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「ウインドボーイズ!」の作中用語説明、第6弾!
「ウインドボーイズ!」に登場する、「吹奏楽部用語」の解説記事、第6弾です!
今回はメインストーリー5章分の解説を行っていきます!
2022年1月現時点では、メインストーリー最終章となっている5章。
吹奏楽部のコンクールに関わる大事な用語も登場してきますので、吹奏楽部未経験な先生方はぜひ、最後まで読んで下さると幸いです。
もちろん、最後には恒例のオマケ(小ネタ)コーナーがありますので、吹奏楽部経験者な先生方も、よければ読んで行って下さい!
なお、本記事は5分で読み終わります。
ゲームをプレイする傍らにでも、またはメインストーリーを読み返しながらでも、よければ読んでみて下さい。
- メインストーリー5章に登場する「吹奏楽部」にまつわる用語を解説!
- 吹奏楽コンクールに関わる重要用語の解説あり!
- 用語の意味を知る事で、物語への没入度が上がる!
4章までの用語説明について知りたい方は、以下のリンクの記事をお読み下さい。
ビブラード(Page1)
奏法の1種。
1つの音を伸ばした際に、その音を波打つように揺らす奏法です。
楽器を用いた演奏に限らず、歌唱の際にも使用される奏法となっている為、吹奏楽部に触れた事がない人でも音楽の授業を通して触れた事がある用語なのではないでしょうか。
吹奏楽においての大まかな揺らしの種類は、音量を揺らすか、それとも音の高さを揺らすかの2種類。
音を揺らす事で生まれる「余韻」を味わうものとされており、音を聴かせたい時に使用される事が多い印象の奏法となっています。
ただ何度も繰り返し使うと、それはそれでくどくなる奏法ですので、本当に大事なところ、ここぞというところで使用される、楽曲によっては非常に大事な演出を行う奏法だともいえます。
連符(Page3)
音符の種類。
1拍分の音を、均等に細かい音に分けた音符の事を指します。
例えば代表的な連符でいうと「3連符」というものがあります。
これは1拍分の音を3つの音にわけた連符であり、要するに1拍分の長さで3つの音を連続して奏でる形の音符です。
と、それだけ言うと「なんだ、1拍終わる前に3つ音を演奏すればいいだけか」と思われそうですが、本当に重要なのは、これら全ての音の長さを「均等」に演奏しなければならないという点。
例え1拍分終わる前に音を演奏しきる事ができても、音の長さが均等でなければ、それは「連符」とはいえません。
技術もいれば、ある程度の音楽センスも必要な、非常に難しい音符なのです。
玲音くんが「ひとりで吹くのも難しいのに~」と言っているのは、そういった理由があるからの事だと考えて良いでしょう。
アルトサックス(Page3)
サックスの1種。
本用語に関しては前回の記事の「テナー」の項で簡単に解説しましたが、改めてしっかりとした解説を。
「アルト(中音域)」を担当するサックスであり、実はサックス内では「花形」にあたるポジションの楽器となっています。
ソロが多い事はもちろん、木管楽器において花形として扱われやすい、クラリネットやフル―トと同じ譜面を吹く事も多く、吹奏楽部全体で見ても目立つポジションの楽器だといえるでしょう。
ウインボでは、4章まではサックスパートがアルトサックス奏者である伊礼くんのみとなっていましたが、彼が最初のサックスとして加入する展開になったのは、上記のような役割を担った楽器を担当するキャラクターだったからなのかもしれませんね。
リードのセッティング(Page9)
2章分の用語解説記事の「木管」の項でも解説しましたが、木管には「リード」と呼ばれる薄い板を使って演奏を行う「リード楽器」が存在します。
上記画像に登場しているサックスも、この「リード楽器」の1つです。
リードには、その厚さやカットの仕方、「ティップ」と呼ばれる先端部分の厚さ等でいくつかの種類が存在し、奏者自身にあった物を使って吹くのが基本となっています。
使用するリードによって吹く音の質にも差が出たりと、非常に重要な存在となっており、その為、セッティング、つまり取り付けが悪いと音の調子に影響が出てしまうのです。
なおリードはとても薄い代物なので、玲音くんがいづるくんに注意したように口に力を入れて吹くと、すぐに割れてしまいます。
もちろん、演奏面にも大きな影響を及ぼす吹き方なので、上記画像の玲音の台詞は、そういった意味合いも含め、二重の意味(リードの破損と演奏面)で注意しているのだと思われます。
中日県大会/本大(Page13)
中日コンクールのこと。
文脈の前後やストーリーの展開から、なんとなくでなんの事を指しているのかはわかる方が多いかもしれませんが、それまで「中日コンクール」と言っていたのに急に「県大会」と言われて混乱した方も多いのではないでしょうか?
本記事の制作者である私も、石川県とは縁遠い場所の生まれの為、一瞬なんのコンクールの事を言っているのかわからず、混乱してしまいました。
という事で、簡単に中日コンクールについて調べてみた結果、なんとここで登場する中日コンクールは、正式には「中部日本吹奏楽コンクール石川大会」と呼ばれる県大会であった事が判明!
実は「中日コンクール」には、県大会と本大会の2種類が存在していたのです!
シナリオ内でも十希くんが愛実先輩に「本大会があるのか」と訊ねていましたね。
作中では、吹奏楽部のコンクールの仕組みを総合した内容の説明のみで、中日コンクール自体の仕組みの詳細は語られていなかった為、そちらについても調べてみました。
結果、以下のような仕組みになっている事が判明しました。
- 毎年6~8月頃に県大会を開催
- その後、10月上旬に本大会を開催
- 各県大会を勝ち抜いてきた、県代表校のみが本大会に進める
なお、威吹吹奏楽部が目指す「全国大会」も、開催が10月末(もしくは11月あたり)に行われます。
もしどちらの大会にも進む事になった学校がいたら、それはそれで非常にタイトなスケジュールを組む事になるでしょう。
とはいえ、そういう強豪校は基本的に人数がとても多い為、こちらのコンクール用、あちらのコンクール用と編成メンバーを替えて出場している可能性も考えられます。
なんにせよ、中部のコンクールのスケジュールみちみち具合に驚きです……。
全国大会予選(Page14,Page25)
全国大会、正式名「全日本吹奏楽コンクール」、その出場者を決める予選の事です。
吹奏楽部用語解説記事、第3弾の「北陸予選」の項においても同様の解説を行いましたが、吹奏楽部のコンクールの頂点である全国大会に行くには、3つ(ないし2つ)のコンクールをクリアしなければいけません。
これらのクリアしなければならないコンクールの事を「全国大会予選」といいます。
もちろん、「北陸予選」もその内の1つです。
北陸(石川・福井・富山)を代表して全国大会に進む学校を選ぶ為の予選となっています。
そしてその前にあるのが「石川県吹奏楽コンクール」、つまりは県大会です。
上記画像で言う「全国大会予選」は、この県大会の事を指していると思われます。
練習パッド(Page15)
パーカッションの練習道具の1つ。
別名「練習台」、「トレーニングパッド」、「プラクティスパッド」、「トレーニングドラム」とも呼ばれています。
「トレーニングドラム」の名からもわかるように、主にドラムの練習時に使用されるものですが、リズムの確認をする程度であれば、ドラム以外のパーカス(スティックを使うタイプのみ)でも使用できる練習道具となっています。
形としては、平べったいドラムといったところでしょう。
ラバー製から、メッシュ製、よりドラムらしい感触を再現したプラスチック製のものまであります。
ウインボのシナリオ内ではどれを使っていたかという描写まではありませんでしたが、場面の状況から考えるに、あまり音が出ないものの方が良い筈なので、消音機能に優れたラバー製かメッシュ製である可能性が高いでしょう。
スネア(Page19)
ドラムの1種。
正式名は「スネアドラム」。
数あるドラムの中でも主役級に目立つ事が多いドラムです。
吹奏楽部だけではなく、軽音楽部のようなバンドにて使用されるドラムセットにおいても、必ず構成の1つとして取り入れられている楽器となっています。
その形状も「ドラム(太鼓)」と言えばこれ、という程にわかりやすい形をしている為、例え名前を知らなくても見た事がある人は多いのではないでしょうか。
ウインボの部活動でも、愛実先輩が叩いていますよ。
パーカッションの中でも非常によく映える音を出す楽器となっている他、ドラムで叩くリズムの中において最も細かい音を担当する事が多い楽器でもあり、それ故、非常に高等な演奏技術が必須の高難易度のパートとなっています。
しかしその分、華やかで格好いいパートである事は確かです。
時計も計る(Page20)
Page20の合奏シーンで先生が述べたこの台詞。
吹奏楽部未経験の方には、一体どういう意味を持っているのか、なぜ時間を計るのかと疑問に思った方が多いのではないでしょうか。
その理由は、コンクール規定にあります。
実は吹奏楽のコンクールでは、演奏をしていい「時間」が決まっているのです。
この時間を超えてしまった場合、演奏は最後までさせて貰えますが、規約違反という事で失格となってしまいます。
実際、過去の吹奏楽のコンクールにおいて、タイムオーバーを理由に失格となった団体・学校はいくつか存在しています。
そうならない為にも、通しで合奏をする際に「時間を計る」癖をつけ、その感覚に慣れておく必要があるのです。
Pパート
譜面上の記号であるリハーサルマークの1つ。
楽譜には、音符や演奏の仕方に関する様々な記号が記載されていますが、このリハーサルマークもそれら記号の1種です。
イントロやアウトロ箇所、または譜面の中で特に練習をしておいた方がいい箇所など、区切りのいい場所に必ず記載されているマークとなっており、Aから始まるアルファベットで記載されています。
役割や存在の仕方としては、「小節」に近しいものがあるかもしれません。
ただし、小節程細かく別れてはおらず、また括られている範囲も小節数も均等ではありません。
あくまでも、フレーズ毎に区切りよくまとめられている形となっており、もっと極端に言うならば、楽曲をイントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、アウトロという形でわけている感覚に近しいです。
裏打ち(Page21)
奏法の1つ。
裏拍にアクセントをつけて演奏、リズムを取る奏法の事です。
と言うと、「じゃあ『裏拍』って何?」というお話になると思いますので、裏拍について解説を。
実は拍には、「表拍」、「裏拍」と呼ばれる2種類が存在します。
例えば、「1、2、3、4」と数字で拍を数えたとします。
この数字で数えた部分が「表拍」です。
逆に「1」と「2」の間の「、」、この部分が「裏拍」と呼ばれる箇所にあたります。
手で叩いて表すとすると、パンッ!と手を叩いた瞬間が表拍、それを離した瞬間が裏拍です。
そして、この「、」と手を離した瞬間の拍にアクセントをつけて演奏するのが「裏打ち」となります。
数字・手の例えで言うならば、表拍に重きをおいた数え方・手の叩き方をするのではなく、裏拍に重きをおいたアクションをするというイメージになります。
通常の拍の感覚とは異なる奏法なので、慣れない内は演奏している最中にわけがわからなくなってしまう場合も。
しかし吹奏楽に関わらず様々な音楽にてよく登場する奏法なので、演奏者は体に染み込ませておくべき奏法だともいえるでしょう。
観覧チケット
コンクール観覧用のチケット。
吹奏楽のコンクールというのは、何も吹奏楽関係者のみが入れる場所というわけではありません。
きちんと専用のチケットを購入すれば、一般客、出演する団体になんら関係ない方でもコンクールの観覧が可能となっています。
またコンクール当日の様子を収録したDVDやBlu-rayの発売も行われており、そちらはネットを通しての購入がいつでも可能。
意外とその入り口は広く、どんな人でも簡単に鑑賞ができる場所となっているのです。
なお、中日コンクールのチケットについて、「毎年争奪戦」「意外と世間の関心高いんですね」と伊礼くんが感想を述べていますが、これについては「そりゃそうよ」と言うしかなかったり。
なぜなら、中日コンクールというのは、単純に吹奏楽部の連盟が行っているコンクールではなく、中部地方大手新聞社「中日新聞」が主催となり開催している大会でもあるのです!
そりゃあ人も集まるし、関心だって多く持たれるといったものですよ!
オマケ:Page3に登場した「中部音楽隊」って何者?
さて、最後は毎回恒例のオマケコーナーで締めようと思います。
今回は「Page3」に登場した、「中部音楽隊」のお話をしようと思います。
3章でもそうでしたが、ウインボのシナリオ内って、サラッと色んな音楽隊・オーケストラ・音楽団体が登場したりしているんですよね……。
吹奏楽部の活動上、登場する事自体には不思議じゃないのですが、中にはそれがどんな団体なのかわからずに首をかしげる方もいるんじゃないかな、と。
というわけで、今回は実際にシナリオに登場している音楽隊に注目したお話をしてみる事にしました!
そもそも「音楽隊」ってなに?
「音楽隊」とは、軍隊に所属する音楽の隊の事です。
別名「軍楽隊」とも呼ばれています。
様々な国に同様の隊が存在し、日本では自衛隊に所属する音楽隊がこれに値します。
「音楽科」と呼ばれる隊員で構成されており、陸上・海上・航空、それぞれにそれぞれの音楽隊が存在しています。
地域ごと、階級ごとなど、様々な括りの音楽隊がおり、陸上だけでも実に20以上の音楽隊が居るとの事です。
「陸上自衛隊中部方面音楽隊」と呼ばれる音楽隊が存在する
「方面音楽隊」と呼ばれる音楽隊の1つに「陸上自衛隊中部方面音楽隊」と呼ばれる隊が存在します。
方面音楽隊は、隊長が3等陸佐もしくは2等陸佐を基準に捕職しているという特色がある音楽隊となっています。
その内の1つである陸上自衛隊中部方面音楽隊は、北陸・東海・近畿・中国・四国にて、広報として活動を行っており、過去には大阪で行われた万国博覧会にも出演した事がある音楽隊です!
また2022年1月現在は、声楽担当の隊員も居るとの事で、昨年はその隊員起用した部隊初となるCDを出したそう。
もちろん、ウインボの舞台である金沢においても、スペシャル演奏会を行った事があるようです。
ウインボに登場した「中部音楽隊」も、この「陸上自衛隊中部方面音楽隊」をモチーフにしたものである可能性は大いに高いでしょう!
まとめ
以上、メインストーリー5章の用語解説でした!
これまでの章でもコンクールにまつわる用語は出てきていましたが、全体的に見ると本章が1番出てきているように思います。
「時計も計る」など、実際に吹奏楽のコンクールを経験した事がある者にしかわからない表現も多く登場しましたしね。
2022年1月現在は、メインストーリーは5章までとなっていますが、全国大会の事や生徒間でも何がしかの問題を抱えている雰囲気がある子が残っていたりと、まだまだストーリーが続いていく事は予想できます。
ですが、メインストーリーはここで終わりなので、本シリーズのメインストーリー用語解説もここで一旦終わりにしたいと思います。
とはいえ、あくまで終わりなのはメインストーリーの用語解説!
次回からは部員ストーリーやカードシナリオ、レッスンストーリー等に登場した用語について解説していこうと思います!
ウインボが続く限り、本シリーズの投稿を続けていく予定でおりますので、よければこれからもお付き合いいただければ幸いです。
それでは、また。
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