納得?理不尽?ゲームの続編で主人公が弱体化する理由

最強の主人公が次回作で弱体化……

苦労して育てた、プレイヤーの分身となる最強の主人公。

しかし、次回作でいるのは弱体化をくらい再スタートを余儀なくされた姿。

あの最強の勇姿はどこへ、なぜそんなに弱くなってしまったのか……。

そこで、今回はゲーム中で主人公が弱体化した理由が示されているゲームをピックアップしてご紹介します。

今回の内容は…

  1. 主人公はなぜ弱体化する?
  2. 瘴気を浴びたリンク
  3. 「X」に寄生されたサムス
  4. 修復が不完全なアーマーを装備したロックマンX
  5. 1年間の撤退戦を続けたゼロ
  6. 装備を売られてしまったロック

こんな感じでしょうか?

この記事は7分で読み終わりますので、ぜひ最後まで読んでいただければうれしいです!

なぜ主人公は弱体化する?

ナンバリング作品などで主人公が続投する場合、すべてではありませんが多くは前作まで持っていた能力を失う、レベルが1に戻るなどの弱体化を受けます。

その一番の理由は「ゲーム」だからです。

前作で最強の装備を手に入れて向かうところ敵なしの状態になった主人公が、次回作でもそのまま続投すれば、何も苦労することなく序盤のボスどころかラスボスも一撃で倒してしまうといったことが起きてしまいます。

それではプレイヤーは攻略や育成の楽しみ、キャラクターへの愛着を得られませんし、開発陣も作り応えがありません。

かといって、最強の主人公が苦戦するほどの強敵を作れば強さのインフレが加速し、「前作の事件は別に大したことなかった」と過小評価されてしまうことも。

そういった事態を回避するためには、「主人公が弱体化する」が一番角が立たないバランス調整になるのです。

理由付けをすることで深みを持たせる

主人公弱体化の一番の理由はゲームの仕様ではあります。

しかし、そこにストーリーや設定などを絡めて弱体化の理由をつけることで、よりゲームの世界観に深みを持たせ、プレイヤーにさらなる没入感をもたらしてくれるのです。

主人公弱体化の理由がつけられている作品は多くありますが、今回は以下の5作品をご紹介いたします。

ゼルダの伝説 ティアーズ オブ キングダム

2023年5月12日に発売された、全世界待望の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザワイルド』の続編。

前作以上にアクションやストーリーが強化され、フィールドも空と地下にまで広がり時間がいくらあっても足りないほどの圧倒的なボリュームを誇ります。

前作で平和を取り戻したはずのハイラルで、どんなストーリが展開されるのか、紹介映像でもシリーズ最大の敵であるガノンドロフが登場するなど発売前から話題になっていた本作。

発売後もその人気は加速し、連日 SNS や YouTube を賑わし、プレイヤーを熱狂の渦に巻き込んでいます。

瘴気を浴びて瀕死の状態に

厄災ガノンを打ち倒し、ハイラルに平和を取り戻したリンクとゼルダは、本作冒頭でハイラル城の地下から噴出する瘴気の調査を開始しました。

この時のリンクは体力(ハート)とスタミナ(がんばりゲージ)が最大で、向かうところ敵なし。

ゼルダの護衛として堂々たる姿を見せてくれました。

しかし、最深部でミイラのようなものから発せられた瘴気に襲われて右腕が浸食されてしまいます。

その際に体力がどんどん減っていく演出が入り、あっという間に弱体化してしまいました。

その後もリンクの体の中には瘴気が残っており、ストーリーや試練をクリアすることで体の中の瘴気を取り払って元の強さを取り戻していくことになります。

メトロイドフュージョン

 

ほぼ毎回、主人公が弱体化するゲームの代表ともいえるシリーズが「メトロイド」でしょう。

今回はその中でも弱体化の理由がストーリーにも大きく絡む『メトロイドフュージョン』をご紹介!

主人公であるサムス・アランは、銀河を駆け巡り数多くのミッションをこなしてきたフリーのバウンティ・ハンター。

そんな彼女の強さの秘密は、鳥人族と呼ばれる種族から移植されたDNAによる高い身体能力、そしてバイオ素材でできていて肉体と完全に一体化する「パワードスーツ」です。

このパワードスーツは冷気やマグマのダメージ無効にするほか、ビームやミサイル、さらには自身を球体にして狭い隙間も入り込めるようになる「モーフボール」など、さまざまな武装や能力が備わっています。

しかし、ゲーム開始と同時にこれらの能力の大半は失われることになります。

謎の寄生生命体に浸食

『メトロイドフュージョン』では、「BIOLOGIC宇宙生物研究所(通称B.S.L)」からの依頼を受け、惑星SR388の調査団の護衛任務からストーリが始まります。

その護衛任務の途中、サムスは突如現れた謎の寄生生命体「X」に襲われて意識不明の重体に陥ってしまいます。

銀河連邦は懸命に治療を試みるものの、サムスの肉体と完全に一体化しているパワードスーツは、サムスの意識がない状態では脱がせることはできません。

そのためやむを得ず「X」ごとスーツを切り取ることになるのですが、この際に武装の多くを失い、防御力も大幅にダウンする結果になってしまいました。

さらに、治療のために使用した「メトロイドワクチン」により冷気に弱くなるといったデメリットも持つようになりました。

しかし、ただ弱体化したわけではなく「X」を吸収できる能力を身に着けたり、スーツが切り取られて軽くなったことで機動性が増したりなどの一部能力向上も見られます。

ロックマンX6

ロックマンXシリーズの第6作となる『ロックマンX6』では、前作『ロックマンX5』に続き主人公であるエックスとゼロをステージごとに選択して攻略できるのがポイントです。

本作ではシグマウイルスと呼ばれる電子頭脳に異常をきたすウイルスが蔓延し、さらにはスペースコロニー「ユーラシア」の一部が地球に落下したあとの荒廃とした世界が舞台。

なんとか復興へと進む中、今度は「ナイトメア現象」と呼ばれる異常事態が発生し、原因究明と問題解決のために各ステージへ調査に向かことになります。

急ピッチでのアーマー修復

ロックマンXシリーズにおいて、エックスは各ステージに隠されたアーマーを装備して攻撃力や防御力、機動力を上昇させることができます。

このアーマーは作品ごとに姿や能力が異なるのですが、『ロックマンX6』では3つ(隠し要素を含めると4つ)のアーマーが登場し、その中の一つは前作『ロックマンX5』で登場した「ファルコンアーマー」が続投しました。

このファルコンアーマーは初期から装備できるのですが、前作の激しい戦いにより損傷してしまって修復されたという設定が加えられ、かつ急ピッチでの修復だったという理由から攻撃力・機動力の面で弱体化を受けています。

まず攻撃面ですが、『ロックマンX5』ではチャージショットに貫通性能があり、壁の向こう側にいる敵や複数の敵にも対処ができましたが、『ロックマンX6』ではその貫通性能が失われてしまいました。

さらに、3秒間上下左右自由に飛行できる、ファルコンアーマー最大の特徴であるダッシュ機能「フリームーブ」も失われてしまっています。

ロックマンゼロ2

ロックマンゼロシリーズは、先にご紹介したロックマンXシリーズから数百年後の世界が舞台となっており、ロックマンXシリーズでも活躍したゼロが主人公です。

ゼロは『ロックマンゼロ』にて人間の科学者であるシエルにより封印を解かれ、彼女が指揮するレジスタンスの一員として協力。

その中で親友であるエックスとの再会、エックスのコピーとの戦いに身を投じていくことに……。

かつての主人公であったエックスのコピーが敵、荒廃した世界で必死に抵抗を続けるレジスタンスたち、緻密に練られたストーリー、そして何よりゼロのかっこよさが人気のシリーズです。

1年間の撤退戦でボロボロに

最初の戦いである『ロックマンゼロ』において、ゼロはコピーエックスとの死闘に勝利しました。

しかし、戦いを終えて脱出したゼロの眼前に広がるのは敵の大軍。

いかにゼロといえど、その場ですべての敵を倒すことはできないため撤退戦を始めます。

そして、『ロックマンゼロ2』では1年間追手を振り切りながら戦うゼロの姿からスタート。

何とか敵を倒すもついに疲弊しきって倒れてしまい、武装もほとんど壊れてしまいました。

ロックマンDASH2

「主人公弱体化」というテーマにおいて、この作品を出さないなんてことはありえません。

ある意味もっとも有名でプレイヤーから衝撃の声が上がった作品。

それが『ロックマンDASH2 大いなる遺産』です。

本作は2000年に発売されたゲームで、舞台はロックマンXの世界から数千年後。

「ロックマンシリーズ」では初となる3Dアクション『ロックマンDASH 鋼の冒険心』の続編となります。

まるで一本の映画を見ているような濃密で面白く、切ないストーリー、個性豊かなキャラクターたちが今を全力で生きる姿、そして3Dアクションのロックマン。

これまでになかった世界観に魅了されたコアなファンが多い作品です。

ロックの装備全部売っちゃった

ゲーム冒頭で住まい兼移動手段である飛空艇「フラッター号」を操縦しながら会話をするロックとロールちゃん。

どうやら新しいエンジンに組み替えたようで出力が上がっているようですが、その改造により貯金がなくなってしまったようです。

その際に、ロックは気になっていた質問をロールに投げかけます。

「そういえば装備ってどこにやったの?」と。

その返答がまさかの「ごめんね、ロックの装備、全部売っちゃった」なのです。

言葉だけ聞くと衝撃で理不尽かもしれませんが、ロールちゃんがロックの装備を売ったのは二人の生活の拠点でもあるフラッター号を改造するのにお金が必要だったという真っ当な理由であり、決してロールちゃんの私利私欲で散財したわけではありません。

しかし、以下の描写から「本当に修理のためだけに装備を売ったのか?」という疑いの目を向けているプレイヤーもいます。

  • 武器の強化に多額のお金を要求する
  • ライバルキャラクターであるトロンから守銭奴と呼ばれている
  • ロックに相談なしに装備を売ってしまった

実際のところロールちゃんがお金をどのように使ったのかはわかりませんが、これらの描写があることでよりロールちゃんというキャラクターの魅力が掘り下げられているといってもよいでしょう。

弱体化の理由はすべてのゲームに必要か?

結論、主人公が弱体することに対する理由付けはあってもなくてもよいのではないでしょうか。

理由が明確に説明されていなければ、プレイヤー側が弱体化した理由を自分で補完してもよいですし、本当は弱体化しておらず周りの敵がとんでもなく強いという設定を自分で勝手につけてもよいわけです。

それもゲームの楽しみの一つなのは間違いありません。

しかし、今回ご紹介したように明確にゲーム中で弱体化の理由が説明されると、自分で補完するよりも詳しくそのゲームの中に広がる世界観や技術、キャラクターの設定などが見え、よりその作品に愛着が湧くものです。

今回ご紹介した作品はあくまで一部であり、ほかにも主人公が弱体化した理由がある作品は多くあります。

この機会にぜひ、主人公が弱体化した理由をゲームの中から探ってみてください。新しい発見があるかもしれません。

ライター紹介

政喜
ゲームとバーチャルアイドルとバイクが好きなライターです。好きなゲームのジャンルは2Dアクションで、ロックマンシリーズは今でもハマっています。最近やっているゲームは『マリオカート8DX』『ロックマンX アニバーサリーコレクション』『ロックマンXDiVE』などです。キャラクターの深掘りをしてゲームの魅力を発信したり、読んだ方から「このゲームやってみよう」と思ってもらえたりするような記事を書いていきたいです。どうぞよろしくお願いいたします。