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『ソルクレスタ』が話題になっているのはなぜ?
2022年の2月、あの『ベヨネッタ』や『ニーアオートマタ』で有名なプラチナゲームズから『ソルクレスタ』が発売されました!
『ソルクレスタ』は、1980年代において定番ジャンルだった「縦スクロールシューティングゲーム」です。
ゲーム業界の最先端を走るプラチナゲームズが、時代の流れを超えて世に放った作品。
このゲームは「ネオ・クラシック・アーケードゲーム」第一弾のタイトルとして話題になっているんです!
すでに大手ゲームメディアにより、このゲームの基本的な内容については紹介されていますが……。
このゲームの重要なテーマである「過去の名作の進化」について、あまり深く踏み込めていないようです。
懐かしいクラシックな部分と、新しいネオな部分が共存する本作。
過去の作品について知れば知るほど、ますます面白くなること間違いなし!
そんなわけで、今回は「クレスタ」シリーズと、ゲーム企業「日本物産」について、わかりやすくていねいに紐解いていきたいと思います!
- 『ムーンクレスタ』のキーワードは「合体」 個性的な雑魚キャラとサウンドについて解説します!
- 『テラクレスタ』のキーワードは「フォーメーション攻撃」 『ソルクレスタ』に登場する自機「ウイングギャリバー」について解説します!
- 『ムーンクレスタ』『テラクレスタ』を生んだ今は無きゲーム企業「日本物産」について解説します!
この記事は5分ぐらいで読み終わりますので、どうぞ最後まで楽しんでくださいね。
『ソルクレスタ』は日本物産「クレスタ」シリーズの続編!
『ソルクレスタ』は、日本物産という会社が発売していた「クレスタ」シリーズの続編です。
「クレスタ」シリーズが登場していたのは、1980年代のこと。
1980年に『ムーンクレスタ』1985年に『テラクレスタ』が発売されました。
はるか昔のゲームシリーズの新作を、35年の時を越えて発売します!
そんなPVが公開されたのは、2020年の4月1日のことでした。
……誰も信じるはずがありませんよね(笑)
ところが! 翌2021年に、このゲームが本当に開発されていることが判明します。
『ソルクレスタ』は発売されるずっと前から注目を集めていたタイトルだったんです(私もその一人でした)
では、元ネタである『ムーンクレスタ』と『テラクレスタ』は、いったいどんなゲームだったのでしょうか?
第一弾『ムーンクレスタ』とは?
『ムーンクレスタ』は、1980年に日本物産が発売した、アーケードのシューティングゲームです。
この頃人気だったのは、戦艦を操作して悪い宇宙人を倒す、宇宙を舞台としたシューティングゲームでした。
特に人気が高かったのは、1978年にタイトーから発売された『スペースインベーダー』と、1979年にナムコから発売された『ギャラクシアン』です。
この2つのゲームが大人気だったので、さまざまな会社が『インベーダー』に似たゲーム『ギャラクシアン』に似たゲームを作っているような状況でした。
なかには、タイトルや会社名だけを変えて、中身はほとんどコピーのゲームを販売していたところも……!
1980年の時点では、ゲームプログラムの著作権が法的に認められていなかったんです。
ここで登場するのが、今回の主役である「日本物産」という会社。
日本物産も、最初は「ブロック崩し」のコピーゲームや、インベーダーの敵デザインを変えた『ムーンベース』などを発売。
しかし、いくつかのゲームを完成させた後、一念発起することになります。
「何か新しいことがやりたい!インベーダーやギャラクシアンとは違う何かがほしい……」
「そうだ!敵ではなく自機を変化させるのはどうだろう?」
インベーダーもギャラクシアンも、自機の性能は最初から最後まで変わりません。
そこで考え出されたのが「自機を合体させて強化していく」というアイデア。
これを受けて誕生したのが『ムーンクレスタ』です!
全機合体で最大5連射の大迫力!
『ムーンクレスタ』には、それぞれ性能と大きさが異なる1号機、2号機、3号機が登場します。
最初は1号機のみを操作するのですが、ゲームを進めていくと「ドッキングタイム」が始まります。
1号機をうまく操作し、2号機との合体に成功すると……次からは合体した状態で、ビームが3発撃てるようになります。
さらにゲームを進めていくと、3号機とも合体。
一度にビームを5発撃つことができる爽快感バツグンのゲームになるんです!
3機合体できれば怖いものなし!と言いたいところですが、そう簡単にはいきません。
合体すれば自機が大きくなっていくので、敵の攻撃を避けるのがより難しくなります。
『ムーンクレスタ』の個性は「合体」だけではありません。
たとえば、登場する雑魚キャラに注目してみると……。
シューティングゲームなのに、敵が弾を撃ってきません。
その代わり、大きな曲線軌道を描いて、自機に体当たり攻撃をしかけてきます。
シューティングゲームに慣れていない人は、敵の弾を視認できず「いつの間にかやられていた」となりがち。
『ムーンクレスタ』は「とにかく敵にぶつかったらアウト!」なので、ゲームに慣れていない人でもルールがわかりやすいです。
雑魚キャラは全部で5種類存在し、それぞれ名前も付けられています。
『ソルクレスタ』でも登場! 全5種類の雑魚敵を倒せ!
『ムーンクレスタ』は5種類の敵が登場します。
これらの敵は『ソルクレスタ』でも、各ステージの冒頭に登場していますので、ひとつずつ紹介していきます!
・1戦目 コールドアイ(8体×2セット)
『ソルクレスタ』でも1面開始直後に登場する雑魚敵です!
2体が合体した状態で出現し、8の字を描きながらゆっくり降下。
撃つと片方が破壊され、もう片方が突撃を開始します。
横や後ろから回り込んできたり、自機の近くで突然方向を変えてくる、かなりのクセモノです。
敵が弾を撃ってこないなら楽勝でしょ? と思ったそこのあなたに、ぜひプレイしていただきたい。
慣れないうちは、ここで普通にゲームオーバーになります(汗)
降下が終わると、大きな円を描きながら再出現します。このときが倒す狙い目です。
・2戦目 スーパーフライ(8体×2セット)
行動パターンはコールドアイとほぼ同じですが、こちらは待機せず、最初から突撃してきます。
自機はまだ合体できていないので、おそらくここが最初の壁になるのではないでしょうか。
うまく全滅させたら、最初の「ドッキングタイム」です。
合体成功すれば、3連射ができるようになります!
レバーとボタンで ドッキングせよ
そして……RIGHT ON!
成功すると短い音楽が鳴り、ボーナス点も入ります。
この状態でゲーム続行です!
・3戦目 フォーディ(8体×2セット)
合体できているかどうかで、ここの難易度が大きく変わります。
スーパーフライよりも少し動きが機敏になっているほか、再出現時の軌道が「コールドアイ」「スーパーフライ」と異なります。
・4戦目 メテオ
左右から斜め方向に、隕石が高速で飛んでくる面です。
かなり低い位置から突然出現するので、いきなり死ぬことも(汗)
中央にいると危険なので、画面端で待ち構えて撃ち落としましょう。
すべての隕石を破壊する必要はないので、無理せず見逃すことも重要です。
ここまでノーミスでクリアできれば、2回目の「ドッキングタイム」です。
全機合体のチャンス到来!
・5戦目 アトミックパイル(8体×2セット)
ミサイル型の敵で、上空で8体出現したあと、超高速で垂直落下してきます。
動きはものすごく早いのですが、垂直落下のみなので、とにかく落ち着いて対処することが重要です。
FAR OUT !
ここまでクリアすれば1周クリア!
合体が解除されて、難易度がアップした2周目のコールドアイ戦が始まります。
ゲームオーバーになるまでエンドレスで周回しますので、当時の上手いプレーヤーは何周もプレイしていたそうです。
とくに8周目のアトミックパイル戦は、8体のアトミックパイルが一斉に突っ込んできます。
これは「アトミックパイル全落ち」と呼ばれ、現在でも語り草となっています。
攻略のコツは3点。
①最初に出現するときと、降下して再度出現するときに撃ち抜くのが基本です。
②敵が降下してくる動きはランダムではなく、パターンが決められています。(2種類です)
③降下してきた敵には近づかず、再出現するまで待ちましょう。後ろから回り込まれたり、方向転換に注意!
筆者は、3周が限界……(汗)
ハイスコアは28820点でした。
ぜひそれ以上のスコアを目指してみてください!
『ムーンクレスタ』の耳に残る効果音
このゲームの個性的な部分は、音にも現れています。
『ムーンクレスタ』の基板構成は『ギャラクシアン』に近いもので、サウンド面においても同等の性能を有しています。
『ムーンクレスタ』は『ギャラクシアン』と比べて効果音の種類が多く、印象に残りやすい大きなピコピコ音が鳴ります。
自機の登場時、合体成功時、1周クリア時に流れる短いフレーズ。
それぞれの雑魚敵にも、出現時と破壊時に専用の効果音が鳴るので、ゲーム中はすごくにぎやかなものになります。
人によっては少々うるさく感じるぐらいです(笑)
ただ、当時のゲームセンターは、あちこちで様々な電子音が鳴り響いている、そもそもがうるさい環境です。
音楽的な美しさよりも、ゲーム的なインパクトの強さを取るという考えは、むしろ合理的であると見ることもできます。
耳に残りやすい音であるためか、後のシリーズでもアレンジされて使用され『ソルクレスタ』でも使われています。
『ソルクレスタ』の敵ボス破壊時、シークレットボーナス獲得時に流れる音は『ムーンクレスタ』が元ネタです!
- 『ムーンクレスタ』は、自機を「合体」させることが魅力のシューティングゲーム!
- 5種類居る雑魚敵の特徴をつかんで、1周クリアを目指そう!
- 効果音が独特で、他のゲームにはない個性を感じる作品だった。
- 雑魚敵、効果音が『ソルクレスタ』にも登場!
第二弾『テラクレスタ』とは?
『テラクレスタ』は、1985年に日本物産が発売したアーケードのシューティングゲームです。
キャッチコピーは「逆襲のムーンクレスタ」で、クレスタシリーズの第二弾タイトルです。
日本物産の代表作のひとつですね!
ファミリーコンピュータにも移植されているので、80年代のシューティングゲームのなかでは、比較的よく知られた作品でもあります。
『ムーンクレスタ』の続編と呼ばれることが多いですが、厳密に言えば『ムーンクレスタ』の続編として発売したのは『ムーンクエーサー』という別のゲームです。
このゲームはもともと『テラホーク・地球奪還司令』というタイトルで企画されていたのですが、後から『ムーンクレスタ』の流れを汲む作品へと変化していきました。
もとのタイトルから「テラ」という文字だけを残して『テラクレスタ』というタイトルが生まれたんです。
ちなみに『テラホーク・地球奪還司令』というタイトルは、当時放送されていたSF人形劇『地球防衛軍テラホークス』が由来のようです。
ウイングギャリバーのフォーメーション攻撃!
『テラクレスタ』で操作する戦闘機の名前は「ウイングギャリバー」(通称ウインガー)と言います。
ウイングギャリバーは『ソルクレスタ』にも登場していて、DLCであるドラマティックモードでも重要な役として登場する機体です。
参號機パイロットのドリールも「誰もが憧れる名機!」と語っていますし、今回の『ソルクレスタ』を語るうえで欠かすことのできない機体ですね。
『ソルクレスタ』のステージ5は「地球(テラ)」になっており、音楽もステージも『テラクレスタ』の世界が表現されています!
ウイングギャリバーの最大の特徴は、5つで構成されたパーツを分離させることで、強力なフォーメーション攻撃を繰り出すことができる点です。
最初に出発するのはウイングギャリバーの「アルファ」号です。
このアルファ号に、道中でパーツを合体させていきます。
途中で格納庫が出現するので、番号の書かれたターゲットを破壊し、パーツを取り出して合体させていきましょう!
2号機は「ベータ」号で、通常ショットが二連射になるパーツ。
3号機は「ガンマ」号で、後ろにも弾が撃てるようになるパーツ。
4号機は「デルタ」号で、前方に貫通ショットが撃てるようになるパーツ。
5号機は「イプシロン」号で、背後からの攻撃を防御するシールドを展開するパーツです。
これらのパーツを1つ以上合体させたら「フォーメーション攻撃」の準備完了!
フォーメーションボタンを押せば、合体中のパーツの個数によって「ムーン」「エクステンド」「サイクロン」「クロス」フォーメーション攻撃が出ます!
フォーメーション攻撃はとても広い範囲を攻撃できるほか、通常ショットでは破壊できない敵を壊せたりするので、積極的に使用していくのがオススメ!
ただし、使用回数は3回までの制限があるので注意してくださいね(画面下中央にあるFのマーク)
とはいえ、新たにパーツを合体すれば回数が3に戻るので、ケチらずにどんどん使っていくと良いですよ♪
火の鳥合体を目指せ!
そして、すべてのパーツを合体させると……
このように、ウイングギャリバーが火の鳥に変化します!
火の鳥になれば、約15秒無敵になります。
火の鳥は『ソルクレスタ』のフォーメーションにもありましたね!
『テラクレスタ』をプレイするのであれば、ぜひともこの「火の鳥」の姿を見ていただきたいです。
しかし、実際にやってみるとわかりますが。すべてのパーツを合体させるのは結構難しい……!
そこで『テラクレスタ』の細かなルールと「火の鳥」を見るための攻略ポイントについて、少しだけ解説していきます!
『テラクレスタ』のルールについて確認!
『テラクレスタ』はミスになる条件が少し特殊なので、まずはその点について確認しておきましょう。
パーツが無い状態(アルファ号のみの状態)で敵および敵弾に当たると、ミスになります。
パーツを1つ以上合体している状態では、パーツのみが破壊されて、ミスになりません。
ただしフォーメーション攻撃中は、パーツがアルファ号から分離している(つまりパーツが無い状態になっている)ので、ミスになります。
フォーメーション攻撃は強力ですが、パーツが無い一撃死の状態であるため、リスクがあることを頭に入れておきましょう!
なお、フォーメーション攻撃中は、本体以外のパーツに当たり判定はありません。
慣れないうちは、分離後に本体がどこにあるのかを把握するようにしましょう(特に2機合体時のムーンフォーメーション)
雑魚敵の処理が重要!
『テラクレスタ』は、雑魚敵をいかにうまく処理するか?が重要なゲームです。
フォーメーション攻撃をしていない状態のウイングギャリバーは、一直線上にしか弾を撃つことができません。
しかし、多くの雑魚敵は、斜め方向から弾を撃ったり、突っ込んだりしてきます。
ウイングギャリバーは上下移動の速度が遅いため、左右に移動して雑魚を撃っていくことになりやすく、その結果撃ちもらしが発生しやすくなっています。
シューティングゲーム初心者にありがちなのが、出現したすべての雑魚を破壊しようとすること。
もともと撃ちもらしが発生しやすいなか、すべての敵を撃とうとして無理をしてしまい、ミスが起きてしまうケースがあるようです。
地上物の敵も登場しますが、いわゆる「弾封じ」が効かないので、単純に「敵へ接近」=「危険」です。
「いかに倒すか?」ではなく「どれを逃がすか?」を念頭に置いてプレイすると良いようです。
すべての敵を倒すという考え方ではなく、破壊するのが難しい雑魚敵は無理せずに近づかないようにしましょう。
また、特定の地点まで進むと、高速で飛んでくる雑魚編隊が出現します。
軌道は一定なのですが、画面の左右や下から突然登場して至近距離で弾を撃ってくる場合もあり、初見殺しに近い攻撃をしかけてくる場合があります。
これに関しては、出現位置を覚えることが大事です。
フォーメーション攻撃中であれば比較的ラクに編隊を破壊できますが、アルファ号単体であれば、やはり無理せずやり過ごすことを心がけたほうが良いです。
火の鳥を見たあとは……?
火の鳥が完成したら、以降は格納庫が出現しなくなります。
新たにパーツも取得できないので、フォーメーション回数も回復できません。
ここは一度、わざと敵の弾に当たってパーツを壊しましょう(安全な位置で行うように!)
実は、すべてのパーツを合体した状態のみ、被弾するとパーツは全破壊にならず「ベータ号」「デルタ号」が残ってくれるのです。
パーツが4つから2つの状態に戻るので、また格納庫が出現するようになります。
また、パーツが2つ付いた状態のエクステンドフォーメーション攻撃は、かなり強くて扱いやすく、後半エリアでも頼りになります。
すべて合体したら被弾して3機合体の状態に戻し、フォーメーション攻撃を活用しながら、もう一度5機合体の状態にしていく。
5機→3機→5機→3機の繰り返しを維持しつつ。後半のエリアを進めていきましょう。
ボスは全部で3種類!
テラクレスタは、ステージの区切りが無いエリア制となっています(画面には表示されないゼビウス形式です)
登場するボスは3種類。
中型母艦の「チューボ」はエリア2で初登場。
大型母艦の「ダイコン」はエリア4で初登場。
宇宙魔王「マンドラー」はエリア7で初登場します。
全部でエリア16まであり、エリア1~8が前半、エリア9~16が後半に分かれています。
エリア16をクリアすると1周クリアで、エリア9に戻り、以降繰り返しとなります。
今回の記事を作成するため私もプレイしましたが、残念ながら「ダイコン」の撃破まででゲームオーバーとなってしまいました。
今後もしばらくプレイを続けて、前半の「マンドラー」撃破までは進められるように頑張りたいですね~
この宇宙魔王「マンドラー」も『ソルクレスタ』で登場します。
『ソルクレスタ』では、この『テラクレスタ』でウイングギャリバーが撃破したはずの「マンドラー」が復活してしまうのです!
- 『テラクレスタ』はパーツを合体し、分離させることで「フォーメーション攻撃」が可能!
- 4つのパーツをすべて合体させると「火の鳥」に変身!
- 『テラクレスタ』攻略のポイントは雑魚敵の処理。繰り返しプレイして、出現位置や特徴を少しずつ把握していこう!
- 自機「ウイングギャリバー」や最終ボス「マンドラー」が『ソルクレスタ』にも登場!
今はなきゲーム企業「日本物産」とは?
『ムーンクレスタ』『テラクレスタ』を発売した「日本物産」という企業。
略称の「ニチブツ(Nichibutsu)」というブランド名で、様々なゲームを開発しました。
現在は消滅してしまったゲーム会社のひとつです。
ニチブツのゲームは『マグマックス』『セクターゾーン』『チューブパニック』など色々あるのですが、特にピックアップしておきたいゲームといえば……
ニチブツの代表作『クレイジークライマー』
ニチブツのゲームで特に有名なゲームは『クレイジークライマー』です。
先ほど紹介した『ムーンクレスタ』と同じ1980年にゲームセンターで稼働開始した作品です。
これはアクションゲームなのですが、その内容はなんと「高層ビルを登る」というもの。
命綱も付けずに、一心不乱にビルを登る主人公。
そんな主人公めがけて容赦なく落ちてくる植木鉢! 看板! 鳥のフン! そしてなぜか居るゴリラ!
なぜ彼はビルを登るのか?その理由は彼にしか分かりません。
そこにビルがあるから。理由はそれだけで十分なのでしょう。
現在の目から見れば「キワモノのバカゲー」というイメージを持たれてしまいそうですが、このゲームは当時のゲームセンターで大ヒットとなりました。
特徴的なのは「二本のレバーを使って両腕を操作する」という、当時のゲームには全く無かった斬新な操作感です。
プレイヤーのレバーの動きがそのまま主人公の腕の動きになるという、一体感の強いプレイが楽しめました。
前述の通り「スペースインベーダー」「ギャラクシアン」に似たシューティングゲームが多数発売されていたなかで、非常に個性的なゲーム内容でした。
ニチブツといえば……?
この「キャラゲッ!」のサイトの中だと、思わず小声になってしまうのですが……(笑)
ニチブツといえば「大人なゲーム」を数多く開発した企業としても知られています。
ゲームセンターにおいて今も昔も人気があるジャンルといえば、麻雀、将棋といった、いわゆるテーブルゲームです。
対戦相手がいなくても、ゲームセンターに立ち寄って100円で気軽にCPUと対戦できるので、昔のゲームセンターにも数多くのテーブルゲームが設置されていました。
そんななか、日本物産が発売した麻雀ゲームに『ジャンゴウナイト』というものがあります。
これは、もともと発売していた『ジャンゴウ』という麻雀ゲームのグレードアップ版です。
何がグレードアップしたのでしょうか?
なんとなく想像がつくのではないかと思うのですが、画面の中に女性が描かれていて、プレイヤーがアガると色々といい思いをすることができます。
ドキドキしながら1枚ずつ脱がしていき、あともう少しで肝心な部分が……!といったところで、あり得ないぐらいの大きな役をギャルにアガられて、ゲームオーバー。
経済学者のアダム・スミスは、この現象を「神の見えざる手」と呼びました。
怒ってはいけません。人はそうして大人になっていくのです。
画像は日本物産がPC-9801で発売した麻雀ゲームのひとつで『ま~じゃんバニラシンドローム』です(※撮影にはプロジェクトEGGを使用)
これは一応、最後の部分までは見れないので、健全な部類に入ります(笑)
日本物産は1983年の『ジャンゴウナイト』から、2005年までの約22年間、このような麻雀ゲームを発売し続けました。
その数は200種類以上に及びます。
平均すれば、ほぼ月刊誌レベルのペースで新作が発売されていたことになり、なかには著作権的な意味で現在では完全にアウトなゲームもあったりします……
筆者は過去に、某所でニチブツの麻雀ゲームに出会うことができましたが、登場するギャルが完全に「セー○ームーン」でした……(汗)
このため、レトロゲーマーにとって「日本物産」といえば……思わず麻雀牌が脳裏をちらつくメーカーだったりします(笑)
特に90年代に入るとアダルト志向がどんどん強まっていき、日本物産はシニア層の男性向けのゲームを数多く発売するメーカーになりました。
「囲碁」「将棋」「麻雀」「競馬」「競艇」といったソフトをスーパーファミコンやプレイステーションで発売。
そのなかでPCエンジンで発売されたF1レースゲーム『F1サーカス』シリーズがヒット。
一時期はF1チームのスポンサーになっていたこともありました。
- 日本物産の80年代代表作は『クレイジークライマー』『ムーンクレスタ』『テラクレスタ』『マグマックス』『セクターゾーン』など
- 90年代以降は、シニア層の男性向けのテーブルゲーム、ギャンブルゲーム、F1レースゲーム等を発売していた。
- いわゆる「脱衣麻雀」を200種類以上発売した企業でも知られている。今でも「日本物産」といえば「脱衣麻雀」を想像する人も少なくない。
ニチブツの面影を求めて……
そんな日本物産も、2007年にはゲーム開発事業から撤退し、2015年に完全に消滅してしまいました。
しかし、ゲーマーの記憶に残る、確かな足跡を残した企業であることは間違いありません。
深く刻まれた足跡があったからこそ、この令和の時代に、プラチナゲームズから『ソルクレスタ』が生まれたのです。
私も日本物産のルーツを追いかけたい……そんな思いを胸に、ニチブツ本社の跡地へと向かいました。
かつて本社があったのは、大阪市北区天神橋1丁目。
日本一長い商店街で知られる「天神橋筋商店街」の最南端の入り口から、すぐ近くのところにありました。
この写真を撮影中、大阪のオッサンに声をかけられました。
オッサン、自転車に乗りながら商店街を走るのは危ないで。
本社跡地があった交差点に到着。
隣のビルは当時のまま変化していなかったので、間違いありません。
かつてニチブツ本社があった場所には、全く別の住宅マンションが建っていました。
日物ビルは完全に取り壊されているようで、残念ながら跡形もなく消えていました。
一般の方が住んでいらっしゃるので、今回記事に掲載するのは断念。
それでも、ここで数々のゲームが生み出されていた歴史があったのだと思うと、思わずマンションをよじ登りたい衝動に駆られました(笑)
今回は『ソルクレスタ』の元ネタとなった『ムーンクレスタ』『テラクレスタ』と、それを発売した「日本物産」について解説しました。
また次回の記事でお会いしましょう!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
※当記事で掲載している画像、動画、音楽、引用文等の著作権は各権利所有者に帰属しております。
掲載内容に問題がありましたら、確認の上でただちに削除修正等の対応を致します。
また当記事の文章や画像など掲載内容の無断掲載・無断複製を禁じます。
世界中で大人気の本格RPG!
奥深い戦術性が中毒性バツグンの爽快コマンドバトルの傑作!

「Raid: Shadow Legends」は、基本プレイ無料のターン制アクションRPG。
なんと、ストーリーを手掛けたのは全米脚本家組合主催の賞にノミネートされ「アサシン クリード シンジケート」を制作した Paul C.R. Monk 氏。
また声優陣も「Mass Effect」「ウィッチャー3」などで活躍するベテラン海外声優陣が担当!
300以上のプレイアブルキャラクターが登場し、それぞれスキルや属性、装備品などの組み合わせ方により全く違った戦闘スタイルへと変化できるのが特徴です。
そんな奥深いストーリーと育成要素、そして戦略的なコマンドバトルが見事に融合して生まれた本作。
課金要素もありますが、もちろん無料でも十分楽しめます!(私は無料派)
レビューも驚異の4.5(5.0満点)! 編集部もみんなハマってます!
注※PCゲームのため、PCからアクセスしてください。スマホだとページが開きません。
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