【乙女ゲーム】今から始める「オランピアソワレ」【新規IP探訪】

はじめに

数ある女性向けジャンルの中の1つ、女性向け恋愛シミュレーションゲーム(以下乙女ゲーム)

任天堂の公式サイトに「Switch乙女」という専用ページがあるほど、Switchを支える一大ジャンルです。

Switchで新規IPとなる作品も多く発売されており、今回は2020年4月16日発売の「オランピアソワレ」をご紹介します。

  1. 血筋を守るため、結婚を迫られる主人公と花婿候補達
  2. 華やかな美術と裏腹に厳しい階級社会
  3. 日本神話モチーフの世界観

※攻略記事を読みたい方はこちら

「オランピアソワレ」完全攻略・スチル集め

この記事は3分で読めるので最後まで読んでいってくださいね!

プロローグ:世界の運命がかかった花婿探し!

主人公は、天供島でたった1人、『白』(はく)の血を引く少女。

天供島では『白』の血を引く巫女が太陽神アマテラスに祈りを捧げることで、太陽の輝きの恩恵を受けてきた。

主人公は巫女として『白』の役目を果たしていたが、このままでは『白』の血は途絶え、天供島から太陽の輝きが失われてしまう。

主人公が18歳の誕生日、天供島の中立組織「コトワリ」は、次代の『白』を産むために主人公に結婚相手を探すように命じたのであった……。

舞台は色鮮やかで残酷な島、天供島

「色層」という階級社会

四方を海で囲まれた天供島で、物語は展開します。

天供島の住民は、生まれながらに『色』(しき)が決まっており、それによる身分制度を「色層」(しきそう)と呼びます。

原色と呼ばれる『赤』(せき)『青』(せい)『黄』(おう)が最も高い身分。

独色と呼ばれる『橙』(とう)『紫』(し)『緑』(りょく)などの中間色が原色に次ぐ身分。

その次は有色(ゆうしき)と呼ばれ、茶などの色の人達。

そして、無色(むじ)と化色(あだしき)と呼ばれる『黒』(こく)に属する者は身分が低く、日の当たらない地下街「黄泉」で暮らしています。

黄泉は治安が悪く、高い色層の者が横暴をふるったり、捨て子も多く暮らすスラム街のような状態になっています。

色層を守るために、結婚には厳しい制限があり、無色と『黒』の者は独色以上の身分の者とは結婚できません。

「交配」による複雑な遺伝法則

身分制度がある世界観では結婚や出産が価値の1つになります。

世継ぎの男子が望まれるとか、女性は身分の高い男性と結婚することが幸せである、などの価値観ですね。

しかし、オラソワの世界はこの生まれてくる子供に特殊な法則があり、それがこの作品を特徴づけています。

その法則とは色層にまつわるもので、「子は必ずしも親と同じ身分にならない」というものです。

作中でも解説されますが、『青』と『黄』の親から産まれる子供は、『青』『黄』『緑』『その他(茶系統)』の4通りがあります。

つまり、「親が最上位の身分でも子は平民」という状況が発生するんです!

そのため、人生のゴールは身分の高い伴侶を得ることでなく、身分の高い子供を産んでもらう or 産むことなので、よりシビア。

きょうだいで身分が違うということもあり得ます。

この複雑な血筋の法則と、身分制度に縛られた社会が物語に深みを与えています。

主人公と花婿候補たち

※以下、声優名敬称略

主人公(オランピア)

天供島にたった1人の『白』(はく)の少女で、舞を捧げることで太陽を輝かせる力があります。

つまり、彼女の舞がなければ島に日が射さず、世界は闇に包まれてしまいます。

世界のためにも彼女の代で『白』を途絶えさせるわけにはいかないので、婚姻を結んで子を産むことを望まれますが、本人はある理由から引きこもり同然の生活を続けていたため、男性とまともに話したこともありません。

それでも、自分の使命を理解しており、前に進もうとする強さを持っています。

オランピアというのは島民から呼ばれている名であり、本名がありますがその名で呼ぶ者はいません。

筆者が彼女に好感を持ったポイントは、「最初から特別な立場にあることと、引きこもりの生活をしていたのに受け身でいないこと」です。

設定として、いわゆる守られヒロインになることもできると思いますが、彼女は「自分にできることをしよう」と考える行動派です。

朱砂(あかざ)CV:松岡禎丞

中立組織コトワリの若き所長で、常に冷静な判断ができる人。

立場上、『白』の血を絶やさないためにと主人公に結婚して出産することを命じ、「もし相手が見つからないようならば責任者として夫となる」と発言したことで主人公からは初対面で反感を買ってしまいます。

最初は冷たい印象を受けるかもしれませんが、同時に主人公に力を貸してくれる頼れる人でもあります。

彼以外のルートでは仕事人間の側面しか見ることができませんが、彼のルートでは主人公をどれだけ想ってくれているのかがわかるので、印象が一変するかも。

ただし、彼は攻略制限があり、他の攻略対象を全てクリアしなければルートに入れません。

玄葉(くろば)CV:杉田智和

コトワリの副所長で、医学研究に精を出す医師。

黄泉出身の『黒』と身分としては最下層ですが、コトワリは色層に縛られない組織であるため、副所長という地位にいます。

空気を読む力に長け、場を和ませたり喧嘩の仲裁をしたりと年長者らしい行動ができる大人ですが、主人公に対してはピュアな反応が面白くて、ついからかってしまうような子供っぽい面も。

彼のルートでは、彼の研究に関することと黄泉のことが中心になります。

筆者はこの公式情報で「身分に関係ない組織とはいえ、最下層の身分で副所長で医者……?どんな裏があるんだ……」と考えていましたが、実際はどうなのかぜひプレイして確かめてみてください。

璃空(りくう)CV:島崎信長

黄泉警備隊に所属する軍人で、地上と地下の黄泉の境にある鳥居の警備や黄泉の巡回が主な仕事。

次期『青』(せい)の長であるため、その立場にふさわしい人物になろうと日々精進している努力家。

天供島の価値観にならい、結婚相手の基準も、よい『青』の血統を継いだ子を産めそうかというところにあるため、『白』の子しか産めないとされる主人公は対象外と考えています。

最初は恋愛対象外だけど、話しているうちに……という展開は鉄板ですが、そこに障害があるのもお約束。

彼は真面目な人物なので、立場や価値観に囚われてしまうこともあります。

天供島の常識から外れた存在である主人公は、彼を縛るものから解き放つことができるのでしょうか?

天草四郎時貞(あまくさしろうときさだ)CV:上村祐翔

天供島の外から波に流されてやってきた「マレビト」の少年で、『緑』の身分を与えられて生活しています。

マレビトは他にもいるのですが、皆、天供島で様々な成果を上げている偉大な人物であり、彼らのように何か意味があって天供島にやってきたのではないかと考え、その役目を全うしたいと考えています。

人懐こい性格で主人公ともすぐ友達になりますが、実は島の外にいた頃の記憶があり、自分に負い目を抱えていることが見えてきます。

他のルートでは明るい少年らしさしか見られない彼ですが、花婿という大役のために成長する姿が描かれる、年下キャラの王道を行くルートといったところでしょうか。

縁(よすが)CV:内田雄馬

黄泉で一番大きな湯屋の主人で、立場の弱い黄泉の住人達からいろいろと頼られる存在。

主人公には初対面で恋占いを進めてきたり、湯屋ということでお風呂を勧める際に少しからかったりと、「女たらしの色男」枠……かと思いきや、主人公のことを特別な女性だと思っている様子。

個人的には「主人公に優しいけれど、黄泉という治安の悪い街で一目置かれているということは、何か裏があるんだろうな」と警戒心強めでルートを進めていました。

また「黄泉にいるはずのない身分である」ということが世界観から推測することができますが、もちろん理由があります。

このように、最初から謎が多いのでルートを進めて真相が明かされるのが楽しいルートだと思います。

ヒムカ CV:堀江瞬

「弔い屋」という死者を送り出すことを生業としていますが、その仕事内容から島民からは気味悪がられています。

本人も他者と交流することを避けているようですが、主人公のことは気になっている様子。

彼は攻略制限があり、玄葉、璃空、時貞、縁の4人をクリアした後に攻略できます。

攻略制限があるので詳しくお話できませんが、時貞が成長するキャラクターならば、ヒムカは「変化する」キャラクターだと思います。

成長は力を得て喜べるものだと思いますが、変化は必ずしも良いことの意味ではありませんよね、とまでしか書けないので、ぜひプレイして見届けてほしいルートです。

楽曲情報

オープニングテーマ「たとえともに」 歌:ENA

エンディングテーマ「誰よりも」 歌:ENA

どちらも「厳かな」という言葉がぴったりな、静かだけど強さを感じるメロディーと歌声の曲です。

世界の運命を担うという、壮大な主人公に合う楽曲だと感じています。

もう一つの神話

キャッチコピーは「これは、辿り着いていたかもしれない、もう一つの神話の物語」

主人公が信仰しているアマテラスを始め、日本神話に関する単語が多く出てきます。

また、主人公が長い間、引きこもり同然の生活をしていたという点は、岩戸に隠れた天照大神を思い起こさせるので、各所に日本神話のモチーフも出てきます。

鮮やかな色彩と神話を取り入れた、美しくて壮大な物語です。

ぜひ、天供島を訪れてみてはいかがでしょうか。