【遊戯王マスターデュエル】禁止カードたちから見るOCGバックストーリー

遊戯王のカードにはストーリーが存在する?

遊戯王 OCG のカードに、実はストーリーが存在することを知っていますか?

多くのカードゲームには、世界観を味わってもらうためだけの文章としてフレーバーテキストというものがあります。

遊戯王 OCG にもこのフレーバーテキストはあるのですが、通常モンスターにしか書かれていないのが現状です

なので「遊戯王はカードゲームの世界観が分からないから没入できなというデュエリストもいるかもしれません。

しかし、カードイラストを考察することでストーリーが分かるものがいくつも存在するのです

今回は一体のモンスターを例にして、遊戯王歴20年の筆者が禁止カードたちのバックストーリーを解説していきます。

  1. クリッターと一緒にバックストーリーを解説!
  2. 禁止された往年のカード達が登場!
  3. 遊戯王の面白さは勝敗だけじゃない!

この記事は3分で読み終わりますので、最後まで読んでいってくださいね!

「クリッター」と見る禁止カードたちのバックストーリー

クリッターといえば、多くのカードをデッキからサーチできる優秀なモンスターですね。

その効果が強すぎたがために、かつては禁止カードにもなっていた一枚です。

実は、このクリッターにはかなり面白いストーリーが展開されていたのを知っていますか?

今から紹介するストーリーを知れば、より深く遊戯王を楽しめるはずですよ!

「魔界発現世行きバス」

まずは効果モンスター「魔界発現世行きバス」のイラストを見てみましょう。

手前のデスガイドにばかり目が行ってしまいますが、じつはバスの中にクリッターがいます

ガイドのいるバスに乗っているわけですから、魔界を観光していることが分かりますね。

その証拠に、デスガイドが案内している後ろの塔は「精気を吸う骨の塔」です。

魔界で有名な観光名所をこうして楽しく見て回っているのが想像できます。

ちなみにクリッターは三眼鏡(双眼鏡)を使ってこの観光を満喫しているのですが、マスターデュエルでメイトに選んだ際にもこの三眼鏡を使用しているモーションがあります

「手違い」

次に紹介するのは永続罠「手違い」のカード。

笑顔のクリッターがバスに乗り込んでいます。

しかし、なにやら後ろの方ではバスを追いかけているモンスターも

実はこれ、クリッターが乗るバスを間違えている所を描いています

ちなみに「手違い」は、デッキからカードのサーチを封じるため、クリッターのメタカードして機能するのも面白いですね。

「魔界発冥界行きバス」

クリッターが乗り込んだバスは「魔界発冥界行きバス」でした。

車内は怖い雰囲気に包まれており、クリッターもかなり焦っています。

イラストにはクリッター以外に、「デビル・フランケン」「八汰烏」「魔導サイエンティスト」「レスキューキャット」「同族感染ウィルス」が描かれています。

実はこのカードたちはいずれも禁止カード」もしくは「禁止カードだった」という共通点があり、カード名にある冥界とは禁止カードたちが送られる世界のようです

デュエリストたちも、禁止入りしたカードを「牢屋行き」、禁止カードからの復帰を「出所」と言ったりすることも関係しているかもしれません。

現実の制限改訂をネタにした秀逸な一枚と言えるでしょう。

「相乗り」

冥界行きバスから降りたクリッターは、車に乗った二人組のモンスターに拾ってもらいます。

彼らは現世に行くのだと聞き、クリッターも相乗りさせてもらうことに。

これでようやく帰れると安堵するクリッターでしたが……。

イラストには優しそうな天使と運転手の悪魔が描かれています。

歴戦のデュエリストならすぐに「天使の施し」の天使と「いたずら好きな双子悪魔」の片方だと分かるでしょう

どちらも禁止カードとなって15年以上が経過する屈指の極悪カードであり、冥界から脱獄を企んでいるところにクリッターが出くわしてしまったのです。

「捕違い」

そんな計画が許されるはずもなく、天使も悪魔も冥界の警察に捕まってしまいます

クリッターも巻き添えを食う形でお縄となり、踏んだり蹴ったりの状況に。

ちなみにこのイラストには、車のトランクから「強欲な壺」が発見されているのも分かります

冥界からの脱獄のみならず、禁止カードからの緩和は絶対に無いと言われている「強欲な壺」を持ち出している時点で情状酌量の余地はなさそうです。

「濡れ衣」

「捕違い」によって牢に入れられたクリッターは無実の罪を涙ながらに看守に訴えかけています。

しかし、そんな彼の言い分を聞く様子もない看守。

慌てふためくクリッターとは対照的に、後ろには落ち着いた様子の女性も描かれています

実は彼女は「黒き森のウィッチ」で、かつてはクリッターと一緒に暴れまわったという過去があり、それをネタにしているのでしょうか?

ちなみに、ここまで紹介したストーリーは現実世界での2013年3月の出来事をあらわしています

クリッターは2005年に一度禁止から解放され、8年ぶりに再度禁止となったのがネタにされているのですね

そんなクリッターですが、2016年になってエラッタされてようやく制限緩和されました。

後ろの「黒き森のウィッチ」が落ち着いているのは、クリッターと違って解放されたことがないからと言われています。このイラスト時点で禁止されて9年、制限復帰までには実に13年の時を要することとなります

OCG では「八汰烏」が18年ぶりに復帰!

このように、クリッター1枚からでも沢山のストーリーが展開されていることが分かりました。

今回クリッターを例に紹介したのにはちょっとした理由があります

先日、遊戯王 OCG で2022年10月から適応されるリミットレギュレーションが発表された際に、「八汰烏」の制限緩和が話題になったからです。

「八汰烏」が制限復帰するのは実に18年ぶりで、多くのデュエリストが衝撃を受けました。

マスターデュエルのリミットレギュレーションは現実の OCG とは違いますが、 TCG でも制限緩和されたことを考えると今後マスターデュエルに「八汰烏」が復帰することは十分に予想できます

禁止カードのその後というのは、バックストーリーを知ろうと思わなければ理解するのは難しいものです。

特に今回のような驚きのある制限改訂があった場合は、こういった部分を知っているかで楽しさや面白さも変わってくると思うので、禁止カードのストーリーを紹介してみました。

「八汰烏の骸」

絶対に制限復帰はないと言われていた「八汰烏」ですが、これは発売元の KONAMI も考えていたようで「八汰烏」が禁止された後に「八汰烏の骸」というカードを作っています。

その名のとおり、これから先「八汰烏」が帰って来ることはないという暗示と、反省を込めて作った一枚とも言われています

相手のドローを封じる「八汰烏」の凶悪なロックを、「八汰烏の骸」があれば脱出できるというデザインも面白いですね。

まとめ

クリッターを例に禁止カードたちのバックストーリーを紹介してきました。

その発端は「八汰烏」の制限復帰というニュースからでしたが、より深く遊戯王を楽しんでもらいたいという気持ちが大きかったからです。

勝利だけをリスペクトするのも遊戯王の面白さですが、勝敗だけを気にしていてはどうしても長続きしません

私自身、子供の頃から遊戯王を楽しんでいますが、これだけ続けてこれたのは「遊戯王を色んな面から楽しめたから」だと考えています。

遊戯王 OCG のバックストーリーは今回紹介したようなネタ寄りのものから、シリアス、ホラーなど多種多様に展開されていて、特に現在11期のメインストーリーは「アルバスの落胤」と「白の聖女エクレシア」を中心に過去最高潮の盛り上がりを見せています

この記事で少しでも遊戯王 OCG のバックストーリーに興味を持ってもらい、「他のストーリーも知りたい!」と思っていただけたのなら嬉しいです!