【Subnautica】人によっては最恐ホラーゲーム。投げ出した海の恐怖とは。

Subnauticaとは

Subnautica (サブノーティカ)』というゲームをご存知でしょうか?

2018年1月23日に Steam にてリリースされ、現在はPS、XBOX、Switch にも移植された海洋オープンワールドサバイバルゲームです。

一部のVR機器にも対応し、現在は続編である『 Subnautica : Below Zero (サブノーティカ : ビロウ ゼロ)』も発売中です。

詳しい概要はこちらの記事でも紹介されています。

【Subnautica】美しくも恐ろしい海の星でサバイバル!

さて、上の紹介記事にはこうあります。

言わば、『 Subnautica 』はアドベンチャーゲームとサバイバルゲームのいいところを掛け合わせたゲームなのです!

なるほど、確かにその通りです。

しかしこのゲームをプレイしたものの一人として、筆者はこう付け加えさせてもらおうと思います。

『 Subnautica 』はアドベンチャーゲームとサバイバルゲームのいいところと、ホラーゲームの悪いところ(いい意味で)を掛け合わせたゲームなのです!

では具体的にどういうことなのかを、このゲームを途中で投げた筆者が解説していこうと思います。

ちなみにサムネのタコみたいなやつにも会ったことがありません

そもそもレビュー記事として途中で投げたゲームを紹介するのはいかがなものか?

はい、そうです。

返す言葉もございません。

なのでこの記事は、逃げ出した当事者だからこそ語れる生の感想と思ってお読みいただけると幸いです。

※記事中の画像は筆者が記事を書くに当たり久々に起動した実際のゲーム中で冷や汗かきながら撮影したものです。

怖すぎて敵性巨大生物の撮影には行けなかったので怖そうな雰囲気(だけ)の画像ばかりとなっておりますことをご了承下さい。

  1. 『 Subnautica 』はアドベンチャーの皮を被った海洋恐怖症特化型ホラーゲーム
  2. ホラーゲームの文法をそのまま、あるいはひねって使っている
  3. 探索したくなるオープンワールドと探索したくないホラーゲームの絶妙なバランス
  4. 筆者は投げたけど改めてやってみようとも思う ……いややっぱやめとこうかな

この記事は大体5分くらいで読めると思います。

そこかしこに見えるホラーゲームの文法

ゲームの詳しい概要は前述の紹介記事におまかせするとして、このゲームが持つホラー要素を挙げていきたいと思います。

敵を倒せない

まずこれです。

厳密に言うと倒せなくはないですし、実際小型の魚などはナイフで攻撃して倒すこともできます。

しかし中型以上の敵は基本的に倒せません。

主人公は高度な文明を持った星の出身ですがこのゲームに銛や水中銃なんてものはありません。

何らかの手段で動きを止めたり囮を使ったりして逃げることしかできません。

上記画像のライフル(非殺傷)などが代表的な足止め手段です。

効くとは限りませんが。

筆者の知っている「敵の出てくるオープンワールド」で最も主人公の戦闘能力が乏しいゲームと言っても過言ではないかもしれません。

つまりこのゲームには「いざとなれば戦える」という大きな精神的支柱がそもそも存在しません

この「敵がいるのに対抗手段に乏しい」というのは明らかにホラーゲームの文法です。

なんか聞こえる

出ました。ホラーゲームあるあるです。

「グオオォォ……」

「シャアアァァ……」

「……キュイィィィン……」

何もないように見える海中でもこのような謎の鳴き声(?)がどこからか聞こえてくるんですね。

一人称視点なのが余計に恐怖を引き立てます。

静かなはずの深海で不気味な音が突然聞こえた時、その主はあなたの真後ろにいるかもしれないのです……

この「音でビビらせる」というのもホラーゲームのセオリーです。

Subnautica特有の怖さ

次はホラーゲームに共通したものではなく『 Subnautica 』特有の怖さについて挙げていきます。

何も無いけど何かがいる、という恐怖

このゲーム、周りに何も無い水中がめっちゃくちゃに怖いんです。

特に夜の海はライトがなければほぼ真っ暗です。

ライトがあっても光が届く範囲に何もなくてお先真っ暗ということもあります。

ちなみに上の画像はライトを付けた状態です。

なんかやばいやつがいて襲ってくるかもしれないという不安。

突然何かがライトに照らされ本当に襲ってくる場合もあります

そして寄りかかる壁も、身を隠す物も、足をつける地面すら無い寄る辺無さがその不安に拍車をかけます。

探索し終わった海域で、そこに何もいない事が分かっていても冷や汗が止まりません。

ただし、この恐怖感には個人差があると思います。

特に海洋恐怖症と言われる、広い水中にいることに恐怖を感じる人は震え上がるほど恐ろしいでしょう。

開放的であるがゆえの閉塞感

オープンワールドといば序盤に自由行動が許されるようになったときの開放感がたまりませんよね。

広がる世界、美しい景色、どこまでも駆けていけそうな大地……。

『 Subnautica 』もそうです。

墜落する宇宙船から救命ポッドで脱出する冒頭シーンを終え、外に出た主人公の眼前に広がる……

一人ぼっちの世界、何もない広い海、どこまでも深く暗い海底……。

ワクワクはします……しますが……なんて心細いんでしょう……。

頼れるのが世界で自分一人という感覚。

不安を吐き出す相手もいなければ頼もしい武器もなく、酸素は減るしお腹も減れば喉も渇きます。

光も届かぬ深海で潜水艇が動かなくなって生身で放り出されたときの絶望感と言ったら筆舌に尽くしがたいものがあります。

そして見えた!と思うたびに無慈悲に打ち砕かれる希望

何かの悪意とかではなくただの自然が巨大な圧力となってプレイヤーを押し潰そうとしてくるのです。

個人的に、これは幼少期の迷子の感覚に近いと思います。

世界は残酷なまでに強く美しく、ただ一人の人間である自分はこんなにも弱く儚い……。

それを恐怖を伴ってまざまざと実感させられるゲーム、それこそが『 Subnautica 』です。

でも気になってしまう世界の秘密

散々怖い怖いと書いてきましたが、このゲームの良さもまたそこにあると言えます。

オープンワールドの醍醐味といえば世界の探索です。

ホラーゲームの醍醐味といえば探索に伴う恐怖です。

一見すればオープンワールドの良さを打ち消しているように思えます。

しかし実際は違います。

どういうことかと言いますと……。

移動手段の充実やキャラの成長に伴って作業感の出がちな探索という要素に、恐怖というスパイスを加えているということです。

ただ不親切なだけではないナビゲーション要素

『 Subnautica 』にはオープンワールドには珍しく、詳細なマップや目印がありません。

ストーリーを追うだけならそれほど迷うことはありませんが自由な探索となると話は違います。

基本的には方位磁石(自分で作らなければならない)と目印となるビーコン(これも自分で……)、そして建築で作る拠点などを駆使して探索範囲を広げていきます。

前述のように未知の領域は暗く広く、何がいるか、どんな危険があるかほとんど分かりません。

だからこそ常に新鮮なドキドキ感を持って探索に望むことができる、とも言えるのです。

オープンワールドという観点に立てば不親切な要素が、恐怖を引き立てるのに有効に働いているんですね。

深海に入らずんば真実を得ず

『 Subnautica 』はサバイバルゲームとしてはストーリー性が強いゲームです。

詳細は省きますが、生還のため、プレイヤーは否応なく星の秘密を探らなければならなくなります。

探るためにはどうするか?

より暗く恐ろしい深海へ深海へと潜っていくしか無いんですね。

知りたいけど怖い……怖いけど知りたい……。

そういうジレンマと、それを乗り越えたときのカタルシスこそ、この『 Subnautica 』というゲームの他に類を見ない面白さだと筆者は思います。

まあ途中で投げたんですけどね(開き直り)!

最後に

『 Subnautica 』が持つ恐怖、その一端をお伝えしてきましたが、個人的にはオープンワールドという括りの中でもユニークで面白いゲームだと考えています。

興味を持たれた方にはプレイしてみて損はないと思います。

そして環境が整っていてホラー耐性に自信のある方にはぜひVRでもやってみて頂きたいです。

と、途中で投げたやつに勧められても……とお思いかもしれません。

でも実は途中で投げたのには怖かったのとは別の理由もありまして……。

このゲーム、PS4版とアップグレードしたPS5版にはセーブデータの互換性が無いんです。

なので当初やっていたPS4版からPS5版に乗り換えようとすると最初からやらなければならないことが分かりまして。

結果、

「恐怖に耐えて進めたのにまた最初からか……」

となって心が折れてしまった、というのが本当の所です。

やめてからだいぶ経ちますし、また新鮮な気持ち(と恐怖)でやってみるのも一興かな、とも思います。

そして今度こそ星の秘密を暴き、生還してみせるのです!

……。

……うーん、でもやっぱ怖いからまた今度にしておこうかな!