仮想世界を舞台に新たなる“少女戦線”が膜を開ける!
iOS/Android向けのシミュレーションRPG『ドールズフロントライン(ドルフロ)』をご存知でしょうか?
同作は実在する“銃”が美少女として擬人化する人気シリーズです。
荒廃した世界、ミリタリーテイストでシリアスなストーリーと、昨今では「ありがち」と言われてしまいそうな設定のオンパレードですが、『ドルフロ』が初めて世に出たのは2016年ごろ。
いまだに根強い人気を誇り続け、「美少女×ミリタリー×終末世界」のスマホゲームではある意味先駆者的な存在のシリーズなのです。
今回レビューするのはそんな『ドルフロ』と世界観を共有する新作タイトル『ドールズフロントライン:ニューラルクラウド』。
スピンオフ作品という立ち位置ながら、Sunborn社が確実に培ってきた開発力を活かし、国内向けの『ドルフロ』スピンオフタイトルとしては初めての3Dグラフィック。
本編より明らかに洗練された空気から漂うのは、実質的に“後継作”のような風格です。しかし、本作はローグライク要素を取り入れた探索ストラテジーRPG。
繋がり自体はあるものの、根本的なゲームシステムや物語の舞台まで全くの別物です。
- 語られざるもう一つの『ドールズフロントライン』
- 仮想世界の「人形」たちを救うため、「教授」として事件の真相を暴き出す!
- 可愛いデフォルメキャラたちが3Dマップで繰り広げるストラテジーバトル!
この記事は5分で読み終わりますので、最後まで読んでいって下さいね!
ニューラルクラウドの概要
製品情報 | |
タイトル名 | ドールズフロントライン:ニューラルクラウド |
プラットフォーム | iOS/Android |
ジャンル | ストラテジー,RPG |
発売日 | 2022年11月24日 |
価格 | 基本無料 |
『ドールズフロントライン』の世界で活躍するアンドロイド型戦闘兵器「戦術人形」の意識をクラウド上に複製しておき、現実世界で機械のボディが破壊された場合でも、記憶上の損失を抑えられるプロジェクトが本作のテーマ。
その名は「ニューラルクラウド計画」です。
しかしこの実験では何らかの事故で人形たちのデータが失われ、クラウド上のデータも事故以前にリセット。
この計画に携わっていた重要人物「教授」も失踪しており、プレイヤーは失われた人形たちのデータ回収と「教授」の探索に乗り出すことになります。
現実世界で日々戦いに明け暮れていた“指揮官”の活躍の舞台は現実世界から一転し、クラウド上の“仮想世界”へ。
本作を「たかがスピンオフ作品」と侮ることなかれ。
『ドルフロ』の世界を知らなくても楽しめる全く新しいストラテジー作品に仕上がっています!
ニューラルクラウドの魅力
本作最大の特徴は本編から新たに一新され全く新しい“バトルシステム”。
デフォルメ化されたSDキャラクターたちが3D空間でわちゃわちゃ繰り広げる忙しいストラテジーバトルです。
戦闘は基本的にオートで進行しますが、キャラクターが持つ固有スキルの「必殺技」、バトルの戦局を大きく変えられる「戦術スキル」の2種類を駆使していくことになります。
また、戦闘開始前には「関数」と呼ばれるローグライクゲームでお馴染み、次回の戦いを有利にしてくれる選択制のパワーアップ要素が特徴的。
これらはバトルに大きなサポート効果をもたらすので、プレイヤーの組んだチーム編成の弱点を一時的に補うことも可能です。
攻略にランダム性が生まれやすく、プレイヤー側の匙加減ひとつで高難易度コンテンツを楽にクリアできるポテンシャルを秘めているのが魅力と言えるでしょう!
ニューラルクラウドの評価
『ニューラルクラウド』の評価を結論からご紹介します。
「引き込まれるストーリーと直感的なストラテジーバトルの塩梅が絶妙。ただ、ゲーム全体を通して情報量が多く、シミュレーションゲーム慣れしていないとかなり大変。」
- 高難易度ステージを攻略するカギになるプレイヤーの意思決定要素の奥深さ
- 本編を全く予習しなくても楽しめる親切さアリ。人形たちと紡ぐ仮想世界の物語
- SFチックで分かり難いUI、情報量の多さには遊び込んで慣れる時間が必要
無事3Dモデル化を果たしたため、ゲームのビジュアル面に関してはとても進化を感じられる一作となりました。
総合的に評価を下すのであれば面白いゲームです。
また、戦略ゲームとして本作を判断した場合は、ローグライクの不確定なランダム性が攻略の糸口になりやすく、シミュレーションゲームの入口にもなり得るかもしれません。
スキル、関数の効果テキストは、プレイヤー側で可読性を調整できるのがありがたい点です。
そして、本作はスピンオフ作品である性質上、“本編を予習しておかなければ楽しめないのでは?”と思われることでしょう。確かに前知識として、本編を遊んでいると世界観はスムーズに理解できます。
ですが、本作は全く予習していなくても問題はありません。その辺りについては後述することとしましょう。
本作が唯一惜しいのは、ゲーム全体を通しての情報量の多さです。
こればかりは慣れるまでに時間がかかりそうなので、直感的とは言い難い点です。
良い点:イチからでも物語が楽しめる親切な工夫と手軽なストラテジーバトル!
『ニューラルクラウド』では作中に登場する固有名詞をすぐに調べられる辞書機能が実装されています。
ストーリーを進めている最中、オレンジ色で表示されたキーワードをタップすると、そのキーワードの意味や解説がスッと登場するのです。
理解できない単語や言葉が表示されても辞書機能のお陰ですぐ『ドルフロ』の世界に溶け込めます。
また、登場キャラクターがプレイヤーに解説するため、無理なストーリー展開を誘発させることもありません。
そもそも仮想世界を舞台にしている関係で、『ドルフロ』の現実世界と直接的な繋がりは薄いです。
本編を遊んでいるプレイヤーたちからすれば、3D化を遂げたバトルシステムは感動を覚えることでしょう。
ちなみには本編は『ニューラルクラウド』以上にゲームの基本構造が複雑です。行動ポイント・弾薬・飛行場での補給・敵司令部の制圧と、ゲームの構成要素が多く、決して手軽なゲームではないのです。
その点本作に関して言えば、ルールそのものは敵の殲滅が基本と非常にシンプル。
戦術スキルと必殺技は、あくまでバトルを有利に進めるためのスパイスでしかありません。
スキルが使用可能になればそれらをただ駆使するだけ。
必殺技ではキャラクターごとに専用のアニメーション演出が挿入され、バトルを盛り上げてくれます。
そして一つひとつの要素は分かりやすく簡略化されているので、『ドルフロ』本編ほどタクティカルなゲームではないのです。
筆者としてはデフォルメされたキャラクターたちも推したいポイントです!
バトルでは表情豊かに動き回りますが、その挙動は皆個性に溢れており、とても愛らしいのです。
ゲームを進めていけば「宿舎」システムが開放され、デフォルメキャラクターたちとの交流を楽しんだり、自由に部屋のコーディネートが可能になります。
ぜひお気に入りの人形(メンタル)たちと交流を深め、仮想世界で起きた事件の真相を追ってみて欲しいです!
悪い点:慣れるまでは情報量の多さに戸惑う
パッとこのバトル画面を見たとき、本作をまだ遊んでいないプレイヤーは敬遠してしまうかもしれません。
そう。バトルを含むゲーム全体を通して画面がごちゃごちゃとしているのです。
バトルにおいてはプレイヤーの操作が少ないので、ほとんど理解していなくもゲームは進行可能。
ただ、ローグライク要素がある以上、画面中央上部に表示される関数アイコンを早めに覚えておくと良いでしょう。それ以外は少しずつ覚えていけば問題ありません。
ホーム画面は見やすくスタイリッシュさも意識していますが、初見のプレイヤーにどうに映るかは疑問です。
仮想世界を舞台としている関係で、それを基調としたデザインなのは筆者としては好きですが、使いやすいかはまた別の話でしょう。
まとめ
シリーズものになりつつある『ドルフロ』。
本編が配信からそれなりの時期を経たこともあって、この度スピンオフ作品ながらも目新しい進化を見せてくれたと言えるでしょう。
初めての人でも理解しやすい辞書システムや、セミオート操作の3Dバトル、攻略方法をパワーアップ選択で意識決定するローグライク要素。
『ニューラルクラウド』は、昨今のゲームアプリトレンドを意識した遊びやすい作品でした。
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