『APE OUT』プレイングレビュー! オレ、ゴリラ、ツヨイ。

野生に目覚めるゴリラゲーム『APE OUT』でゴリラになれ!

誰でも身に覚えのあることだと思いますが、ニンゲンを辞めたくなる瞬間ってありませんか?

ニンゲン関係で苦労したり、社会の荒波に揉まれたり、イライラしてしまったり……

そんなニンゲン社会に疲れたそこのアナタ!

「ゴリラになる」という選択。いいと思います。

つかむ、のぼる、たべる、ほえる。ゴリラの生き方はとてもシンプルで裏がありません。

そして実は繊細な感情を持った生き物であり、力の強さもニンゲンとは桁違いです。

今回は『APE OUT』という、ゴリラになれるアクションゲームを紹介します。

ゴリラを操作するアクション感覚から創られた高いゲーム性と、感情を揺さぶるジャズ調の音楽とアートで彩られた世界観。

そして、筆者が大好きなアーケードゲームジャンルに通じる、シンプルで力強い面白さが味わえるインディーゲームです。

  1. 「つかむ」「突進」の2つのアクションで、動物実験場から逃げ出せ!
  2. ゴリ押しは死を招く。すばやい機転で窮地を切り抜けろ!
  3. アクションと音楽とのハイレベルな融合。没入感を高めるシンプルなアートワーク。

この記事は約3分で読み終わりますので、どうぞ最後までお楽しみください。

地球には2種類の生物しかいない。ゴリラか、ゴリラ以外か。

このゲームは全4面のアクションゲームで、ステージ1の舞台は研究所です。

スタートすると、1匹のゴリラが小さな檻の中に閉じ込められています。

その両隣には「失敗作」と思われるゴリラが、檻の中で無惨な姿に……。

RTトリガーを押して、檻を突き破りましょう!

シンバルの音とともに、名も無きゴリラ「SUBJECT 4」の脱出劇が始まる!

APE OUT !!

ゴリラ is シンプル。つかんで、なぐる。

このゲームの主なアクションは2つだけ。

スティックでゴリラを操作します。走り方はまさにゴリラ。

RTトリガーで前に飛びかかり、ニンゲンを殴り飛ばします。

LTトリガーを押すと、いろいろなものをつかむことができます。

押しっぱなしで、つかんだ状態で移動も可能です。

LTを離しつつRTトリガーを使うことで、つかんだものを投げることもできます。

たったこれだけ。

ゴリラ is シンプル!

ゴリラ is バイオレンス!

ゴリラに突き飛ばされたニンゲンは、グチャグチャになってしまいます。

ニンゲン、モロイ、ゴリラ、ツヨイ!

地面には、絵の具をぶちまけたかのような血が、グチャっと広がります。

腕や胴体が残っていたら、つかんで、別のニンゲンに投げてみるのもいいでしょう。

倒すたびにニンゲンの血がグチャッと広がるさまは。まるで現代アート。

リアルタイムで描かれるアクションペインティング!

そして音楽は、コンガやシンバルが激しく打ち鳴らされます。

音楽と効果音が渾然一体となる様は、ジャズの即興演奏のようです。

野性味あふれる音と色彩の表現で、きっと貴方もゴリラになれることでしょう。

ゴリラ is バイオレンス!

ゴリ押しはダメ! ゴリラ、カシコイ。

ゴリラはツヨイ! しかし、ニンゲンもそこそこやるようです。

ニンゲンたちは、銃やショットガンで応戦してきます。

いくらゴリラといえど、銃を持ったニンゲンに囲まれればさすがに勝てません。

ゴリラのライフは3つ。3回撃たれれば死んでしまい、やりなおしです。

爆発物は一撃でやられてしまうので気をつけろ!

ニンゲンを盾にして銃を防げ!

ニンゲンは出会い頭にすぐ発砲はしてこず、リロード時間があります。

このリロード中にすばやく近づき、つかんでみましょう。

つかんだニンゲンは銃弾から身を守る盾になります。

つかまれたニンゲンはパニックに陥って銃を乱射してくれるので、これで他のニンゲンを倒すこともできます。

基本テクニックなので、なるべく早くマスターしましょう。

目に入ったニンゲンをただ殴り殺しているだけでは、なかなか先に進むことはできませんよ。

壁や障害物を利用しよう!

銃を持った相手なので、広々としたところに出てしまうと危険! ほぼ確実に撃たれてしまいます。

ニンゲンに見つからないように、ときには身を隠しつつ進むのも立派な戦略です。

また、なるべく直線的に逃げないように、曲がり角を多く曲がって、小回りを利かせるように逃げるのがコツです。

壁際に沿って逃げるのもオススメ!

このゲームは「毎回ステージがランダム生成」され「ニンゲンの出現位置も毎プレイごとにランダム」です。

いくつかの「定石」は考えられますが、攻略パターンに落とし込むことはできないのです。

ときには行き止まりだったり、自動ドアからいきなり敵が現れたり、思わぬところで囲まれたり……

広い空間に出てしまう場合は、8番出口のごとく来た道を引き返すことも考えるべきです。

敵が密集していても、ライフを失う覚悟で強行突破をするべき瞬間もあるでしょう。

プレイごとに瞬時に状況を判断し、アドリブで立ち回るスキルが求められます。

常に正解が無いからこそ、やりこみが熱い!

『APE OUT』は、何度やっても楽しめるすばらしいゲームなのです!

ゴリラの運命は? ゴリラ is アート。

このゲームでもうひとつ注目したいところは、やはり音楽やアートワークでしょう。

細部を削ぎ落とすことによって生まれたシンプルな表現が、プレイヤーに強烈な印象を残してくれます。

音楽も大変魅力的です。

ジャズ調のBGMが流れるのですが、敵を倒した時やニンゲンの発砲音などの効果音が合わさり、ゲームと音楽が一体化しています。

そして、これは良作のアクションゲームやシューティングゲームにも通じるのですが、ゲーム展開の魅せ方が上手いです。

特にアーケードゲームなどに多いのですが、RPGのようにストーリーが言葉で説明されることはありません。

そもそも本作の主人公はゴリラですし、しゃべれません(笑)

しかし展開や演出をうまく見せることによって、言葉を用いることなくストーリーを語ることができるのです。

特にステージ4開始の演出などはとても素晴らしいものなので、ぜひここまでクリアして見ていただきたいですね!

筆者イチオシのパブリッシャー「Devolver Digital」に注目!

『APE OUT』を販売しているのは、アメリカのテキサス州のゲームパブリッシャーである「Devolver Digital」社です。

この会社は Steam などでさまざまなインディーゲームの販売をしています。

先鋭的かつ刺激的な作品を多く販売しているので、筆者が特に好きなゲーム企業です。

『Hotline Miami』『Downwell』『Katana Zero』などに代表されるような、2Dアクションゲームや2Dシューティングゲームを数多く手掛けています。

とくにアクションゲームの完成度が高く、なんとなく80年代や90年代のカプコンのアーケード用アクションゲームに似たテイストを感じています。

『魔界村』『闘いの挽歌』『虎への道』『マジックソード』『ファイナルファイト』……あのイメージですね。

「Nintendo Direct」に対抗して「Devolver Direct」なる配信をしたり、昨年のTGS2023のブースはなぜかセブンイレ◯ンのコンビニ風のブースを立ち上げていましたね(笑)

そんな「Devolver Digital」も定期的に自社作品のセールを行っています。

賢いゴリラはぜひセールを狙って買ってみましょう!

おまえもゴリラになれーー!

 

ライター紹介

ゆきじぞう
レトロゲームやアーケードゲームが大好き!な「ゆきじぞう」と申します!キャラゲッ!のレトロアーケードゲーム担当に任命されました(自称です)私が取り上げるのは、長い時を経ても愛され続けている素晴らしいゲームが中心になるかと思います。今のゲームにしかない魅力と同じように、昔のゲームにしかない魅力もあります。私の記事を読んで「昔のゲームだけどやってみようかな?」と思っていただけたら、とても嬉しいです!