【遊戯王】泣けるほど弱かった…。巨大戦艦デッキが歩んできた歴史を解説!

マイナーテーマ「巨大戦艦」が辿ってきた歴史まとめ

こんにちは、ヨッケイです。

今回は「巨大戦艦」デッキが歩んできた約18年間を振り返りながら、まとめていきます。

登場初期は非常に弱く、不安定なデッキでしたが、近年パワーカードが追加されたことによりデッキの戦闘力が大幅に上がりました。

  1. 泣けるほど弱かった黎明期
  2. ペンデュラム召喚の登場で第一次技術革新
  3. パワーカードの登場でデッキが強力に…!?

この記事は5分で読み終わりますので、さいごまで読んでいってくださいね!

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【遊戯王】合体するだけだった!?マシンナーズデッキの歴史を解説!【前編】

巨大戦艦って?

「巨大戦艦」モンスターは遊戯王 OCG を販売している KONAMI の横スクロールシューティングゲーム「グラディウス」シリーズに登場したボス達がモデルになっています。

巨大戦艦モンスターは全て、レベル5以上の上級・最上級モンスターで構成されています。

戦闘によって破壊されない効果と、カウンターを持たない状態で戦闘を行うと破壊される共通効果を持っています。

【2004年8月】巨大戦艦モンスター登場!

これから長い歴史を歩むことになる「巨大戦艦」の歴史がはじまります。

遊戯王における巨大戦艦モンスターの方向性を決めた、巨大戦艦モンスターの祖が登場です。

「巨大戦艦 ビッグ・コア」

登場パック:第4期第2弾、RISE OF DESTINY (ライズ・オブ・デスティニー)

発売日:2004年8月5日

闇属性/レベル6/機械族/効果モンスター

攻撃力:2300/守備力:1100

召喚成功時、カウンターを自身に3つ置く。

戦闘によっては破壊されない。

戦闘後、カウンターを1つ取り除く。

カウンターがない状態で戦闘した場合、このカードを破壊する。

召喚時にカウンターが3つ置かれるため、4回戦闘を行うと自壊してしまいます。

特殊召喚時にはカウンターが置かれないので、1回の戦闘で自壊してしまいます。

「巨大戦艦 ビッグ・コア」の登場から約半年後、2枚目の巨大戦艦カードが追加されました。

「巨大戦艦 クリスタル・コア」

登場パック:第4期第5弾、CYBERNETIC REVOLUTION (サイバネティック・レボリューション)

発売日:2005年5月26日

水属性/レベル5/機械族/効果モンスター

攻撃力:2100/守備力:1000

召喚成功時、カウンターを自身に3つ置く。

戦闘によっては破壊されない。

1ターンに1度、相手の攻撃表示モンスター1体を守備表示にする。

戦闘後、カウンターを1つ取り除く。

カウンターがない状態で戦闘した場合、このカードを破壊する。

巨大戦艦特有の能力の他に、相手の表示形式を変更させる効果を持っています。

攻撃力が絶妙に足りていない巨大戦艦モンスターには重要な効果でした。

この時点では巨大戦艦モンスターは2体のみで、サポートカードも存在しませんでした。

そのため、カテゴリとして成立していませんでした。

【2005年8月】巨大戦艦がカテゴリとして成立!

巨大戦艦が正式なカテゴリとなったのは2005年8月11日発売の第4期第6弾のパック ELEMENTAL ENERGY (エレメンタル・エナジー)です。

新規カードは2種類です。

「巨大戦艦 テトラン」

登場パック:第4期第6弾、ELEMENTAL ENERGY (エレメンタル・エナジー)

発売日:2005年8月11日

風属性/レベル6/機械族/効果モンスター

攻撃力:1800/守備力:2300

召喚成功時、カウンターを自身に3つ置く。

戦闘によっては破壊されない。

カウンターを1つ取り除くことで、フィールドの魔法・罠カードを1枚破壊する。

戦闘後、カウンターを1つ取り除く。

カウンターがない状態で戦闘した場合、このカードを破壊する。

自身のカウンターを取り除くことで、魔法・罠カードを破壊できる効果を持っています。

当時、この手の効果を内蔵しているモンスターは貴重でした。

しかし、下級モンスターにも負ける攻撃力の低さが、足を引っ張っています。

「ボスラッシュ」

登場パック:第4期第6弾、ELEMENTAL ENERGY (エレメンタル・エナジー)

発売日:2005年8月11日

永続魔法

通常召喚していないターンしか発動できない。

①このカードがあるかぎり、自分は通常召喚できない。

②「巨大戦艦」モンスターが破壊されたターンのエンドフェイズにデッキから「巨大戦艦」モンスターを特殊召喚する。

「巨大戦艦」初のサポートカードです。

うまくいけば、毎ターン巨大戦艦モンスターを途切れずに特殊召喚できます。

このカード最大の問題点は「通常召喚できない」という重すぎる制約です。

「召喚できない」とは異なり、セットを行うこともできません。

通常召喚していないターンにしか発動できないので、通常召喚を済ませてから発動するといった使い方ができません。

登場当時は現代ほど、特殊召喚の手段がそこまで豊富ではありませんでした。

よって、登場当時としても「非常に重い制約」です。

カードプールが充実している現代とは、制約の重さが比較になりません。

【2005年11月】最上級巨大戦艦モンスター登場!

待望の?最上級巨大戦艦モンスターが登場しました!

「巨大戦艦 カバード・コア」

登場パック:第4期第7弾、SHADOW OF INFINITY (シャドウ・オブ・インフィニティ)

発売日:2005年11月17日

地属性/レベル7/機械族/効果モンスター

攻撃力:2500/守備力:800

召喚時カウンターを2つ置く。

戦闘によっては破壊されない。

戦闘後、コイントスを外した場合、カウンターを1つ取り除く。

カウンターがない状態で戦闘した場合、このカードを破壊する。

巨大戦艦初の最上級モンスター。

謎のコイントス要素が追加され、カウンターが減らない”可能性”が生まれました。

しかし、召喚時に乗せられるカウンターが2個に減ってしまいました。

よって、体感的にはこれまでと変わりません。

攻撃力も2500最上級モンスターとしては、なんとも物足りない数値になっています。

最上級モンスターであることから「巨大戦艦」デッキの手札事故率の高さをさらに悪化させる一因となりました。

カウンターの管理も大変でしたが、コインまで必要になりました。

このカード以降、しばらく連続で収録されていた巨大戦艦カードは全く収録されなくなり、約3年もの間、沈黙することになります。

【2005年~2007年】巨大戦艦デッキの黎明期

「ボスラッシュ」の登場により、専用デッキを組む意義が生まれました。

ここから巨大戦艦デッキの歴史が始まりました。

デッキの基本的な動かし方(黎明期)

魂を削る死霊など、戦闘で破壊されないモンスターや、墓守の偵察者などのリリース確保性能が高いモンスターでリリースを確保します。

その後、巨大戦艦モンスターをアドバンス召喚(当時は生贄召喚)するという流れでした。

魂を削る死霊

闇属性/レベル3/アンデット族/効果モンスター

攻撃力:300/守備力:200

このカードは戦闘では破壊されない。

このカードはカード効果の対象になった時、破壊される。

このカードが直接攻撃によって戦闘ダメージを与えた時、相手の手札を1枚ランダムに選んで捨てる。

戦闘によって破壊されない代わりに効果の対象になると破壊されてしまうモンスターです。

当時として優秀な壁モンスターであり、よく使用されていました。

墓守の偵察者

闇属性/レベル4/魔法使い族/効果モンスター

攻撃力:1200/守備力:2000

リバース:デッキから攻撃力1500以下の「墓守」モンスターを1体特殊召喚する。

リバース効果で「墓守」モンスターを特殊召喚するモンスターです。

守備力が2000と下級モンスターとしては高い水準だったので、リリース確保用モンスターとして活躍していました。

基本的にはアドバンス召喚で巨大戦艦モンスターを増やし「ボスラッシュ」を発動し、フィールドを盤石にするという動かし方でした。

巨大戦艦デッキの問題点

巨大戦艦デッキには多くの問題点があり、決して強力とは言えませんでした。

  • 手札事故率の高さ
  • 攻撃力が低い
  • 「ボスラッシュ」との噛み合いの悪さ
  • 「ボスラッシュ」の制約が重すぎる

手札事故率の高さ

当然、デッキに大量の上級モンスターを投入することになるので、手札事故の問題がつきまといます。

当時は、手札事故からのリカバリー手段も豊富ではありませんでした。

有名どころでは非常食とゴブリンのやりくり上手を使った【やりくりターボ】を使って手札を交換していました。

非常食

速攻魔法

このカード以外の自分フィールドの魔法・罠カードを墓地に送り、発動する。送った数×1000LPを回復する。

自分フィールドの魔法・罠カードを墓地に送って送った枚数×1000ポイントのライフを回復するカードです。

邪魔になった「ボスラッシュ」を墓地に送ることもできたので、相性はいいほうでした。

ゴブリンのやりくり上手

通常罠

自分の墓地の「ゴブリンのやりくり上手」の数+1枚をデッキからドローし、その後手札を1枚選んでデッキの一番下に戻す。

墓地にあるゴブリンのやりくり上手+1枚をドローし、手札を1枚デッキに戻すカードです。

手札に来すぎた「巨大戦艦」モンスターをデッキに戻す手段としても有効です。

方法は単純で、3枚の「ゴブリンのやりくり上手」にチェーンして「非常食」を使うことによって「ゴブリンのやりくり上手」3枚を墓地に送ります。

成功すれば、最大4×3枚ものドロー+3枚の手札交換+ライフポイント3000回復を行うことができる歴史あるコンボです。

攻撃力が低い

「巨大戦艦」モンスターの攻撃力は上級モンスターとしては最大2300と控えめです。

当時の上級モンスターのボーダーラインは「帝」モンスターや「人造人間サイコ・ショッカー」の2400でした。

「帝」モンスター

上級モンスターで統一された、アドバンス召喚を行うことで強力な効果を発動できるモンスター群です。

その強力な効果から、当時の環境を席巻していました。

人造人間-サイコ・ショッカー

闇属性/レベル6/機械族/効果モンスター

攻撃力:2400/守備力:1500

このカードが存在する限り、お互いにフィールド上の罠カードの効果を発動できず、フィールドの罠カードの効果は無効化される。

罠カードすべてを無効化する、シンプルな効果を持ったモンスターです。

当時は大体のデッキに、聖なるバリアミラーフォース・激流葬などの強力な罠カードが多く採用されていました。

それらを完全に無効化できるこのカードは非常に強力でした。

これらのモンスターに攻撃力で及ばない巨大戦艦モンスターは上級モンスターとしては力不足と言えます。

「巨大戦艦」モンスターは属性がバラバラなので、当時のフィールド魔法では攻撃力をサポートできなかったことも攻撃力不足の要因でした。

「ボスラッシュ」との噛み合いの悪さ

デッキから「巨大戦艦」モンスターを特殊召喚する「ボスラッシュ」ですが、特殊召喚された巨大戦艦モンスターはカウンターを持っていません。

そのため、たった1度の戦闘で自壊してしまいます。

追加の巨大戦艦を特殊召喚する効果もエンドフェイズなので、バトルフェイズ中、フィールドがガラ空きになってしまいます。

「ボスラッシュ」の制約が重すぎる

やはり、通常召喚できない制約が完全に足かせです。

通常召喚できないため、リリース用のモンスターや後続の巨大戦艦をアドバンス召喚できません。

当時広くデッキに投入されていた「落とし穴」などの召喚反応型罠カードにも非常に弱く、1度発動されると、一気に劣勢になってしまいます。

劣勢に追い込まれた場合に、防御用のモンスターすら召喚できません。

そのため、わざわざボスラッシュの効果を一時的に無効化するカードが採用される場合もありました。

魔法探査の石版

通常罠

永続魔法が発動された場合、ターン終了時まで永続魔法カードの効果を無効にする。

当時はこれくらいのなんとも微妙なものしかありませんでしたが…。

当然、このようなコンボカードを組み込んでいくと、デッキの安定性が落ちます。

よって、ただでさえ高い手札事故の発生確率がさらに上がる…という負のサイクルが発生してしまっていました。

全体を通して無理のある構成なので、デッキとしては非常に不安定でした。

【2008年3月】時代は流れ…シンクロ召喚登場!

2008年3月15日にシンクロ召喚が登場しました。

モンスターを特殊召喚する手段が増えたとはいえ、「巨大戦艦」デッキにとっては、十分ではありませんでした。

このころ、キメラテック・フォートレス・ドラゴンが登場し、大流行しました。

キメラテック・フォートレス・ドラゴン

闇属性/レベル8/機械族/効果モンスター

攻撃力:0/守備力:0

「サイバー・ドラゴン」+機械族モンスター1体以上

自分相手フィールドの上記カードを墓地に送った場合、EXデッキから特殊召喚できる(「融合」のカードは必要としない)。

このカードは融合素材にできない。

このカードの元々の攻撃力は、このカードの融合素材としたモンスター×1000になる。

フィールドの機械族モンスターとサイバードラゴンで融合できるモンスターで、融合召喚に融合が必要ではない融合モンスターです。

相手のモンスターを巻き込めるという当時としては非常に画期的な融合条件を持ったモンスターです。

このころは、機械族であるだけでデメリット扱いを受けるほど、機械族全体への風当たりが非常に強くなりました。

巨大戦艦モンスターは当然、機械族なのでキメラテック・フォートレス・ドラゴンの素材になってしまいます。

融合素材にされたモンスターは破壊扱いではないので、ボスラッシュの効果を使うこともできませんでした。

まさに天敵です。

【2008年11月】約3年間ぶりの新規カード登場!

そんな逆風の中、突然巨大戦艦の新規カードが登場します。

「巨大戦艦 ビッグ・コアMK-ⅠⅠ」

登場パック:第6期第3弾、CRIMSON CRISIS (クリムゾン・クライシス)

発売日:2008年11月15日

炎属性/レベル6/機械族/効果モンスター

攻撃力:2400/守備力:1100

特殊召喚成功時、カウンターを3つ置く。

このカードは戦闘では破壊されない。

戦闘後、カウンターを1つ取り除く。

カウンターがない状態で戦闘した場合、このカードを破壊する。

自分フィールドにモンスターが存在しない場合、リリースなしで召喚できる。

待望の特殊召喚でカウンターが置ける巨大戦艦モンスターです。

当然ボスラッシュとの相性は完璧で、攻撃力も2400のボーダーラインです。

レベルも最上級ではなく、上級というこれまでの反省点を活かして作られた1枚です。

しかし、通常召喚との相性は最悪です。

通常召喚してしまうと、戦闘1回で自壊する弱小モンスターと化します。

「ついでに付けました」と言わんばかりに、妥協召喚効果も持っています。

なんとも使いどころに困る効果ですが、手札にきてしまったこのカードを処理するための手段として使いましょう。

このカードの登場は巨大戦艦デッキ強化のための布石か!?

…と思いきや全くそのようなことはなく約5年間の長い沈黙がはじまりました。

【2014年3月】巨大戦艦デッキに光明!?ペンデュラム召喚登場!


2014年3月21日にペンデュラム召喚が登場!

手札からモンスターを手軽に特殊召喚できるペンデュラム召喚は、まさに巨大戦艦が待ち望んだ召喚法でした。

【2014年~2016年】ペンデュラム召喚型巨大戦艦デッキ

これまでは「ボスラッシュ」を主体としたデッキ構築には、かなり無理がありました。

無理が生じていた原因は上記の通り、巨大戦艦モンスターが大量に手札にきてしまうことによる手札事故率の高さと、通常召喚に対する縛りでした。

ペンデュラム召喚はこの2つの弱点を緩和することができ、巨大戦艦デッキは新たな段階に進みました。

デッキの基本的な動かし方(ペンデュラム召喚型巨大戦艦)

ボスラッシュをできるだけ早く発動し、レベル5~7までを特殊召喚できるようにペンデュラムスケールをセッティングします。

手札に巨大戦艦引き込んでしまった場合は、ペンデュラム召喚で展開していきます。

フーコーの魔砲石

闇属性/レベル5/機械族/ペンデュラム/通常モンスター

攻撃力:2200/守備力:1200

Pスケール:2

ペンデュラム効果

このカードを発動したターンのエンドフェイズに、フィールドの表側表示の魔法・罠カード1枚を破壊する。

通常モンスターですが、ペンデュラム効果で発動ターンに表側魔法・罠カードを破壊できます。

邪魔になった自身の「ボスラッシュ」を容易に処理することもできるようになりました。

通常モンスターなので「召喚士のスキル」などを使ってデッキからサーチして使っていきます。

召喚士のスキル

通常魔法

デッキからレベル5以上の通常モンスターを手札に加える。

「フーコーの魔砲石」の他にも「竜穴の魔術師」などの通常ペンデュラムモンスターを採用すればデッキの回転がスムーズになります。

竜穴の魔術師

水属性/レベル7/魔法使い族/ペンデュラム/通常モンスター

攻撃力:900/守備力:2700

Pスケール:8

ペンデュラム効果

1ターンに1度、片方のPゾーンに「魔術師」カードが存在する場合、手札のPモンスターを1枚捨てフィールドの魔法・罠カード1枚を破壊する。

ペンデュラム召喚によって、巨大戦艦デッキの弱点であった、展開のスピードと手札事故の確率を減らすことができるようになりました。

手札のモンスターを容易に特殊召喚できることから、シンクロ召喚エクシーズ召喚なども戦術に組み込みやすくなり、デッキの幅が非常に広くなりました。

デッキの安定性も、向上しました。

デッキが回転すれば、デッキの中から巨大戦艦がなくなることすら起きるようになりました。

墓地の巨大戦艦を回収するために「貪欲な壺」が採用圏内になるなど、一気にデッキとしてのレベルを上げることに成功しました。

貪欲な壺

通常魔法

自分の墓地からモンスターを5体選択しデッキに戻す。その後、カードを2枚ドローする。

デッキの中から「巨大戦艦」モンスターがなくなることを防ぐために使います。

ついでに手札補充もできます。

デッキの問題点は軽減された…?

デッキの問題点は大部分が軽減されました。

しかし、「ボスラッシュ」を素早く手札に呼び込めるかは運頼みになってしまいます。

「ボスラッシュ」はこのデッキの核であり、複数枚をフィールドに展開することが求められます。

永続魔法カードはデッキからのサーチ難しいのも、問題です。

「番犬ウォッチドッグ」など、あまり質がいいとは言えないサーチカードを使わざるを得ない状態です。

番犬-ウォッチドッグ

炎属性/レベル1/炎族/効果モンスター

攻撃力:0/守備力:0

「番犬-ウォッチドック」の効果は1ターンに1度しか使用できず、発動したターン、自分は特殊召喚できない。

このカードが召喚に成功したメインフェイズ2に手札の魔法カード1枚を墓地に送り、デッキの永続魔法1枚を自分の魔法・罠ゾーンにセットする。

召喚したターンのメインフェイズ2に、手札の魔法カード1枚でデッキの永続魔法をサーチできます。

特殊召喚できないという重い制約を持っていて、扱いやすいカードではありません。

「ボスラッシュ」に関する問題の他にも、巨大戦艦モンスターの攻撃力の低さは課題でした。

巨大戦艦モンスターの「十八番」戦闘破壊耐性も、時の流れによって全く脅威としては見なされなくなっていました。

モンスターの能力もインフレが進み「巨大戦艦」モンスターはスペック的にも完全に時代遅れになっていました。

「巨大戦艦」デッキは現代に対応できる新規カードを求めていたのです。

【2017年1月】救世主登場!強力な新規カード現る!

ペンデュラム召喚登場から約3年が経ちました。

長い月日が経つ中で、数多くの旧テーマが救済されていく中、ついに巨大戦艦にもスポットが当てられます。

「巨大要塞ゼロス」

登場パック:第9期第12弾、MAXIMUS CRISIS (マキシマム・クライシス)

発売日:2017年1月14日

フィールド魔法

①このカードを発動した時デッキから「ボスラッシュ」を手札に加える。

②自分フィールドの「巨大戦艦」モンスターは攻守が500ポイントアップし、相手効果の対象にならず、破壊されない。

③1ターンに1度、自分メインフェイズに手札の「巨大戦艦」モンスターを特殊召喚する。

④自分フィールドに召喚・特殊召喚された「巨大戦艦」モンスターにカウンターを1つ置く。

巨大戦艦に足りなかった要素すべてを補うために生まれたカード、といっても過言ではないカードです。

ボスラッシュのサーチ、手札に来てしまった巨大戦艦の処理、巨大戦艦の能力値強化・破壊耐性の付与と、非常に強力な効果が目白押しです。

これがあれば戦える!

そう確信できるほどのパワーカードです。

このカードの存在によって、もはやペンデュラム召喚を行う必要性もなくなりました。

ペンデュラム召喚は確かに便利でしたが、必要なカードの多さや、ルール改正による魔法・罠ゾーンの圧迫など、問題が全くないわけではありませんでした。

「巨大戦艦 ビッグ・コアMK-ⅠⅠⅠ」

登場パック:第9期第12弾、MAXIMUS CRISIS (マキシマム・クライシス)

発売日:2017年1月14日

光属性/レベル8/機械族/効果モンスター

攻撃力:2700/守備力:1900

①相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から守備表示で特殊召喚できる。

②召喚・特殊召喚成功時、カウンターを自身に3つ置く。

③戦闘によっては破壊されない。

④戦闘後、カウンターを1つ取り除く。カウンターがない状態で戦闘した場合、このカードを破壊する。

⑤墓地のこのカードを除外して墓地の「巨大戦艦」モンスターを全てデッキに戻す。

「巨大要塞ゼロス」のみでも十分な強化を受けた「巨大戦艦」でしたが、ダメ押しと言わんばかりに新モンスターが追加されました。

召喚・特殊召喚の両方でカウンターが置かれる最上級巨大戦艦です。

この効果を10年以上待っていました。

さらに守備表示とはいえ、手札の自身を条件付きで特殊召喚する効果まで内蔵されています。

「巨大要塞ゼロス」がない時でも場を繋げることができ、攻撃力も2700と十分な能力を持っています。

しかも、墓地のこのカードを除外することで、墓地の「巨大戦艦」をデッキに戻すことができるのですから、まさに「いたせりつくせり」です。

【2017年~2019年】真・巨大戦艦デッキについて

とにかく「巨大要塞ゼロス」を手札に加えればかなり安泰です。

逆に「巨大要塞ゼロス」頼りのデッキなので、無ければかなり厳しいです。

このデッキでは、フィールド魔法カードサーチカードの重要性が非常に高いと言えます。

デッキの基本的な動かし方(真・巨大戦艦)

まず、なにより「巨大要塞ゼロス」をサーチします。

テラ・フォーミング

通常魔法

デッキからフィールド魔法カードを手札に加える。

フィールド魔法サーチカードの定番です。

制限カードに指定されているので、可能であれば他のカードでも「巨大要塞ゼロス」をサーチしたいところです。

メタバース

通常罠

デッキからフィールド魔法カードを手札に加えるか、発動する。

コチラも定番のフィールド魔法サーチカードです。

罠カードなので「テラ・フォーミング」に比べてスピード感には劣ってしまいます。

罠カードゆえに相手ターンに発動し、巨大戦艦モンスターの攻守を変化させて、コンバットトリックを狙ってみるのも面白いですね。

惑星探査車

地属性/レベル4/機械族/効果モンスター

攻撃力:1000/守備力:1000

このカードをリリースすることでデッキからフィールド魔法カードを手札に加える。

このデッキでは、そこまで召喚権を使うことが無いので、気軽に使っていけます。

しかし、このカードで「巨大要塞ゼロス」をサーチして発動しても手札に加えた「ボスラッシュ」が発動できない点には注意しましょう。

「巨大要塞ゼロス」の効果で手札の巨大戦艦を召喚しつつ、ボスラッシュを場に複数展開します。

特殊召喚でカウンターを乗せることができない巨大戦艦を適度にデッキから特殊召喚し、自壊させつつ巨大戦艦を増やしていきます。

という流れになります。

動き自体はかなり単純になりましたが、デッキの安定性・戦闘力は見違えるように向上しました。

悪く言えば、新しいパワーカードで古いカード達を無理やり動かしているので、巨大要塞ゼロスを無効化されたりするとあっという間に瓦解します。

【2019年4月】ダメ押しの追加モンスター収録

流石にもうしばらく新規カードは来ない…誰もがそう思っていた中、またも彗星のように現れました。

やはり「巨大戦艦」は KONAMI の寵愛を受けるカテゴリなのでしょうか!?

「巨大戦艦 ブラスターキャノン・コア」

登場パック:第10期第9弾、RISING RAMPAGE (ライジング・ランペイジ)

発売日:2019年4月13日

地属性/レベル9/機械族/効果モンスター

攻撃力:2500/守備力:3000

①相手フィールドのモンスターが自分フィールドのモンスターより多い場合、手札から特殊召喚できる。

②召喚・特殊召喚成功時、カウンターを自身に3つ置く。

③戦闘によっては破壊されない。

④戦闘後、カウンターを1つ取り除く。カウンターがない状態で戦闘した場合、このカードを破壊する。

「巨大戦艦 ビッグ・コアMK-ⅠⅠⅠ」よりもさらに緩い特殊召喚条件を引っ提げてやってきた最上級巨大戦艦モンスターです。

能力モリモリだった「巨大戦艦 ビッグ・コアMK-ⅠⅠⅠ」に比べると効果は控えめです。

純粋に使いやすいので、どんどんデッキに投入していきたいカードです。

守備力が3000とこれまでの巨大戦艦モンスターの中では最高の数値をマークしています。

さいごに

登場から約18年が経過し、初期に比べると格段にデッキとしての戦闘能力が上がりました。

遊戯王古参プレイヤーとしては、このような昔からあるテーマが強化されるのは、感慨深いものがあります。

特に巨大戦艦はデッキとしての弱さが際立っており、モンスターの収録レア度が全てスーパーレア以上だったので、記憶に残っています。

巨大戦艦デッキを組む利点は「デッキが光っているカードだらけになることでゴージャス感があること」と言われていた時代もありました。

巨大戦艦モンスターはいわゆるハズレアと呼ばれ、長年カードショップのストレージに格安カードとして積まれていました。

遊戯王マスターデュエルでも各カードが実装されていて、デッキを組むことができます。

新規テーマのカードに注目が集まりがちですが、たまには既存テーマについて思いを馳せてみるのもいいかもしれません。

現代巨大戦艦デッキについての詳細はコチラから!

【遊戯王マスターデュエル】巨大な戦艦で敵を制圧!巨大戦艦デッキでデュエル!