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『ダライアス』はゲームの歴史に残る名作2Dシューティングゲーム!
みなさんは『ダライアス』というゲームを知っていますか?
『ダライアス』は、株式会社タイトーが1986年に発表した、横スクロール2Dシューティングゲームです。
レトロゲームファンの間では「伝説的」な作品として語り継がれている名作なんです!
「えー、聞いたことがないなあ。生まれる前のゲームだからよく知らないや」
今日はそんなあなたのために『ダライアス』がなぜ「伝説的」な作品なのか、その魅力をわかりやすく解説しますね!
- 海の生き物をモチーフにしたカッコいいボスが盛りだくさん!
- 業界初の「3画面連結」の大迫力! 『ダライアス』のアーケード筐体に注目!
- 独特な世界を彩るBGM タイトーサウンドチーム「ZUNTATA」を紹介します!
この記事は5分ぐらいで読み終わりますので、どうぞ最後までお楽しみ下さい。
『ダライアス』で遊んでみよう! INSERT COIN
これが『ダライアス』のタイトル画面です。
タイトル画面を眺めていると「INSERT COIN」の文字が出ました。
クレジットボタンを押して(お金を入れて)ゲームスタート!
『ダライアス』のストーリーと遊びかた
『ダライアス』は、右へ進んでいく強制スクロールのシューティングゲーム。
プレイヤーが操作するのは「シルバーホーク」という戦闘機です。
ストーリーを簡単に説明すると……。
惑星「ダライアス」に異星人「ベルサー」が襲いかかってきて、人類が滅亡の危機にさらされています。
そこで、生き残った人々から1組の男女を選び、ダライアス星から脱出しようという計画を立てます。
選ばれたのは、男性の「プロコ」女性の「ティアット」です。
2人は戦闘機「シルバーホーク」に乗り込み、新たな居住地を目指して宇宙に飛び立つ……というストーリーです。
※「PROCO」「TIAT」 逆から読むと……?
次は操作の説明と遊び方です。
スティックでシルバーホークを操作。
Aボタンで前方の敵を撃つミサイルを発射。
Bボタンで斜め下の敵を攻撃するボムを投下します。
ミサイルもボムも使用制限はありませんので、どんどん連射して迫り来る敵を攻撃しましょう!
たまに赤色、緑色、青色の敵が登場します。
この敵を倒すと、その色に応じた丸いパワーユニットが出てきますので、なるべく取るようにしましょう。
赤のパワーユニットはミサイル、緑のパワーユニットはボム、青のパワーユニットはアーム(バリア)が少しだけ強化されます。
画面上方に、それぞれのパワーユニットを取った数が分かるメモリが表示されています。
アームが張られていない状態で敵と衝突したり、敵弾に当たるとミス。
残機がなくなればゲームオーバーです。
いよいよボス戦! シルバーホークを待ち受けていたのは、魚!?
スタートすると、最初のゾーンである宇宙洞窟が始まります。
敵を倒し、パワーユニットを取って、シルバーホークをどんどん強化していきましょう!
しばらく進むと……突然、サイレンが鳴り響きます。
画面がまっ暗になり、警告画面が出たらボス戦です。
ドキドキしますね!
戦艦「キングフォスル」の登場です!
キングフォスルは、古代魚の「シーラカンス」をモチーフにした戦艦です。
あつ森で15000ベルで売れそうですね(笑)
『ダライアス』に登場するボスキャラクターは、すべて海の生き物をモチーフにした戦艦になっています。
グラフィックに注目してみよう!
注目ポイントは、このキングフォスルのグラフィックです。
細部まで丁寧に描き込まれていて、こだわり抜かれたドット絵になっています。
「はいはい、職人芸のドット絵ね。それ前にも聞いたわ、どっかで」
いいえ。このドットグラフィックは「職人芸」というありがちな褒め言葉だけでは言い表せないスゴさがあります。
ポイントは「大きさ」です!
キングフォスルのグラフィックは、ドット絵が主流だった当時でさえもなかなか見られない、圧倒的なサイズなんです。
圧倒的なサイズだからこそ、細部まで徹底的にこだわり抜かれたドット絵の表現が可能なんですね。
ドットグラフィックを制作するのは、非常に大きな労力と、高い技術が必要です。
ものすごく小さなドットを、ひとつひとつ打ち込んでいく……超大変!
キングフォスルはどうでしょうか?
丈夫そうな口元のアゴ、固そうなウロコ、大きな背びれや尾びれ。
こんなに大きいのに、シーラカンスの特徴をしっかり捉えた造形です。
そして、カラーリングにも注目!
それぞれのウロコを良く見てみると、ドットごとに微細なグラデーションを付けており、陰影が表現されています。
まるで絵画のように精密な、立体的かつリアルな表現をしていることがわかります。
生き物と戦艦を融合させた、独特なデザインと美麗なグラフィック。
これは当時最強レベルといっても良いほどの、非常に高いクオリティです。
しかも、そんな美しいボスキャラクターが、全部で11種類も登場するんです。
もう分かりましたね?
『ダライアス』は、今では見ることのできない素晴らしいグラフィックが盛りだくさんのゲームなんです!
- ゲームが始まったら、パワーカプセルを取って自機「シルバーホーク」を強化しよう!
- 『ダライアス』シリーズの特徴は、ボスキャラクターが海の生き物をモチーフにしているところ
- ボスのグラフィックがビッグサイズでとても美しい。当時最強レベルのグラフィックを堪能しよう!
3つの画面を繋げちゃった!? 『ダライアス』アーケード筐体の秘密
最初に登場した『ダライアス』はアーケードゲーム。
つまり「ゲームセンターで遊べるゲーム」です。
アーケードゲームなので、筐体(きょうたい)という大きなゲーム機の前に座って遊びます。
この筐体に、大きな特徴があるんです。
今となっては『ダライアス』が遊べるゲームセンターは、全国でもほんのわずかしかありません。
今回はなんと!
大阪府のレトロゲームセンター『レトロゲーセンザリガニ』様のご協力により、現役で動いている『ダライアス』を撮影しました!
筆者はアーケードゲーム星からやってきた、アーケードゲーム大好き星人(笑)
今となっては大変貴重なゲームを遊べるスポットで、私もよくここで昔のゲームを遊んでいます。
さっそくご覧ください!
平成を飛び越えた! 現役稼働『ダライアス』筐体を撮影してみた。
『ダライアス』の筐体は、このゲームのためだけに開発された特別なもの。
巨大なボスには、巨大な画面! でも、用意できるゲームのモニターは小さい……
そうだ! 3つ繋げよう!
『ダライアス』は、巨大なゲーム画面にするために、画面を横に3つ並べて連結させました。
今でこそマルチディスプレイなんて当たり前かもしれませんが、当時は非常に画期的なことだったんです。
大きな画面でゲームしたい! 誰もが一度は、そんなことを夢見るのではないでしょうか。
しかし、小さなモニターを横に3つ並べても、フレームが邪魔で、隙間ができてしまいます。
当時はブラウン管のモニターなのでとても大きく、こればかりはどうしようもありません。
なんとかならないものか……
そこで考えられたのが「ハーフミラー」を使うというアイデアでした。
ゲーム筐体を良く見てみると……?
画面をのぞき込んでみると、横に長い3画面の映像で、継ぎ目はありません。
ちょっと分かりにくいかもしれませんが……。
実は、3つある画面のうち、モニター画面は中央だけ。
右側と左側は、視界下部に置かれたゲーム画面をハーフミラーで反射させた、鏡写しの画面なんです。
ランキングのスコア画面を見ると、こんな感じ。
左側の画面が少し下にズレているのが分かりますね。
左右の画面を鏡写しにしてしまえば、継ぎ目のない3つの画面が表示できますね。ナイスアイデア!
ハーフミラーはいわゆるマジックミラーで、片面は光を反射し、もう片面はガラスのように光を透過する特殊な鏡。
これ自体は当時でも普通に手に入るものですが、画面を横に繋げるために使うというアイデアは画期的なものでした。
当時の開発者たちが知恵をしぼり、今あるものや既存の技術を応用して、不可能と思われていたことを実現したんですね。
これこそが『ダライアス』が名作と評価されているポイントなんです!
ちなみに、現在発売されている『ダライアスコズミックコレクション』の Steam 版は、パソコンのマルチディスプレイに対応しています。
モニターを3つ用意できたら、ぜひとも連結してみましょう。
超! 超! 超! 巨大画面でプレイできちゃいますので、試してみてくださいね!
- 『ダライアス』最大の特徴は、画面を横に3つ繋げた巨大なゲーム画面。
- ハーフミラーを使うことで、継ぎ目のない3画面を表示。開発者たちの技術とアイデアで、大画面を実現しました。
BGM もスゴい。タイトーサウンドチーム「ZUNTATA」の誕生
『ダライアス』は BGM も人気が高く、今でも「好き!」というファンが存在します。
何を隠そう、筆者もその一人。
すでに廃盤になった『ダライアス』CD を持っているので、この記事を書きながら聴いているところです(笑)
代表曲は、最初のエリアで流れるBGM「CAPTAIN NEO」です。
筆者のオススメは、最終ボスで流れるBGM「BOSS SCENE 7」と「ENDING」ですね。
「CAPTAIN NEO」は、後で紹介する「ZUNTATA」の公式動画で試聴できるので、興味のある方は調べてみてくださいね。
『ダライアス』はゲームミュージックを進化させた。
『ダライアス』は株式会社タイトーの代表作です。
その音楽は、非常に完成度が高く、誰も聴いたことがないような斬新なものでした。
『ダライアス』が登場したのは80年代後半。
その頃のゲームミュージックは、いくつかの名曲は生まれていたものの、音楽としての地位はとても低かったんです。
そもそも、その頃の世間の反応は「ゲームセンターは不良の盛り場」で、完全に「ゲーム」=「悪」の時代……。
また、ゲームを開発する側も、サウンドの重要性をそれほど認識していない人も居ました。
「ゲームの音楽は、あくまでも『飾り』のひとつ。ないよりはあったほうがいいだろうけど……」
この大掛かりなプロジェクトである『ダライアス』のサウンドも、当初は外注で済ませようとしていたそうです……。
「ちょっと待った!」
しかし、そこに待ったをかけたのが、当時の開発メンバーです。
その頃、複雑な音色を作る方法(FM音源)が生みだされ、サウンドの表現力が格段に進歩していた時期でした。
『ダライアス』は「ゲームミュージックでどこまで深い表現ができるのか」を追求した音楽だと評価されています。
そのため『ダライアス』の音楽は、それぞれの曲がそれぞれの顔を持ち、効果音にも意図が込められています。
透明感のある曲、荒々しい曲、無機質な曲、疾走感のある曲、静かな曲……
それまで全く採用されてこなかった、オーケストラ調の音を採用した曲もあります。
「ゲームの雰囲気に合ったそれらしい音楽」ではなく、ゲームと音楽との相乗効果を考えた、チャレンジ精神を持った曲が数多く制作されました。
音楽に合わせてボスが登場し攻撃を始めるなど、ゲーム画面の視覚とサウンドによる聴覚をかけ合わせた演出が考えられました。
さきほど紹介したアーケード筐体にも工夫があります。
実は低音スピーカーが座席の下にもあるので、大きな低音を鳴らすと座席が震えるんです(これをボディソニックといいます)
また、騒がしいゲームセンターでも音楽を楽しめるように、イヤホンジャックが装備されています。
演出が優れているからこそ「あー面白かった」だけで終わらず、プレイヤーの心に残るのです。
タイトーサウンドチーム「ZUNTATA」とは?
そんな『ダライアス』が全国のゲームセンターに設置されると、当時のゲーマー達から高い人気を獲得しました。
当時の人気ゲーム雑誌「ゲーメスト」が行った「第一回ゲーメスト大賞」で、第1位の大賞を受賞したんです!
音楽のすばらしさも注目され、カセットレコーダーを手にして録音しようとした人も居たんだとか。
これを受けて『ダライアス』の音楽をレコードや CD アルバム にして販売することになりました。
レコード店で売るために、アーティスト名を考えなければ……。
そこで誕生したのが、タイトーサウンドチームの名前となった「ZUNTATA」です!
ズンッ、タッ、タッ、というリズム感が特徴的な、覚えやすい名前ですね。
ZUNTATA のロゴマークは、七福神の弁財天がモチーフになっています。
弁財天は、川や泉などの「水」に縁があり、琵琶を鳴らす音楽の女神さまです。
ダライアスのイメージにピッタリですね!
ZUNTATA は現在も活動中!
こうして誕生した ZUNTATA は、ダライアス以後も数多くの名曲を生み出していきます。
翌年に稼働開始した『ニンジャウォーリアーズ』というゲームでは、第二回のゲーメスト大賞でベストVGM賞を受賞します。
このゲームのテーマ曲である「DADDY MULK」は、ゲームミュージックの歴史に残る屈指の名曲です。
ZUNTATA の代表曲なので、興味のある人は、ぜひ調べてみてくださいね。
そんな ZUNTATA ですが、メンバーやロゴマークなど何度かのリニューアルを繰り返し、35年経過した現在も活動中です!
定期的に YouTube でライブ配信もしているので、ぜひ一度チェックしてみてください!
- ダライアスの音楽は、ゲームミュージックの可能性を広げた名曲ぞろい!
- ZUNTATA は、株式会社タイトーのサウンドチームの名前で、ダライアスのアルバムを発売するときに名付けられた。
- ダライアス以後も数々の名曲を生み出し、現在も活動中!
レトロゲームはファミコンだけじゃない。アーケードゲームで遊んでみよう!
「レトロゲーム」といえば、みなさんは何を思い浮かべますか?
ファミリーコンピュータやゲームボーイ。
『スーパーマリオブラザーズ』や『ドラゴンクエスト』シリーズを思い浮かべる人もいるかもしれませんね。
しかし! レトロゲームは決してそれだけではありません。
今回紹介した『ダライアス』は、ゲームセンターで遊ぶアーケードゲームです。
最後にみなさんにお伝えしたいのは、昔のゲームはアーケードゲームが主役だったのだということです。
当時のゲームメーカーの本気を確かみてみろ!(誤字にあらず)
そもそも家庭用ゲーム機の魅力は「ゲームセンターでしか遊べなかったあのゲームが家でも遊べる!」という点にあったんです。
当時のゲーム機の性能には限界があり、メーカー側も泣く泣く諦めるしかないようなアイデアや表現もたくさんありました。
しかし、アーケードゲームには当時の最先端の技術を取り入れることができたので、当時のゲームメーカーが本気で作ったゲームがたくさんあります!
あの「マリオ」も「パックマン」も、最初に登場したのはアーケードゲームだったんですよ♪
もちろん『ダライアス』もレトロアーケードゲームの傑作のひとつです。
最強レベルのリアルなドットグラフィック。
開発者たちの技術とアイデアで実現した3画面筐体。
ゲームと音楽を融合させる斬新な BGM。
これら3つの要素によって、『ダライアス』は「伝説的」な名作ゲームとして現在まで伝えられているんですね。
この記事を最後まで読んでくれたみなさんには、ぜひ『ダライアス』をプレイして、レトロアーケードゲームの魅力に触れてみてください!
もしかしたら「あれ……昔のゲームってこんなにスゴいの……!?」なんてことになるかもしれませんよ?
現在は『ダライアスコズミックコレクション』が発売されていますので、興味を持った方はぜひチェックしてみてくださいね。↓↓↓
おまけ ~ダライアスの歴史~
1986年秋 | 『ダライアス』発表(当時のゲーム新作発表会で初披露) |
1987年 | 『ダライアス』(アーケード) |
1989年 | 『ダライアスⅡ』(アーケード) |
1991年 | 『ダライアスツイン』(スーパーファミコン) |
1993年 | 『ダライアスフォース』(スーパーファミコン) |
1994年 | 『ダライアス外伝』(アーケード 95年セガサターン 96年 PS) |
1997年 | 『Gダライアス』(アーケード 98年 PS ) |
2009年 | 『ダライアスバースト』(PSP) |
2010年 | 『ダライアスバースト アナザークロニクル』(アーケード) |
2016年 | 『ダライアスバースト クロニクルセイバーズ』(PSVita PS4) |
2019年~ | 『ダライアスコズミックコレクション』シリーズ(Switch PS4 Steam) |
そして、伝説は続く……。
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