【ウインドボーイズ!】4章に登場する吹奏楽部用語の意味について説明!

「ウインドボーイズ!」の作中用語説明、第5弾!

「ウインドボーイズ!」に登場する吹奏楽部用語の解説、第5弾!

今回はメインシナリオ4章分の用語解説です。

前回の更新から間があいてしまい、本シリーズの更新をお待ちしている方がいましたら待たせる形になってしまい、申し訳ございません!

4章は、吹奏楽だけではなく、ジャズがメインになってくる章でもありますので、今回はジャズに関する用語もまとめて一緒に紹介していこうと思います。

この記事は5分程で読み終わります。

ぜひウインボのシナリオをよりよく楽しむ為にも、最後までご一読して下さると嬉しいです!

  1. メインシナリオ4章に登場する「吹奏楽部」にまつわる用語を解説!
  2. 吹奏楽部用語以外にも、同シナリオ内のジャズ用語も解説!
  3. 各用語の意味を知る事で、よりシナリオを深く理解できる!

3章までの用語説明について知りたい方は、以下のリンクの記事をお読み下さい。

【関連記事】
・プロローグ~1章
https://chara.ge/windboys/wind-boys-the-term-summary/
・2章
https://chara.ge/windboys/wind-boys-chapter-2-summary/
・3章Page18まで
https://chara.ge/windboys/wind-boys-chapter-3-page18-summary/
・3章Page19まで
https://chara.ge/windboys/wind-boys-chapter-3-page19-summary/

メヌエット(Page2)

音楽ジャンルの1つ。

フランス生まれの宮廷舞曲です。

この「宮廷舞曲」とは、舞や舞踏の為に作られた音楽ジャンル「舞曲」の1種で、宮廷舞踏用に制作されたものとなっています。

「メヌエット」という呼び名もフランス語であり、フランス語で「小さい」を意味する「menu(ムニュ)」が由来だそう。

小股でステップを踏む、宮廷舞踏の様子からつけられたのだとか。

メヌエットが誕生した初期の頃は、「ムニュエ」と呼ばれていたそうですが、イタリアにて「ミヌエット(minuetto)」で呼ばれるようになった事から、2つの単語があわさり、いつからか「メヌエット」と呼ばれるようになったそうです。

ウインボの4章では、謎のサックス奏者・RAIZUが演奏する楽曲として登場しましたが、吹奏楽部においても演奏される音楽ジャンルでもあります。

またメヌエットが使用される「宮廷舞踏」はその字面から想像つくように、貴族達の嗜みとして行われていた舞踏の事です。

多くの舞踏会が宮廷にて開かれ、その中には「仮面舞踏会」と呼ばれるものが存在していた事が判明しています。

この仮面舞踏会では、参加者は全員、仮面をつけて自分の身分や立場を隠す事が義務付けられていたとのこと。

となると、もしかしてRAIZUが仮面で顔を隠していたのは、この仮面舞踏会から来ている可能性も考えられなくはない……!?

テナー(Page2,8)

サックスの1種・テナーサックス(正式名:テナー・サクソフォーン)の略称。

解説記事第2段でも解説いたしましたが、サックスという楽器には、奏でられる音域に合わせていくつかの種類が存在しています。

テナーサックスは、その名からもわかるように「テナー」と呼ばれる音域を担当する楽器です。

「テナー」は男声の最高音域とされている音域であり、別名「テノール」とも呼ばれています。

要するに中音寄りの低音域担当の楽器、という事ですね。

ちなみに4章まで、威吹吹奏楽部唯一のサックスを担当していた伊礼くんの楽器は「アルト」と呼ばれるタイプのもので、音域は中音(アルト)となっています。

中音という事は、高めの音域もそこそこ低めの音域も出せるには出せますが、それでもテナーと比べるとその低音の足りなさは明白です。

低音は音に厚みを出す為の大事なパートですので、そう捉えると上記画像のシーンで伊礼くんがテナーを欲しがっている理由もわかってくるのではないでしょうか。

パートリーダー(Page2)

その名の通り、パート毎のリーダーです。

略して「パーリー」と呼ばれる場合もあります。

各パート全体の代表者としてまとめ役を務めるのは当然の事、パート毎の練習の際に指示を出したり、パート皆に配布する譜面を先生から受け取ったりと、様々な細かい役を担ってくれます。

また時にはパートリーダー会議と言って、パートリーダーのみが集まって練習について話し合うなんて事もあり、吹奏楽部全体において非常に大事な存在となっています。

伊礼くんがパートリーダーを嫌がる素振りを見せているのは、こういった細かな事をやらなくちゃいけないのが大変だから、なのでしょうね。

ただでさえ、サイトの運営や動画投稿の管理も行っているのですから、彼の立場を思えばこれ以上の役を背負うのは出来れば避けたいと考えるのも自然な事なのかも?

課題曲(Page5,22)

吹奏楽部のコンクールでは、「課題曲」と呼ばれる楽曲が存在しています。

名前の通り、コンクール側から課題として提起される楽曲となっており、コンクールに出場する上で絶対に演奏をしなければならない楽曲となっています。

その内容はコンクール毎に変わりますが、大体5曲ほどの課題曲が主催者側から提示され、その中の1曲を演奏する事になります。

3章の後半で「吹奏楽部のコンクールでは、どれだけ楽曲を正確に吹けているかが肝とされる」といった事が説明されていると思いますが、正にこの「課題曲」こそがそれを体現しているといってよいでしょう。

各学校が同じ楽曲を演奏する事で、その演奏技術の高さが顕著に露見し、評価をつけやすくなるのです。

なお、「課題曲」とは別に「自由曲」というものも存在します。

こちらは課題曲とは異なり、学校側で自由に用意したものを演奏できます。

4章で兼古くんが説明してくれた「B部門」や「C部門」などの小編成部門においては、この自由曲のみのコンクールもあったりします。

マーチ(Page5)

音楽ジャンルの1種。

行進曲の英語名で、英語表記は「march」です。

17世紀の終わり頃にはすでに誕生していたといわれており、長い歴史のある音楽ジャンルとなっています。

誕生当時から、すでに管楽器と太鼓とシンバルという、現在の吹奏楽の形態に近しい楽器編成で演奏されており、それ故に前述したメヌエット同様に吹奏楽にてよく演奏されるジャンルとなっています。

それどころか、吹奏楽の為だけに作曲される事も多いのだとか。

吹奏楽を語る上で外せない音楽ジャンルだといえますね。

トロンボニスト(Page9)

トロンボーン奏者のこと。

英語圏発の呼び名となっており、英語での表記は「Trombonist」です。

4章時点でのウインボで例えるなら、桜晴くん、十希くん、そして本用語を口にした茜くんの3人がトロンボニストですね。

トロンボーンの英語表記「Trombone」に、専門家や主義者を意味する、名詞にのみ付属させられる接尾辞「-ist」をくっつけ、作られた単語となります。

「トロンボーンの専門家(もしくは「主義者」)」が転じて、「トロンボーン奏者」という訳に繋がっているようです。

ジャズイベント(Page10,11)

文字通り、ジャズのイベントのこと。

ジャズ関連の企画を行うイベントのことです。

ジャズのイベントと言われたら、バーやレストランの片隅で演奏されているのを聴く、大人の世界のイメージを抱く方が多いかもしれませんが、実はそんな事はなく、意外にもライブフェスティバルといった、他音楽ジャンル同様の取り組みが行われている世界なんですよ。

ウインボの4章で行われたジャズイベントのような野外フェスティバルも実際に行われております。

街全体を使ったジャズイベントも開催されているんですよ!

どのようなものがあるのか詳しく知りたい方は、ぜひネットにて「ジャズ ライブ フェスティバル」で検索してみて下さい!

スカバン(Page11)

バンドの形態の1種・スカバンドの略称。

「スカ」と呼ばれる音楽とバンドが混ざり合って生まれた形態となっています。

このスカは1950年代に誕生した音楽であり、2拍目4拍目を強調するという、独特なリズムが特徴的な音楽で、レゲエの前進にあたるジャンルともされています。

そんな独特なリズムを、ギターやベース、ドラムといったバンドお馴染みの楽器達に加え、金管楽器を取り入れる形で演奏を行うのがスカバンドです。

十希くんが1章で初めて登場した際に、ずっと軽音をやってきている筈なのに「ボーンをやっていた」という謎の発言をしていましたが、金管必須なスカバンドを通ってきていたからだ、と知れば納得もいくのではないでしょうか?

ジャズバンド(Page11)

バンドの形態の1種

その名の通り、ジャズを演奏するバンドです。

ジャズバンドの編成には複数種類があるのですが、全てを説明すると長くなってしまう為、今回は4章で結成されたウインボジャズバンドの形態に1番近いものを紹介しようと思います。

今回、ウインボのジャズバンドは10人のメンバーで結成されました。

基本的に7人以上で構成されているジャズバンドは「ビックバンド」と呼ばれる形態に当てはまる事となります(人数に合わせて詳しい名前は細かくあるものの、総称で「ビックバンド」と呼ばれる形になります)。

この「ビックバンド」は一般的には15人以上で形成されるバンドなのですが、4章時点の吹部部員の少なさもあいまり、今回は10人という人数になったのだと思われます。

そんな大所帯のビックバンドのステージ上での立ち位置は、ドラムなどのパーカッションが左管楽器が右、さらに管楽器内にて、1番前がサックス、続いて後ろがトロンボーン、そのさらに後ろがトランペットという順番になっています。

実際、「部活動」内の「コンサート」にて確認してみると、ほぼこの通りに各部員が配置されている事が確認できました。

今回はトロンボーンはいませんでしたが、もし加わる事になっていればもう1列、列が増えていたという事になりますね。

ウインボが音楽に対して細かいところまで気を配り、作り込んでいる事がわかる描写です。

ベース(Page11)

弦楽器の1種。

ウインボの4章ではエレクトリックベース、通称エレキベースの事を示す用語として使用されています。

エレキベースは、音の振動を電気振動に変える事で演奏する「電気楽器」の1つです。

十希くんが所属している軽音部、ひいてはロックバンドにてよく使用されている楽器ですね。

基本的には4本の弦から成り立つ楽器ですが、なかには5本、6本と、4本以上の弦が張られている「多弦ベース」も存在します。

バンド内では低音域を担当すると同時に、ドラムが叩くリズムを他のメンバーに橋渡しし、バンド全体のテンポ整える役を担ったパートともなっています。

なお、ウインボではジャズ用に登場しましたが、吹奏楽部でも使用自体は可能だったりします。

その為、学校によって(もしくは演奏する譜面によって)はメンバーにベースが存在するところもあります。

ジャズセッション(Page12)

ジャズの演奏形態の1つ。

「セッション」という1単語だけならば、聞いた事がある人もいるのではないでしょうか。

このセッションとは、複数の演奏者達が集まって演奏を行う事を示す用語です。

いわゆる「合奏」に近しい演奏形態の事を指す用語だという事ですね。

しかし合奏とは異なり、セッション、特にジャズセッションの場合は、その場に集まったメンバーによる即興での合奏を示す用語となっています。

実はセッションは、元々は1940年代頃にジャズ・ミュージシャン達が仕事終わりにクラブに集まり、各々自由に演奏をし合わせるようになった流れから生まれた言葉だといわれています。

後にそれがそのまま1つの演奏の形態として残り、セッション、ひいては「ジャズセッション」という形態が生まれるに至ったとのことです。

8分音符(Page12)

音譜の1種。

4分音符を半分の長さにした音譜の事です。

用語解説記事第3段の「小節」の項にて説明しましたが、楽譜というのは決まった拍数毎に細かな小節にわけ制作が行われます。

そしてこの拍、1拍分の長さを持つ音譜の事を「4分音符」と呼びます。

それを半分にした長さが8分音符ということです。

ちょっとわかりづらいな、と思った方は、1回手をパンと叩いてみて下さい。

手を開いた状態から手のひらをくっつけ、それをまた離すまでが1拍分の長さです。

つまり、手を開いた状態から手のひらをくっつける瞬間までが、その拍のちょうど半分、8分音符の長さという事になります。

ハイトーン(Page15)

音域の種類。

その名の通り「ハイ(高い)」音域を指し示す言葉です。

吹奏楽以外の音楽でも多く使われる単語ですので、日常的に聴いた事がある人も多いのではないでしょうか。

高音の歌唱を得意とする歌手の声を「ハイトーンボイス」と言ったりするでしょう?

どこからどこまでの音がハイトーンなのかは、楽器毎に異なる為、これと指し示す事はできません。

ですが、わかりやすく極端に言うならば、通常の「ドレミファソラシド」という音域、この1つ上の「ドレミファソラシド」、それ以上の音域を「ハイ」と呼ぶような形になります。

しかし、高い音になればなるほど、比例して吹くのも大変になる為、これを綺麗に出せるという事は、それだけ、吹く為の下地や技術がそれだけきちんと備わっている実力者だという証拠になります。

8分休符・4分休符(Page19)

休符の1種。

譜面には音符とは異なり、休符と呼ばれる存在も共に書き込まれています。

休符とは、文字通り「休む」為の符です。

といっても本当に「休む」のではなく、休む=音を演奏しない、という事です。

なので休みだからといって、気を抜いていい記号というわけではありません。

むしろ、これがあるから余計譜面がややこしい事になって、休むどころではない場合の方が多かったり……。

頭の「8分」「4分」の意味は、「8分音符」の項でも説明したものと同じです。

休符の長さを示す用語であり、8分は4分音符の半分4分休符は1拍分の長さの休みを指示しています。

ユーフォニアム(Page22)

金管楽器の1種

トロンボーンと同じ、中低音域を担当する楽器です。

正直、本記事の制作者としては、やっとこの楽器が出てきたか……、という気持ちで胸いっぱいだったりします。

現状のウインボにおいて唯一1人しか部員がいないパートだというのに、担当する部員である雪光くんが、物語のキーパーソンとなる重要な役割りを持った生徒だった為に、出番が遅くなったユーフォニアム。

元ユーフォニアム奏者としては、今か今かと、出番を待ち続けていた楽器です。

世間では数年前に、ユーフォニアムを主役にした小説やアニメが流行った為、意外と知っているという方は多いのではないのでしょうか。

形はチューバを1回り小さくしたようなもの。

バルブの数も4つと、チューバと同じ数です。

音域は先も記載した通り、トロンボーンと同じなのですが、トロンボーンよりも丸みのある、柔らかな音を出す楽器となっています。

ユーフォニアムという名前もこの音質が由来だとされており、ギリシャ語で「良い響き」を意味する「ユーフォノス」から来ているんですよ!

中低音担当として、伴奏部分を吹くのは当然ですが、メロディーラインやソロを担当する事も多く、意外にも目立つ役を担うことが多いパートでもあります。

オマケ:「ウインドバンドジャーナル」や「音楽之心社」は実在する!?元ネタだと思われるものを紹介!

さて、ここからは毎度の小ネタのコーナーです。

今回は4章に出てきた雑誌「ウインドバンドジャーナル」出版社「音楽之心社」に関する考察をさせていただこうと思います。

というのも、実はこれらの元ネタだと思われるものが実在しているのです。

それが「月刊Band Journal」という、出版社「音楽之友社」が刊行している雑誌です。

ほらもう、刊行先からして、なんとなく名前が似ているでしょう?

この音楽之友社というのは、都内にある音楽雑誌専門の出版社です。

1941年頃に設立された歴史の長い出版社で、現在は「音楽の力を信じ 音楽の心を伝えたい」というスローガンのもと、様々な音楽関連の出版物を出している会社となっています。

そんな音楽之友社が出版する「月刊Band Journal」は、日本の吹奏楽に焦点をあてた雑誌となっており、吹部のコンクールや、そこに出場する吹部の活動を追う記事、時にはオーケストラのコンサートレビューなどが、その誌面にて掲載されています。

「ウインドバンドジャーナル」も3章のコンサートの記事を掲載している事が語られていましたね。「月刊Band Journal」に近しいものがあるといえます。

本当にこれらが元ネタかはわかりませんが、もし本当にこれらが元ネタであったとしたら、元吹部部員としてはテンションがあがるものがあります。

「ジャズバンド」の項でも書きましたが、本当に、ウインボの設定作りの細かさには度肝を抜かされてしまいますね!

まとめ

以上、4章に登場した用語の解説記事でした!

何度も言いますが、本当にウインボの設定の作り込みの細かさに関しては「凄い」の一言につきますね。

本当に「吹奏楽」というジャンルの事を思い、「ウインボ」という作品を作り上げている事を、用語解説を行う度にひしひしと感じています。

と、いうわけで、次回からはついに、5章の用語解説に入っていこうと思います!

2022年1月現時点で、ひとまずの最終章となっている5章。

はたして用語を解説する事で、今度はどんな光景が見えてくるのでしょう。

今からとても楽しみです!

それでは、本記事が少しでも吹部未経験者な先生方のお役に立つ事を願いつつ、今回はこの辺りで終わりとさせていただきます。

次の記事で、またお会いしましょう!