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「召喚師ライズベルト」を解説!
この記事では遊戯王 OCG のモンスターカード「召喚師ライズベルト」のストーリーを解説していきます。
何も知らなければ可愛いイラストにしか見えないライズベルトですが、彼の物語を順に追っていくと、遊戯王 OCG の中でも屈指の鬱ストーリーが展開されていることがわかります。
- 召喚師ライズベルトのストーリーが分かる!
- ストーリー以外の部分にも怖さがある
- 遊戯王がもっと面白くなる!
この記事は約5分で読み終わるので、最後まで読んでいってくださいね!
「召喚師ライズベルト」の概要
ペンデュラム・通常モンスター 星3/風属性/サイキック族/攻 800/守 800 【Pスケール:青2/赤2】 (1):1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター 1体を対象として発動できる。 そのモンスターのレベルを1つ上げる。 【モンスター情報】 妹セームベルをとても大事に想っている、心優しき兄ライズベルト。 昼下がりの午後に妹と一緒に魔術書を読む時間は毎日の日課になっており、 そんな二人の仲睦まじい様子に周囲の人々は自然と心が癒されてしまう。
ライズベルトはサイキック族のP(ペンデュラム)モンスターで、サイキック族としては初の通常モンスターです。
そのため、フレーバーテキストが書かれています。
フレーバーテキストにある「セームベル」とは彼の隣に座る女の子のことで、ライズベルトの妹だということが分かります。
セームベルもモンスターカードとして存在していますが、登場時期は「召喚師ライズベルト」よりもはやい2011年です(ライズベルトは2015年登場)。
見た目(イラスト)の変化
ライズベルトは複数のモンスターカードで登場しており、名前や見た目がそれぞれ変化していきます。
時系列的には「召喚師ライズベルト」→「調星師ライズベルト」→「覚醒師ライズベルト」といった流れ(登場順は異なります)。
他に魔法・罠カードでも彼が描かれているものがあり、それらのイラスト変化によってライズベルトの物語を知ることができます。
ストーリーについて
「召喚師ライズベルト」の一連のストーリーは、遊戯王 OCG で展開されている他のストーリーと比べてもかなり闇が深く、屈指の鬱ストーリーとして知られています。
ライズベルト含め登場するキャラが全員かわいいのに対し、展開はかなりハードです。
さらに、ストーリー以外で「とあること」に気付くとさらに怖さが増すものとなっています。
「召喚師ライズベルト」のストーリー考察
ここからはライズベルトのストーリーを時系列に沿って解説していきます。
あくまで「考察」であり、非公式である点は注意してください。
召喚師の兄妹:ライズベルトとセームベル
ライズベルトとセームベルはとても仲の良い召喚師の兄妹です。
イラストではライズベルトがセームベルに召喚魔法を実践してみせ、セームベルもそれを楽しそうに眺めています。
ここで召喚されている「はにわ」は、「召喚師セームベル」のイラストでも確認できます。
注目してもらいたいのが後ろの草むら。
不気味な笑みを浮かべる黒猫と、草むらに隠れた何者かがライズベルトとセームベルを見つめています。
純粋か邪悪か「ヒュプノシスター」
ライズベルトとセームベルの後ろにいたのは「ヒュプノシスター」でした。
彼女は、ライズベルトに対して「本当のお兄ちゃんになってほしい」「セームベルが羨ましい」という感情を抱いており、そしてそれはかなり歪んだものでした。
名前の由来は「ヒュプノシス(Hypnosis:催眠)」と「シスター(Sister)」からだと考えられ、彼女の能力とも関係があります。
イラストは可愛らしい女の子そのものですが、背後には無数に蠢く黒い手が見えたり、ヒュプノシスター自身の眼も虚ろだったりと不気味さと不穏さを感じさせます。
また、ヒュプノシスターの隣には使い魔の黒猫がいますが、ライズベルトが召喚していたモンスターとは少し雰囲気が違うようです。
ライズベルトに迫る魔の手:「揺れる眼差し」
ヒュプノシスターの欲望は「ライズベルトへの催眠」という形で爆発しました。
催眠術で使われる振り子のように、ライズベルトの周囲には眼のようなマークがいくつも浮かんでいてライズベルト自身もとても苦しそうな表情を見せています。
対してヒュプノシスターは妖しげな笑みを浮かべ、彼の背後に抱きついています。
よく見ると、黒いベールの向こう側にはセームベルが見え、ライズベルトを探しているようです。
仲の良い兄妹の関係が断ち切られた瞬間が描かれており、ライズベルトの運命はここから狂いだします。
闇堕ちした姿?:「調星師ライズベルト」
ヒュプノシスターの催眠によって闇堕ちしたライズベルトともいえる姿。
元のライズベルトとは雰囲気も大きく変わっており、犬のような使い魔やセームベルに見せていた「はにわ」も禍々しく変化しています。
おそらくは「揺れる眼差し」のイラスト後を描いた姿で、見た目と名前以外の「攻撃力・守備力・属性・種族」といった点は全て「召喚師ライズベルト」と同じです。
時系列的には「召喚師ライズベルト」→「調星師ライズベルト」ですが、登場したのは「調星師ライズベルト」が先になっています。
兄と妹の「揺るがぬ絆」
しかし、催眠がかけられたあともライズベルトとセームベル、兄と妹の絆の強さは変わりませんでした。
ライズベルトの首飾りと、背後に見えるセームベルの首飾りが呼応しあうように光っています。
兄妹の絆でこの空間から脱出しようとするライズベルトと、計画が失敗し悔しそうな表情を浮かべるヒュプノシスター。
カード名の「揺るがぬ絆」からもそう考えるのが妥当ですが、見方によっては「ライズベルトがヒュプノシスターを守っている」ようにも見え、捉え方は人によって異なるでしょう。
悪夢に囚われ続けるライズベルト:「醒めない悪夢」
しかし、ライズベルトが解放されることはありませんでした。
ヒュプノシスターはさらに強い催眠をライズベルトにかけ、それによって彼の精神は限界にまで達してしまいました。
「ただ、仲良くしたかっただけなのに」
ヒュプノシスターの行動は確かに歪んでいましたが、彼女の想い自体は純粋なものだったのです。
己の行いを後悔し、ヒュプノシスターは懸命にライズベルトへ呼びかけます。
一縷の望みであるセームベルに繋がるためか、ライズベルトの首飾りを握っていることも確認できます。
「結果はどうあれ、ライズベルトは自分だけの物となったのに、どうして悲しそうな表情をしているんだ?」
ヒュプノシスターの隣、使い魔の黒猫は不服そうな顔で2人を見つめていました。
悪夢は続く:「覚醒師ライズベルト」
ヒュプノシスターの懸命の呼びかけに目を覚ましたライズベルト……とはいえない姿。
雰囲気は「調星師ライズベルト」よりも禍々しくなっており、攻守のステータスも上昇しています。
これまで姿を確認できていた「はにわ」も大きく変わって、ライズベルト自身も使い魔の犬と融合したような姿に。
姿・見た目・表情・雰囲気、あらゆる要素で「召喚師ライズベルト」の頃の面影を感じさせません。
「醒めない悪夢」は、この姿に変貌する前段階にも見えますので、悪夢はまだ醒めていないとも受け取れます。
後悔し、懺悔しながらライズベルトに呼びかけていたヒュプノシスターのことを考えても、彼女の力がライズベルトをここまで変化させたとも考えにくいです。
それでは、いったい誰が……?
黒幕「トランスファミリア」
黒幕はヒュプノシスターの使い魔「トランスファミリア」でした。
ヒュプノシスターのライズベルトへの態度を見て見限ったのか、それとも初めから彼女を利用していたのか、背後には拘束されたヒュプノシスターのシルエットのみが確認できます。
さらに、ヒュプノシスターの額にあった赤い目のようなマークも首のベルに移っています。
名前の由来は「トランス(trance:恍惚・夢中)」「ファミリア(Familiar spirit:使い魔)」を組み合わせたものでしょう。
使い魔ではなかった?
「トランスファミリア」は元からヒュプノシスターの使い魔ではなかった可能性があります。
使い魔であれば、主であるヒュプノシスターは制御できているはずなのに、トランスファミリアに拘束されてしまっています。
さらにカードイラストを確認していくと、ライズベルトに催眠をかけている時、ヒュプノシスターの側にトランスファミリアはいません。
また、催眠を使う際、ヒュプノシスターの額にある目は赤く光っています。
この目がトランスファミリアのベルに移っていることからも、催眠はトランスファミリア自身の力であり、この力を使う時はヒュプノシスターに憑依していたと考えることができるのです。
意味が分かると怖い?
ライズベルトのストーリーは登場するキャラが全員かわいらしいデザインでありながら、ストーリー展開はとてもハードであることが分かったと思います。
しかし、多くの人が考察するなかで、どうしても腑に落ちない部分があるのです。
ストーリーには関係ないので、無視しても大丈夫なのですが、この点を理解しておくと想像以上に怖い話が浮かび上がってきます。
「本当の妹はヒュプノシスター」説
それが「本当の妹はヒュプノシスター」説です。
ストーリーの中ではライズベルトに催眠を施していましたが、その理由は「自分だけのお兄ちゃんになってほしかった」というセームベルへの嫉妬なども含む歪んだものでした(あくまでも考察ですが)。
これがなぜライズベルトの本当の妹=ヒュプノシスターとなるのか?
根拠は、以下の1点になります。
・ライズベルトとヒュプノシスターは種族が同じ
ライズベルトとヒュプノシスターはどちらも風属性のサイキック族です。
対して妹のセームベルは、風属性の魔法使い族となっています。
噛み合わない効果
また、ライズベルトの効果とセームベルの効果はシナジーが無くかみ合いません。
セームベルの効果ではレベルが異なることからライズベルトを特殊召喚できませんし、ライズベルトのPスケールからはレベル3のセームベルをペンデュラム召喚することができません。
反対に、ヒュプノシスターであればライズベルトの効果と噛み合う上に追加効果も得られます。
ステータスは重要な考察要素
「ライズベルトとセームベルは登場時期が違っているし、種族や効果のみでこのような考察をしても説得力がない」
そう思われる人もいるかもしれませんが、攻守の値や種族といった「ステータス」は遊戯王 OCG においては重要な考察要素となります。
例を挙げると、11期メインストーリーの主人公「アルバスの落胤」と、アルバスと関わりが深いと思われる「デスピアの導化アルベル」は種族以外のステータスが全て一致しています。
他にも、「バスター・ブレイダー」のストーリーに登場する「破壊剣士の伴竜」は光属性なのに対し、成長した姿の「破壊剣-ドラゴンバスターブレード」は闇属性に変わっていて物語の結末を想像できるものとなっています。
これらのことから、ライズベルトとヒュプノシスターは実は兄妹で、何か事情があってそれを忘れている可能性がある……そう考察することもできるのです。
ライズベルトストーリー|Q&A
まだまだ謎の多いライズベルトのストーリー。
ここでは、考察部分で解説しきれなかった疑問を Q&A 形式でまとめています。
バッドエンドなの?
ライズベルトのストーリーはまだ完結していないため、バッドエンドかどうかは断言できません。
しかし、そうなる可能性は高いと思われます。
その一番の理由が「悪醒師ナイトメルト」の存在です。
名前の関係性や見た目と効果から、ライズベルト本人であると考えられますが、もはや「ライズベルトの成れの果て」とも言え、これが彼の最新の姿(2022年4月登場)となります。
さらに遊戯王 OCG のストーリーは、グッドエンディングを迎えるもののほうが少なく、ライズベルトのストーリーも例外ではありません。
後述するカードの存在からグッドエンディングとなる可能性は捨てきれませんが、想像以上のバッドエンドが待ち構えている可能性もあります。
セームベルは妹ではない?
「召喚師セームベル」はライズベルトの妹でありながら、ストーリーにはほとんど関わってきません。
また、上述したように「妹ではない可能性」もありました。
しかし、2021年に「絆醒師セームベル」が登場したことでこの考察は覆されます。
「絆醒師セームベル」はPモンスターになっておりライズベルトともシナジーが見込めるため、妹であることは確定したといえるでしょう(ただし種族は魔法使い族のまま)。
名前からも「絆の力でライズベルトを呼び醒ませる」存在と考えられるので、かなり重要なキャラになったといえます。
さらに、攻守のステータスが「ヒュプノシスター」と反対になっているのも意味深です。
まとめ|ライズベルトの運命は……
以上でライズベルトのストーリー解説を終わります。
現在も新たな関連カードが登場しているので、ストーリーは完結したとはいえません。
バッドエンドの様相が強くなっていますが、さまざまな分岐をした世界のライズベルトの姿ということも考えられます。
もしくは、彼が囚われている悪夢そのものということも……。
「絆醒師セームベル」によって物語が良い方向に進むことを祈るばかりです。
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