています。

マレビトからコアを引き抜くだけでも体力が一定量回復するので、衛生面が気になる人以外は、回復アイテムよりも矢や形代を優先した方が良いです。

天狗を利用

また、今作は印を結んで天狗から糸を伸ばしてもらうことで、まるで某ヒーロー映画のように、一瞬でビルの屋上へ飛ぶことができます。

天狗が敵として出てくるゲームは多いですが、環境アイテムとして出てくるのはこの「 GhostwireTokyo 」ぐらいでしょう。

落下ダメージも無いので、失敗を恐れず思いっきり飛んでしまいましょう。

ふんだんな寄り道要素

今作は「 KK たちと共に般若を追う」というメインストーリー以外にも、魂や妖怪の困りごとを解決していく、いわゆる「サブクエスト」もふんだんに用意されています。

サブクエストといっても「目的地に行って敵を倒す」という単純なものではなく、例えば逃げ出した日本人形を霊視を駆使して追跡したり、誘拐された座敷わらしを救い出すために民家に施された謎を解いたりと、その内容は様々。

なかには「東京の各所にいる、はぐれてしまった仲間を見つけ出してほしい」というものもあり、これらはメインストーリーを追いながらでないとクリアできない、かなり長めなサブクエストとなっています。

またサブクエストでは一反木綿や河童、唐笠小僧など、日本ではかなり親しまれているおなじみの妖怪も登場します。

心を癒してくれる動物たち

「肉体を消滅させる霧」は動物には無効なのか、それとも、般若が動物好きなのか。

今作には、霧によって消滅せずに残されてしまった犬や猫などの動物が存在します。

彼らは頭を撫でたりして可愛がることが出来るほか、能力「霊視」を使用し、餌を与えたり、なんと会話をすることも可能になります。

あまりにも素直過ぎてバカっぽさすら感じてしまう彼らですが、なんとただの癒し要素ではなく、餌を与えると恩返しにお金をくれたり、地蔵の場所を教えてくれたりするものも。

細部まで作り込まれた小物

今作ではコンビニで買い物をする際に実際に店舗に入ることが出来るのですが、その商品も、かなり細かく作られています。

店内放送もきっちり用意されており、回復アイテムであるカップ麺の CM や、歌入りの BGM が流れていたりします。

本棚に並んでいる雑誌も、読むことはできませんが、表紙の作り込みはかなりのもの。

元ネタを考えたりするのも楽しいです。

不満点

基本的には俊作といっても過言ではない今作ですが、あえて不満を上げるとすれば、敵が硬い、ということでしょうか。

難易度こそ用意されていますが、能力が揃っていない序盤は、かなり敵が硬く感じられました。

筆者は難易度ノーマルでプレイしているのですが、それでもマレビト1匹を倒すのに、かなりの霊力を使用します。

攻撃方法は派手でスタイリッシュなのに、敵が硬いせいで若干テンポが悪く感じてしまいました。

弓がかなり強力

とはいえ、こちらの攻撃手段は印だけではありません。

ストーリーの序盤で手に入る弓は、気付いていない状態のマレビトならば、ほぼ一撃で倒せます。

マレビトが密集しすぎている場所では、弓による狙撃がかなり有効に感じられました。

便利ではありますが、少し強すぎますね。

一応ステルス武器の扱いになっているのですが、そもそも背後からのステルス攻撃ならばほぼ一撃で倒せますからね。

「ステルス」という枠にある救済措置なのかもしれません。

入れる建物が少ない

今作の魅力の一つである、細部まで再現された渋谷。

人の消えた渋谷というものはかなり新鮮で、ただ散歩しているだけでも時間を奪われるほど。

ただ入れる建物がかなり少なく、少しがっかりしてしまいました。

散歩するだけでも楽しいのですが、もう少し「人がここで、実際に生活をしていた」という描写が欲しかったです。

サブクエストで入れることも

中にはサブクエストの攻略中にのみ入れる建物も。

ゴミ屋敷や病院、ホテルなどがあるのですが、どれも一度しか入ることが出来ないのは勿体ないなぁ、というほどの作り込み。

コレクターアイテムが置いてある建物もあるので、せめてサブクエスト用に用意された建物には、自由に出入りできるようにしてほしかったですね。

画面酔いしやすい方は注意

今作は FPS の中でも視点の移動がかなり独特であり、慣れていないと数分のプレイで酔ってしまうかもしれません。

ステージによっては部屋が丸ごと回転したりするので、苦手な方や心配な方は、設定を確認しておきましょう。

かなり細かいところまで弄ることができるので、無理せず感度を下げましょう。

モーションブラーもオフにすれば、かなり酔いにくくなります。

猫に餌があげられない

今作は犬や猫に餌を与えることができ、犬の餌であるドッグフードは、各所に設置されたコンビニで購入したり、どこかに入手可能なアイテムとして置かれていたりします。

しかし、現時点で猫の餌は確認できていません。

猫の餌が存在しないのであれば、「なぜ犬にしかご飯をあげられないのか」ということをぜひ質問したいところ。

「気分が悪い」と言っている猫を撫でることしかできないのは、やはり心苦しいです。

まとめ

戦闘面などで若干粗削りな面もありますが、箱庭で再現された渋谷をお散歩するだけでも時間を奪われてしまうゲーム。

スタイリッシュなアクションゲームを求めている方よりも、箱庭をぶらつくことが好きな方にこそオススメできるゲームですね。

もちろん、戦闘がつまらないというわけではありませんが。