【Wo Long】天焦がす黄火のボス張梁について紹介※ネタバレ注意!!

人公将軍張梁

徐州のとある村を襲う張梁
徐州のとある村を襲う張梁

Wo Long は三国志のストーリーをベースにしたファンタジーです。

アクション RPG としても十分に楽しめる作品ですが、三国志の知識がないとよく分からないかもしれません。

今回は、 Wo Long において最初のボスとして立ちはだかる張梁について解説していきたいと思います。

※この記事はネタバレを含みますのでご注意ください。

  1. 張梁は黄巾党の武将
  2. 張角と張宝の弟で人公将軍と称した
  3. さっそく連戦を強いられる Wo Long 序盤の強敵

この記事は5分程度で読み終わりますので、最後までぜひご覧ください!

Wo Long の張梁

ここからは Wo Long における張梁の解説と作中での動向を紹介します。

傍若無人の三男

張梁は黄巾党を率いる三兄弟(張角・張宝・張梁)の末弟で、「人公将軍」を自称します。

張梁はストーリー冒頭の黄巾の乱から登場します。

黄色い布を頭に巻き、伸ばし切った髭を束ねた大柄な男です。

黄巾党が「蒼天死すべし。黄天立つべし。」と叫びながら、徐州のとある村を荒らしまわる中に交じり、張梁も一方的に民や兵士を殺戮していきます。

村を襲撃する黄巾党の指揮を執る立場なのでしょうが、その様はとても一軍を率いる将軍とは言えず、賊の一人としか言いようがありません。

村は散々に荒らされ、家屋は焼かれ、多くの被害を出します。

義勇兵との邂逅

ここで義勇兵である主人公が登場し、黄巾党に襲われている少年を救いますが、黄巾党と相打ちとなります。

しかし、何故か息を吹き返した主人公は、先ほど救った黒い布で目を覆った少年と共に黄巾党に立ち向かいます。

主人公たちが村はずれの山を通りかかったところで張梁が現れ、二人を奇襲しました。

張梁は巨大なトゲ付きの棍棒をふるい、自信満々に主人公たちに襲い掛かります。

力の代償

妖魔化した張梁
張梁は丹薬によって妖魔化

しかし、主人公の奮闘と目覆いの少年の弓矢を用いた援護によって張梁は追い詰められていきます。

二人の共闘により、張梁を撃破することに成功すると、張梁は懐から妖しい輝きを発する小さな球体を取り出します。

これが本作において重大なアイテムであり、繰り返される戦乱の元凶たる「丹薬」です。

張梁は一粒の丹薬を口に運びます。

「俺は人公将軍!大賢良師の弟! 兄者の信頼を裏切るわけには…。」

張梁の咆哮と共に、張梁の周囲に爆発的な妖気が発生します。

立ち込める土煙の奥から、赤くとげとげしい左手が伸び、主人公たちに向かってきます。

主人公はのけ反ってこれを回避します。

しかし、目覆いの少年は避けることができず、吹き飛ばされ岩に叩きつけられてしまいます。

主人公が見たその先にいたものは、左半身が硬質化した妖気となっていた張梁の姿でした。

張梁が持っていた棍棒にも妖気が硬質化してまとわりつき、さらに巨大で鋭いものとなっていました。

張梁は棍棒を振り回し、さらに伸縮自在となった赤い左腕を使って襲い掛かってきました。

もはや人語を発さず、衝動のままに暴れる妖魔と化してしまったのです。

(そう見えるだけで意思はあるのかもしれない)

暴走の末に

圧倒的な力を手に入れた張梁は主人公に襲い掛かります。

主人公は苦戦を強いられながらも妖魔化した張梁を相手に戦い抜きます。

しばらく戦っていると(ゲーム中では張梁の体力を半分以下にすると)主人公の玉が明るい輝きを発します。

先ほどの死の淵から蘇ったとき、目覆いの少年から授かった玉です。

玉からは黄金に輝く龍「応龍」が咆哮と共に姿を現しました。

張梁は突如現れた応龍にも果敢に躍りかかりました。

しかし応龍は張梁の体に噛みつくと、そのまま彼の巨体を軽々と持ち上げて上空へと昇っていきました。

直後応龍と張梁は強烈な光と共に爆発、張梁は跡形もなく四散し、死亡しました。

ドラゴンボールが好きな方は100%あのセリフを言ったことでしょう。

黄巾党として散々に暴虐の限りを尽くした男の最後は、壮絶かつなんとも呆気ないものでした。

張梁はどんな人だったのか

懐から丹薬を取り出す張梁
懐から丹薬を取り出した張梁

Wo Long では散々に暴れまわった末に散った張梁ですが、ここで実際の張梁はどんな人だったのか紹介します。

正史の張梁

張梁は、太平道という宗教勢力を率いた張角の弟です。

生年不明・184年没。

張角が漢王朝の腐敗に悩む民たちを率いて西暦184年3月に黄巾の乱を起こすと、人公将軍の名で黄巾党を率います。

この部分は Wo Long に大体近いですね。

張梁は地公将軍を名乗った次男の張宝と共に冀州の広宗に籠り、官軍(漢王朝の軍)と激突します。

黄巾党ははじめ、官軍を打ち破るほどの奮戦をします。

武芸に秀でたとされる董卓でさえ、広宗を落とすことはかないませんでした。

184年10月に入ると、霊帝(当時の皇帝)が皇甫嵩を派遣します。

皇甫嵩は広宗で黄巾党に挑みますが、激しい抵抗によりなかなか落とすことができませんでした。

しかし、黄巾党が抵抗する中で主導者だった張角が病死します。

また、翌日に皇甫嵩が奇襲を仕掛けることに成功し、激しい戦闘の中で張梁は斬られて戦死しました。

実際の張梁の活躍はほとんど分からないですね。

いろいろと書きましたが、要するに黄巾党を率いて広宗で戦い、皇甫嵩との戦いで敗死したことくらいしか分かりませんでした。

三国志演義の張梁

三国志演義(三国演義)は中国の元・明代の作家である羅漢中が著した歴史小説です。

三国志演義では史実を元に小説としてのエンタメ性も持たせた作品となっています。

こちらの方では、正史では地味だった張梁について少し加筆されています。

正史と同様に兄の張宝と共に黄巾党を率います。

しかし、乱の最中に張角は病死してしまいます。

長兄の死後も張梁と張宝は、皇甫嵩と朱儁率いる官軍と衝突します。

しかし、戦いがあった場所は広宗ではなく、豫洲潁川郡の長社という場所となっています。

ここで黄巾党は官軍による火攻めを受け、さらに曹操の奇襲を受けて敗走します。

皇甫嵩・朱儁・曹操の追撃を受けながら張梁は七度も抵抗してみせますが奮戦むなしく斬られて戦死しました。

正史の味気ない最後に比べると、割と壮絶な最期ですね。

三国志演義で描写されている長社の戦いですが、これは「後漢書(ごかんじょ)」という歴史書に実際にあった戦いとして記録されています。

しかしそこには張梁はおらず、長社の黄巾党を率いていたのは「波才(はさい)」という人物だったそうです。

Wo Long でも副戦場「夜嵐と共に」のボスとして波才が登場します。

後漢書によると、長社に籠る皇甫嵩ら官軍を包囲しますが、やはり火攻めと曹操の奇襲で大敗したようです。

その後どのような末路をたどったのかははっきりしていません。

そもそも正史や三国志演義にも波才の名前は出てきておらず、なぜか後漢書にしか記述されていないんですね。

まず実在したのかもちょっと怪しいです。

まあ三国志の序盤の敵はどうしても小物悪役扱いされちゃうのはしょうがないです。

「程遠い志」だの「並の才」だの言わないであげてくださいね。

さいごに

今回は Wo Long に登場する最初のボスキャラクター張梁について紹介しました。

こうしてゲームに登場する歴史上の人物の背景を調べてみると、その人の背景をうかがい知ることもできますね。

どうしてこのようなキャラなのかということを考察するのも楽しいです。

張梁の場合は資料に乏しいこともあって、大体の作品ではほとんどやられ役のような感じですね。

Wo Long でもやられ役だったとはいえ、序盤の関門として結構インパクトを残したキャラクターだったと感じます。