【スマブラSP】様々な参戦経緯をもつファイターたちを紹介!

スマブラSPのファイターたち

任天堂作品のみならず、他社のキャラクターも入り混じったことで、史上類を見ないコラボが実現したゲーム、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』。

ディレクター・桜井政博氏の拘りが凝縮されたファイターの総数はなんと86体

その中にはやや特殊な経緯をもって参戦したファイターもいました。

はたしてどんなファイターが、どんな経緯で参戦できたのでしょうか。

その一部をまとめてみました。

  1. あのファイターが参戦できた経緯を解説
  2. 中には大人の事情が垣間見えるファイターも?
  3. 二度と生まれないであろう奇跡のコラボの裏側

この記事は5分で読み終わりますので、最後まで読んでいってくださいね。

不思議な経緯をもつファイターたちを紹介!

プリン

初代から皆勤賞のファイター・プリン

しかし、なぜ数多くいるポケモンの中でプリンが参戦できたのか、疑問に思った方もいるのではないでしょうか。

これにはしっかりとした理由があります。

当時のプリンはアニメに欠かせない存在だった!

『スマブラ64』が発売された当時のポケモンは、ゲームだけでなくアニメも絶好調でした。

そんなポケモンのアニメにはいくつかお約束があり、その中の一つがプリンにまつわるものでした。

プリンはアニメで準レギュラーのような立ち位置で、いつも突然現れ、自慢の歌声を披露します。

しかし歌を聴かされた人やポケモンはすぐに眠ってしまいます。

歌い終えてみんなが眠っていることに怒ったプリンは、マジックペンで顔に落書きをして去っていく…というものでした。

つまり当時ポケモンに触れていた人たちにとって、プリンはお馴染みの存在だったわけですね。

加えて当時のポケモン界では、ピカチュウ・ピッピ・プリンの3匹がマスコットキャラとして人気を確立していました。

その中でも特にプリンはやられ役っぽい、というのも決め手だったそうです。

こうした要素があったからこそスマブラに参戦できたのでしょう。

ロイ

『スマブラ DX』より参戦したロイ

しかし参戦に関してある珍事が発生します。

主人公をつとめる作品がまさかの発売延期!?

もともとロイの主演作『ファイアーエムブレム 封印の剣』は、『スマブラ DX』とほぼ同時期の発売を予定していました(2001年11月)。

しかし『封印の剣』が翌年3月に発売延期

結果的にロイはスマブラに先行登場という、過去に類を見ない形で参戦することになりました。

このことはゲーム内でもメタ的に反映されており、勝利ボイスの一つに「真の戦いは、これからだ」というセリフがあります。

ここでいう真の戦いこそが、これから出る『封印の剣』を指していたのでしょう。

スネーク

『スマブラ X』から参戦した『メタルギア』シリーズの主人公・スネーク

シリーズ初のゲストキャラクターである彼が参戦したきっかけは、スネークの生みの親で『スマブラ』ファンである小島秀夫氏からのラブコールでした。

他社キャラ参戦に任天堂は…

他社のキャラクターが参戦することについて、任天堂は桜井氏に任せる」「滅多にないお祭りなので、より盛り上がったほうがいい」と容認。

権利などの交渉や議論が1年近く続き、晴れて参戦にこぎつけることができました。

『スマブラ for』では小島秀夫が KONAMI を離れたこともあり、続投は叶いませんでしたが、『<スマブラ SP』で再び全員参戦のもと復帰。

参戦ムービーでスネークが映った時は世界中が大盛り上がりでした。

むらびと

『スマブラ X』発売当時、桜井氏は企画書内で『戦うイメージからかけ離れているキャラクターは出さない』とはっきり明言しており、例として『どうぶつの森』や『ニンテンドッグス』を挙げていました。

このことから、どうぶつの森シリーズはステージなどで登場することはあっても、ファイターとしては参戦しないだろうな…というのが大方の予想でした。

しかし、迎えたスマブラ『スマブラ for』の初出しムービー。

戦うマリオの後ろからバサっと虫あみを被せたのは、なんとどうぶつの森の主人公。

同時に『むらびと』として参戦発表されました。

なぜむらびとが参戦できたのか?

まさかの参戦が実現した理由は、『スマブラ for』のファイター選出における基準が変わったことでした。

桜井氏いわく、

「そのキャラクターが出た時にいかにおもしろいことができるか、ファイターとしてどういった個性が出せるか」

を基準とした時、むらびとが確固たる個性を持って戦うイメージを見出せたため、参戦が決まったそうです。

『スマブラ for』にはその後、同じく戦うイメージからかけ離れているWii Fit トレーナーなどが参戦。

より幅広いゲームからファイターが集ったことで、スマブラは格闘ゲームだけでなくパーティーゲームとしての一面を打ち出すことができました。

ゲッコウガ

スマブラでは新作が出るたび、ポケモンの最新作からファイターが参戦するというお決まりがあります。

『スマブラ for』で参戦したのはゲッコウガ。

今となっては人気筆頭格のポケモンですが、当時は人気が出るかどうかは賭けに近かったそうです。

選んだ理由は「人気だから」ではなく「人気が出そうだったから」

『スマブラ for』の企画段階で、桜井氏は既にポケモン最新作から1体分の参戦枠を空けていました。

しかし『ポケットモンスター X・Y』についての情報はまだ彼の元に一切入っていませんでした。

後に『X・Y』の資料を手に入れ、スタッフと打ち合わせをする中で、「きっと受ける」という判断のもと選ばれたポケモン。

それがゲッコウガだったのです。

結果的にゲッコウガは『ポケモン総選挙』で2回連続で1位を取り、アニメでもサトシゲッコウガに覚醒するなど活躍し、人気を確立。

桜井氏の読みはズバリ的中したのでした。

カムイ

『スマブラ for』の DLC で登場したカムイ。

参戦が発表されたのは主演作が出てからわずか半年後でした。

主演作の宣伝も兼ねての参戦

カムイ参戦のきっかけは、結論を言うと時期がよかったから

ちょうど北米では『ファイアーエムブレム if』は2016年2月の発売予定だったので、ファイターとしての配信と同時にデビューする運びとなったわけですね。

ちなみに『スマブラ SP』で参戦するドラゴンクエストシリーズの勇者も、メインビジュアルは発売が近かった『XI S』のものを起用しています。

こうした所からは「大人の事情」をちょっぴり感じられますね。

パックンフラワー

『スマブラ SP』の早期購入特典として参戦(のちに別途有料コンテンツとして配信)したパックンフラワー。

まさかの参戦に誰もが驚いたのではないでしょうか。

この参戦について、桜井氏は以下のように語っています。
『パックンフラワーなの!?と思う方もいるかもしれませんがちょっと外したというか、主流ではないキャラクターたちもいないと、おもしろくないですよね。
純然としたヒーローのような人ばかりが並んでいるのはイマイチだと思うんです。』
また、ステージの背景への登場なども含めると、パックンフラワーは初代からの皆勤賞

マリオシリーズ本編では事あるごとに色んな形態のパックンフラワーが登場します。

こうした歴史の深さやネタの幅広さも、参戦のカギになったのかもしれません。

早期購入特典という枠にピッタリ当てはまる、まさにうってつけの人物…いや植物?だったわけですね。

ミェンミェン

Nintendo Switch のローンチタイトルにして、新感覚のプレイスタイルが話題となった『ARMS』。

ミェンミェンは当初スピリットでの登場でしたが、後に DLC 第6弾で正式に参戦となりました。

『ARMS』といえば、スマブラユーザーにとっては既にアシストフィギュアで登場していたスプリングマンのイメージが強かったはず。

なぜミェンミェンが抜擢されたのでしょうか。

開発者サイドからの推薦

結論からいうと、『ARMS』の矢吹プロデューサーの推薦によるもの。

矢吹プロデューサーいわく、『ARMS』は「全員が主役」とのこと。

その中でも人気の高かったミェンミェン、ニンジャラが候補に挙がり、最終的にミェンミェンに決まったそうです。

今思えば、ミェンミェンのような中華キャラは今までいそうでいませんでしたよね。

バンジョー&カズーイ

かねてより非常に参戦要望が高かったバンジョー&カズーイ。

しかし彼らが参戦するにあたっては、軽視できない事情が数多くありました。

レア社と任天堂の過去

もともと『バンジョーとカズーイの大冒険』は、レア社が開発し、Nintendo 64用ソフトとして発売されたゲームです。

全世界で180万本を超える売上を記録し、『スマブラ DX』への参戦も予定されていました。

しかしゲームの発売後、レア社と任天堂は喧嘩別れ

任天堂は保持していた株を手放し、レア社は Microsoft が買収しました。

こうしてバンジョーたちの権利は譲渡され、2000年を最後に任天堂作品への登場はなくなってしまいました。

それから実に19年の歳月をかけての任天堂作品への復帰。

Microsoft は快く貸し出してくれ、レア社スタッフからも大歓迎だったそうです。

まさにスマブラが繋いだ縁ですね。

ソラ

天下のディズニーから参戦した『キングダムハーツ』の主人公、ソラ。

その参戦の裏には、数多くの困難が待ち受けていました。

特殊なゲーム性、そして版権問題

まず、『キングダムハーツ』自体がかなり特殊なゲームであるということ。

ディズニーのキャラクターがたくさん登場する『キングダムハーツ』は、スマブラの参戦基準である「ゲーム原作のキャラクターしか登場させない」と照合するとややグレー。

ミッキーやドナルドは正確にはアニメが初出ですからね。

また、ディズニーは版権には非常に厳しいことでも有名です。

以上の事から、参戦はほぼ絶望視されていました。

ディズニー担当者からの前向きな返事

転機が訪れたのは、桜井氏がとあるアワード会場でディズニーの担当者と会った時。

「ディズニーとしても参戦できたらとてもよい」と返答を受けたことがきっかけとなり、ディズニー、スクウェア・エニックス、任天堂の三者間による協議が行われました。

無事にゴーサインが出たことで、当初は5枠の予定だったファイターパス  Vol. 2にもう1枠が追加され、ソラの参戦が実現したというわけです。

桜井氏はこのことについて、「他のファイターがひとり増えるのとは意味合いが異なる」と語っています。

まさに奇跡。ゲームの歴史が動いた瞬間でした。

最後に

日本中、いや世界中を見渡しても、スマブラほど大規模なクロスオーバーが実現したゲームは存在しません。

これは筆者の持論ですが、こんなゲームはこの先もう暫くは生まれないと思います。

この記事を読んで、スマブラというゲーム、そこで活躍するファイターたちにより想いを馳せていただけたら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。