はじめに
MTGは,発売からもうすぐ30年が経とうとしており,これまでに大量のカードが刷られてきています。
あまりに大量のカードがあるため,遊び方にフォーマットと呼ばれるものがあります。
簡単に言うと,デッキを作る際の取り決めのことで,格闘技で言うところの階級のようなものです。
フォーマットには,大まかに構築とリミテッドが存在します。
構築 | 特定のカードプールの中から自分でデッキを構築して対戦します。いわゆる,普通のトレーディングカードの遊び方です。 |
リミテッド | 未開封のパックをその場で開けて,出てきたカードと基本土地だけを使って,デッキを構築して対戦すします。 |
今回は,その中でも特に基本的なものを紹介していきます。
また,実際にMTGをプレイする場合は,紙のカード,デジタルカードのMTGアリーナ(MTGA)とマジックオンライン(MO)の3種類があります。
ちなみに,MTGアリーナは無料で,マジックオンラインは有料なので,これからMTGを始めたい人は,まずはMTGアリーナをオススメします。
それぞれに独自のフォーマットの存在しますので,合わせてご紹介します。
- スタンダードとは,直近1-2年に発売されたスタンダードセットのカードでプレイする。
- パイオニアとは,『ラヴニカへの回帰』以降のスタンダードセットで収録されたカードでプレイする。
- モダンとは,『ミラディン』以降のスタンダードセットと一部の限定セットで収録されたカードでプレイする。
- レガシーとは,一部のカードを除き,これまでに発売された全てのカードでプレイする。
- ヴィンテージとは,MTGのありとあらゆるカードが使用でプレイする。
- パウパーとは,コモンのカードだけでプレイする。
- ドラフトとは,複数人で未開封パックを開け,そこから出たカードでプレイする。
- シールドとは,未開封パックを6パック開け,そこから出たカードでプレイする。
- 統率者とは,100枚のデッキ(統率者1枚とその他99枚)を使って4人でプレイする。
構築
様々なカードの中から自分でデッキを構築して対戦します。
いわゆる,普通のトレーディングカードの遊び方です。
主なデッキの構成は,60枚以上のメインデッキと15枚以下のサイドボードで構成されます。
メインデッキとサイドボードを合わせて、同名のカードは4枚まで入れることができます(枚数制限のカードもある)。
基本・土地カード(平地,島,沼,山,森)は無制限です。
スタンダード
スタンダードは,MTGの最も標準的なフォーマットで,直近1-2年に発売されたスタンダードセットのカードでデッキを構築し,ゲームをします。
常に最新のカードだけが使える環境であり,毎年カードのローテーションも行われます。
ローテーションは,その年の9-10月頃に行われ,その後からは使えるカードが変わるので,初めての人でも参入しやすい時期と言えます。
また,スタンダードで使用できなくなったカードも,その他の環境では継続して使用することができるので,無駄にはなりません。
スタンダードはローテーションのある環境ですが,定期的に構築済みデッキも発売されるため,参入はしやすい環境です。
パイオニア
2012年9月に発売された『ラヴニカへの回帰』以降のスタンダードセットで収録されたカードが使用できるフォーマットです。
あえてスタンダードセットと紹介したのは,MTGはスタンダードでは使用できない特別なカードが発売されることがあるからです。
スタンダード環境とは違い,ローテーションは存在しません。つまり,使用できるカードが増え続ける環境です。
パイオニアへの入門として,強力な構築済みデッキも発売されています。
モダン
2003年10月に発売された『ミラディン』以降のスタンダードセットと一部の限定エキスパンションで収録されたカードが使用できるフォーマットです。
こちらも,ローテーションは存在せず,使用できるカードが増え続ける環境です。
ド派手なコンボ多く,非常にパワフルな環境です。
強力カードが大量に収録されたモダン向け商品も発売されています。
レガシー(エターナル)
エターナルフォーマットとも呼ばれています。
一部のカードを除き,これまでに発売された全てのカードを使用できるフォーマットです。
1ターン目からでも激しい攻防が起こり,一瞬でも隙も見せれば勝負が決まってしまいます。
玄人たちによるパワフルかつ繊細な環境です。
ヴィンテージ(エターナル)
レガシーとともにエターナルフォーマットに含まれます。
マジックザギャザリングのありとあらゆるカードを使用できる無差別級環境です。
トレーディングカードの頂点にして,時価400万円以上の『ブラックロータス』をも使用できる唯一のフォーマットです。
あまりにも超超高額カードが飛び交うことから,『札束で殴りあるゲーム』,『貴族の遊び』とも称されます。
大会では警備員まで動員されるほどの究極のフォーマットです。
パウパー
MTGのカードのレアリティには,コモン,アンコモン,レア,神話レアが存在していますが,その内のコモンだけでデッキ構築をするフォーマットです。
コモンとは言え,一部に禁止カードは存在しています。
とにかくカードが安く,5,000円あれば強力なデッキを構築できるので,MTGをやってみたい人も参入しやすい環境です。
MTGアリーナ専用の構築
アルケミー
通常のスタンダードに対して,追加カードと一部のカードに再調整が行われたフォーマットです。
スタンダードで禁止となったカードも再調整され,使用できるようになっています。
通常 | アルケミー |
ヒストリック
2017年9月に発売された『イクサラン』以降のスタンダードセットで収録されたカードと,一部のMTGアリーナ専用のカードが使用できるフォーマットです。
ローテーションは存在せず,アルケミー同様に一部のカードに再調整が行われています。
エクスプローラー
MTGアリーナ用のパイオニア・フォーマットです。
使えるカードはパイオニアとほぼ同じです。
リミテッド
ブースタードラフト
ブースタードラフトは,未開封のパックをその場で開封し,出てきたカードをドラフト形式で選び,デッキを組んで対戦するフォーマットです。
基本的に参加者全員が同じエキスパンションのパックを使用します。
MTGのカードを全く持っていない人でも,お店で気軽に参加できるのが特徴です。
【ドラフトの手順】
①参加者は,それぞれに配られたブースターパックを開封して,カードを1枚だけ選びます。
②残りのカードは全て左隣の参加者に渡します。
③隣から回ってきたカードから再びカードを1枚だけ選びます。この工程をカードがなくなるまで繰り返します。
④全てのカードがなくなったら,新たな未開封パックを開封します。
⑤2巡目は,右隣の参加者にカードを渡します。その後の工程は1巡目と同じです。
⑥3巡目は,再び左隣の参加者にカードを渡します。その後の工程は同じです。
⑦以上の工程で選んだカードと,基本・土地カードを合わせて40枚以上のデッキを構築して対戦します。
シールドデッキ
シールドデッキは,未開封のパックを6パック分その場で開封し,出てきたカードでデッキを組んで対戦するフォーマットです。
新しいエキスパンションが発売された直後に多い遊び方です。
こちらも,MTGのカードを全く持っていなくても参加できます。
まとめ
主なフォーマットをまとめますと,以下のようになります。
紙 | MTGA | MO | ||
構築 | スタンダード | 〇 | 〇 | 〇 |
パイオニア | 〇 | × | 〇 | |
モダン | 〇 | × | 〇 | |
レガシー | 〇 | × | 〇 | |
ヴィンテージ | 〇 | × | 〇 | |
パウパー | 〇 | △ | 〇 | |
アルケミー | × | 〇 | × | |
ヒストリック | × | 〇 | × | |
エクスプローラー | × | 〇 | × | |
リミテッド | ドラフト | 〇 | 〇 | 〇 |
シールド | 〇 | 〇 | 〇 |
統率者(多人数戦)
様々なフォーマットの中でも,最近は特に人気なのが統率者戦です。
4人で行う多人数戦なので,ボードゲームのように遊べます。
【統率者デッキのルール】
①『伝説のクリーチャー』1体を統率者として指定する。
②デッキは必ず100枚にする(統率者1枚とその他のカード99枚)
③各カードはデッキに1枚しかいれられない(基本土地は何枚でもよい)。
④デッキに入れられるカードは,統率者がもっている色のカードのみ。
⑤禁止カード以外は,MTGのあらゆるカードを入れることができる。
【統率者戦の主な進め方】
①ライフは40点でスタート。
②統率者は統率者領域に置き,いつでも唱えられる。
③ターンは,開始者から時計回りで進める。
④最後の一人になった者が勝者。
統率者にも構築済みデッキや特化商品が発売されています。
おわにり
ここまでお読みいただき,ありがとうございました。
今回は,MTGの様々なフォーマットを紹介しました。
本当に多種多様な遊び方があって飽きることがありません!
初心者をはじめ,経験者の皆様にもこの記事が参考になれば幸いです。
それでは,また。