漫画『天地を喰らう』のゲーム化作品
本宮ひろ志の作品で『天地を喰らう』という漫画があります。
中国の西暦200年前後、いわゆる三国志と言われる時代の作品です。
数ある『三国志』作品の中でも異彩を放つ作品となっています。
『天地を喰らう』とはどういう話なのか?
原作となる『三国志』では、黄巾の乱という反乱が起こり、これによって三国志の時代が幕開けします。
本作『天地を喰らう』では、首領の『張角』がなんと魔王
その『張角』を退治した遺体が、「108つの魔星」となり、主人公の『劉備』を含めた108人に降り注ぎます。
『劉備』を除いてみな魔性の虜になり、戦乱の世が訪れるというものです。
本宮ひろ志×歴史のお約束なのか、主人公サイドの絵柄が悪いのもご愛敬です。
(張飛はなぜか片目がつぶれています。夏侯惇の存在意義を奪っている…)
何故1000年後の『水滸伝』要素を足したのかは謎ですが…
PS『幻想水滸伝』の原点!?
出来上がりは大幅に違いますが
「たくさんの仲間を集めて物語を進めていく点」
「108の数字」
から、プレイステーションで発売された人気RPGシリーズの『幻想水滸伝』の原典の一つと言っても過言ではないと思います。
思いますよね?
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ゲームの流れと、よくできたシステム
原作で描かれなかった結末が見れる!
本作は、『桃園の誓い(原作にはない)』~『天下統一』までの期間をしっかりと追った作品になります。
なお原作は、アンケート上位をキープする人気作だったのにもかかわらず
作者が歴史に沿って作品を書くのがめんどくさくなり打ち切ってしまった魔性の作品でもあります
本作では結末まで見れるので、ゲームで原作の供養が出来ているのではないでしょうか!
ストレスを激減させるシステム
RPGとしてみた時によくできているのは
・移動速度が速い事
・戦闘をオートでできること
の2点です!
これにより、フィールドでのストレスは激減しますし、街中でも移動が速いので非常に楽です。
ファミコンソフトではトップクラスの移動速度です。
視覚的に優れている所
また、戦闘中は各武将は漢字で表記されます。
通常のメッセージではカタカナですが、戦闘の重厚感を表していてよいと思います。
面白いのが、武将のHP的なものは兵力で表されるのですが
兵糧の概念があり、それがなくなると兵の数がどんどん減っていきます。
通常のRPGと違って、軍勢を率いてる感が表現されているのが素晴らしいです。
まさに『水滸伝』!多くの仲間を作れる!
さらに特筆すべき点は、1980年代のRPGとは思えないくらい、大量に仲間を作れることです。
まさに水滸伝感。
基本的に、シナリオを進めていきメインキャラを仲間にしていくのですが
それ以外のキャラもどんどん仲間にできます。
街中で話しかけるだけのこともありますし
敵であっても…
城に移動 → 城を開放 → そのエリアの武将を戦闘でとらえる → 仲間にする
の流れで仲間になります。
敵もさるもの、仲間にするには条件を付けてきます。
これらを乗り越えて仲間にできるのですが、これが非常によくできています。
仲間はどんどん作るべし
このゲームの仲間キャラクターは大きく分けて3パターンです。
- レベルが上がっていくキャラクター
- レベルが変わらないキャラクター
- 軍師になれるキャラクター
レベルの上がるキャラ
メインキャラクターは仲間にした後、レベルが上がっていきます。
基本はこのキャラ達メインで運用していきます。
レベルの上がらないキャラ
ゲームを進めると、出会う敵の方が兵力が多いことがままあります。
それらキャラは仲間にしても成長しません。
行く先で出会った武将と入れ替えていくことになります。
当然、物語を進めていくと、後半の方が強い武将が出てくることになるのですが
苦戦した分だけ、あとで彼らを仲間にする喜びも大きいです。
重要な「軍師」キャラ
そして戦局を作用するのが、軍師になるキャラクターです。
必ず仲間の中で軍師を設定しておかないと、計略(魔法的なもの)が一切使えなくなります。
攻撃はおろか回復もままならなくなるため、かならず軍師は設定しておきましょう。
また、軍師はパーティが5人以下にならないと戦闘に参加しないため、別段レベルが上がる『諸葛孔明』である必要はありません。
『孔明』が一番強いのはゆるぎないですが、好みじゃない場合はお好みのキャラクターを軍師にするのもありです。
逆に軍師を使わないという縛りプレイもできますが…終盤最高レベルまで上げないと無理レベルの苦行です。
好きな武将をコレクションするという楽しみ方
大半の武将は仲間にできるので、好みの武将をコレクションするという楽しみもあります。
ただし、全員は仲間にできないため、途中で仲間を解雇する必要が出てきます。
通常のRPGだと二度と出てこないのですが、彼らはたくましいので、また敵として、フィールドで襲い掛かってきます。
昨日の友は、今日の敵です。
呂布よ、お前は何がしたい
『呂布』というキャラクターがいます。
この時代に最強と謳われた武将です。
情緒不安定な呂布
途中ある条件を満たすと仲間になりますが…突如裏切ります。
そして、その後もボスとしてあらわれては生き延びますが…
ある時を境に路上で襲い掛かってきて、唐突に死にます。
なにがしたかったのでしょうか???
一応彼を殺さないことも可能です。
襲い掛かってきても逃げ続ければ彼は生存します。
『天地を喰らう』まとめ
「移動や戦闘によるストレスの少なさ」
「たくさんの仲間を作れる自由度」
「シナリオのボリュームの豊富さと商いギミック」
十分に名作の条件を満たしています。
かなりの長時間楽しめますので、ぜひやってみてください!
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