【ポケモン剣盾】ついに解禁!ランクバトルにおける幻のポケモンの性能と評価を現役プレイヤーが解説!

剣盾を締めくくる最後のシーズンは幻が解禁!?

ランクバトルシリーズ13においては、禁止級伝説及び幻のポケモンを無制限に使用することができるという、きわめて異例なレギュレーションが適用され話題となりました。

入手が困難な幻のポケモンは、今まではプレイヤー間の公平性を保つためランクバトルに参加することができませんでした。

しかし、最新作スカーレット・バイオレットの発売を目前に控え、さらにポケモンを盛り上げるべく、ポケモン公式がついに幻のポケモンの解禁に踏み切りました。

今回は幻のポケモンの性能と現段階における評価を、現役プレイヤーの視点と経験をもとにまとめています。

なお、今回はシングルバトルについての解説となりますので、ご了承ください。

  1. 再注目株はぶっ壊れ性能を持つマーシャドー!
  2. ビクティニやジラーチといった固有の性能を持つ幻は一定の評価!
  3. 何が起こった…!?ミュウのまさかの戦法に歴戦の強者たちも唖然…

この記事は5分で読み終わりますので、最後まで読んでいってくださいね!

幻のポケモンってなに?伝説のポケモンとは違うの?

幻のポケモンとは、映画館やポケモンセンターなどで期間限定で配布されることのある、通常のプレイでは入手不可能なポケモンのことを指します。

伝説のポケモンは、対応したソフトを持っていれば、各ソフトで1体のみ入手することができるという意味で貴重ではあります。

しかし、幻のポケモンは一部の例外を除いて配布でしか入手できないため、チャンスを逃してしまうと数年単位で次の配布を待つことになります。

このような入手難易度の圧倒的な差から、一般的に伝説と幻は区別されています。

なぜ今まで幻のポケモンは使えなかったの???

幻のポケモンは入手が非常に困難なものも多く、公平公正なバトルが行われるべきランクバトルでは、レギュレーション(規定)により使用禁止となっていたと考えられます。

過去にはウルトラサン・ムーンの「ウルトラファイナル」や、剣盾では「レジェンド・オブ・ラウンド」という公式大会で使用可能となった例もありますが、それはらはあくまで短期間のお祭り的な大会だったため、幻のポケモンについて深く研究されることはありませんでした。

幻のポケモンの立ち位置は?対戦では強いの!?

夢とロマンを感じさせる幻のポケモンの参入で、期待に胸を膨らませる人も多いのではないでしょうか?

現実には、独特の性能で一定の評価と役割を得ている幻のポケモンもいますが、環境の逆風に抗うことができずに日の目を見ることができないでいる幻のポケモンもいます。

まだまだ環境も序盤ということもあり、本格的な研究が進んでいるとはいえない状況ではありますが、幻のポケモンたちの現状を解説していこうと思います。

あなたのお気に入りのポケモンが活躍できているのか、ぜひチェックしてみてください!

幻のポケモンを世代ごとに解説!

初代 2ターンでゲームを終わらせる!?最凶コンボのミュウ

幻のポケモンの祖ともいえるミュウは、すべての技マシン・技レコードを習得することができるという、きわめて珍しい特徴を持っています。

また種族値もすべて100で統一されており、型の一点読みを許さないカスタマイズ性能の高さが最大の武器になっています。

そんなミュウが実際にランクバトルで使用され、強者さえも驚かせた戦法がふういん」+「へんしん」というコンボです。

「へんしん」という技で代表的なポケモンはメタモンで、相手のポケモンを能力上昇ごとコピーして切り返す戦法が有名です。

しかし、ミュウは優秀な耐久を生かして、独自に「へんしん」を使いこなします。

まずは「ふういん」+「へんしん」コンボの盤面を整えるべく、交代を駆使して対面操作を行い、ミュウを相手の起点作成や火力の低いポケモンなどと対面させます。

場面が整ったら、1ターン目に「ふういん」を、2ターン目に「へんしん」を選択すれば、コンボ完成です。

「ふういん」は自分が覚えている技を、相手だけ使うことができなくなる、という変わった技です。

「へんしん」は相手のポケモンに文字通り変身して、技構成もまったく同じになります。

つまり、ミュウが「ふういん」をした状態で「へんしん」によって相手のポケモンをコピーすると、相手は技を出すことができなくなる、というとんでもない戦法ができるのです。

決まれば一瞬でゲームが終了しかねない、まさにロマンの詰まった戦法といえるでしょう。

ポケモンホームでの使用率は37位となっています。

第2世代 タイプが足を引っ張っているか…研究が待たれるセレビィ

第2世代は草・エスパータイプのセレビィです。

弱点の多いタイプであることに加えて、効果抜群の飛行タイプの技であるダイジェットが飛び交う第8世代のダイマックス環境では、役割を持つことが厳しいようです。

種族値はミュウと同じくすべて100で統一されており、「でんじは」「ステルスロック」などの優秀なサポート技を覚え、さらに草タイプゆえに「やどりぎのたね」というサイクル戦を有利に進めるための技を覚えることができます。

セレビィにしかできない戦法が開発されれば、現在の環境においても一定の役割を持つことができる可能性は十分にあります。

現在はあまり使われないポケモンですが、今後の研究が期待されます。

使用率は62位となっています。

第3世代 かわいらしい見た目とは裏腹..悪夢の「まひるみ」ジラーチ

第3世代はデオキシスが剣盾で使用できないため、ジラーチのみです。

ジラーチもミュウやセレビィと同じく種族値はオール100で、はがね・エスパータイプのポケモンです。

環境トップのザシアンに強いはがねタイプであることや、優秀なサポート技を習得すること、さらにBDSPにて比較的容易に入手可能であることから、一定数使用されています。

そんなジラーチのテンプレートと言える戦術が、「でんじは」+「アイアンヘッド」による「まひるみ戦法」です。

ジラーチの特性「てんのめぐみ」は、自身の技の追加効果の確率が2倍になる、というものです。

これにより、「アイアンヘッド」の追加効果で相手がひるんで行動不能になる確率が、もともとの30%を2倍して60%となります。

ひるみの効果は相手より先に行動しなければ発動しませんが、「でんじは」により相手の素早さを下げることができるため「てんのめぐみ」+「アイアンヘッド」と相性がよく、麻痺による行動不能とひるみによる行動不能の確率を合わせると、相手のポケモンが行動できる確率はわずか30%まで低下してしまいます。

これが「まひるみ」と言われる戦法で、ジラーチはほかにも優秀なサポート技を覚えるため、「でんじは」「アイアンヘッド」とサポート技として「ステルスロック」を採用することで完結することができるのが強みです。

使用率は28位となっています。

第5世代 サイクル性能高めのビクティニ&両刀ゲノセクト&カレー好きのケルディオ

第4世代は幻のポケモンがすべて使用できないため、第5世代に飛びます。

ビクティニは種族値がオール100で優秀な耐久を備えつつ、エスパータイプに加えてザシアンに強いほのおタイプを有していることが評価されています。

専用技の「Vジェネレート」は威力180の強力なほのおタイプの技で、耐久に厚いザシアンすらも一撃で倒すことができます。

瀕死になるかわりに自分のHPと同じ分だけ相手にダメージを与える「いのちがけ」を習得できるポケモンのなかでは、HP・素早さともにトップクラスであり、多くのポケモンと1対1交換をとることができるため警戒が必要です。

ほかにも対面操作ができる「とんぼがえり」や、「おにび」「ひかりのかべ」といった優秀なサポート技を覚えるため、火力の高いサポーターという独自の役割を持てることが高く評価されています。

自身の技の命中率が1.1倍になる特性「しょうりのほし」により、本来なら命中不安定な「Vジェネレート」「おにび」を安心してうつことができるため、地味な点ではあるもののビクティニの役割と相性が良いといえます。

ホームでの使用率は幻のポケモンの中で2番目に高い20位です。

同じく第5世代の幻のポケモンはゲノセクトです。

これまでの幻のポケモンの種族値はオール100で合計600でしたが、ゲノセクトは合計こそ600であるものの、攻撃・特攻が120で素早さが99となっており、アタッカーよりの種族値をしていることが特徴です。

覚える技も優秀で、自身のタイプであるはがね・むしタイプの技に加えて、でんき・ほのお・こおりといった広い範囲をとることができるのも魅力です。

さらに特性「ダウンロード」により自身の攻撃か特攻を1段階上昇させることができるため、物理・特殊の両方を生かすことができるのも強みです。

一方で、種族値が高い禁止級伝説に対してはアタッカーとしての火力がやや物足りない面や、特性の発動が相手依存であることなどから不安定要素も抱えており、使いこなすのが難しいポケモンであるともいえます。

使用率は49位となっています。

第5世代ではもう1匹、ケルディオが使用可能となっています。

ケルディオはみず・かくとうタイプで、高い素早さと特攻を持ち味とする特殊アタッカーよりの種族値をしています。

しかし、ケルディオはザシアンや環境に蔓延るダイジェッターにタイプ上の不利をとるため、あまり使用されていません。

特性「せいぎのこころ」は、あくタイプの技の攻撃を受けると自身の攻撃ランクが上昇するというものですが、もともと発動機械が少ない特性である上に、特攻の高さを生かして特殊アタッカーとして運用したいケルディオにとっては、ほぼ無意味な特性となっています。

こういった要因からあまり使用されていないケルディオではありますが、幻のポケモンとしては非常に珍いことに、剣盾の通常プレイで入手することができます。

ゲーム内でビリジオン・テラキオン・コバルオンを捕獲して手持ちに加えた状態で、ある場所でカレーを作るとケルディオが現れる…というケルディオの設定とは全く無縁なイベントで入手することができます。

おそらく美味しそうなカレーの匂いに誘われてやってきたのでしょう。

使用率は79位です。

第6世代 入手困難すぎて使えないディアンシー&タイプ優秀なボルケニオン

第6世代の幻のポケモンはディアンシーとボルケニオンです。

フェアリー・いわタイプという、環境トップのザシアンやカイオーガに隙を見せてしまうタイプ故に、あまり使われていないポケモンとなっています。

ひとつめの役割は、5ターンの間素早さの低いポケモンから行動可能になる「トリックルーム」を展開してから、自ら瀕死になる攻撃技「ミストバースト」で退場して、裏のトリックルーム・アタッカーに繋ぐサポート役があげられます。

ふたつめは、環境に多いイベルタルに対して、「はがねのつばさ」以外はすべて半減で受けることができるタイプを生かして、受け出しから「リフレクター」「ひかりのかべ」「トリックルーム」といったサポート技で、相手のダイマックス・ターンを凌ぎながら次の展開を作る、という役割です。

しかし、役割の狭さ以上にディアンシーが使用されない理由として、配布された機会の少なさが考えられます。

ディアンシーは過去に2回しか配布されておらず、しかも最後の配布は2015年ということもあり、当時受け取ることができなかったプレイヤーにとっては入手が非常に困難なポケモンとなっています。

使用率は59位となっています。

ボルケニオンは唯一のみず・ほのおの複合タイプで、ザシアンに有利と言われているほか、みずタイプの技を無効にする特性「ちょすい」もあり、カイオーガに受け出しできる数少ないポケモンとして期待されています。

実際にはザシアンの「ワイルドボルト」やカイオーガの「かみなり」といったでんき技に怯えることになるほか、カイオーガに対する明確な打点となる技がないことなどから、それほど活躍できていな印象を受けます。

素早さ種族値70は、技が固定される代わりに素早さが1.5倍になる道具「こだわりスカーフ」を持たせてもザシアンの素早さを上回れないこともあり、現段階では、優秀なタイプの割に動かしにくいポケモン、という評価に落ち着いています。

使用率は39位です。

第7世代 ついに幻最強格の登場!動き出すと止まらないマギアナ&ぶっ壊れ性能のマーシャドー&異次元の素早さのゼラオラ

第7世代からはマギアナとマーシャドーが登場します。

マギアナはザシアンと同じくはがね・フェアリータイプという優秀な耐性を備えつつ、特攻種族値も135と高めになっており、特性「ソウルハート」は場にいるポケモンが倒れる度に特攻ランクが上昇するというアタッカー向きの特性です。

素早さ種族値が65と低いことから、「トリックルーム」下でアタッカーとして動かすこともできるほか、弱点の少ないタイプであることを生かして、自身の攻撃を1段階・素早さを2段階上昇させる技「ギアチェンジ」から「バトンタッチ」で裏のエースアタッカーに繋ぐ、というアタッカー・サポーターともにこなせる唯一無二の性能がマギアナの強みになっています。

シングルバトルでこそ使用率は41位ですが、より特性の「ソウルハート」を生かしやすいダブルバトルでは、禁止級伝説を差し置いて使用率7位に君臨していることからも、マギアナの強さがうかがえます。

また、ポケモンホームの全国図鑑を完成させると入手できる「マギアナ(500年前の姿)」という、入手困難で特別なマギアナが存在しており、このマギアナを使うために使用しているプレイヤーも多いかもしれません。

次は、環境が始まる前から評判の高かったマーシャドーです。

タイプはほぼすべてのポケモンを等倍以上で攻撃できる、唯一のゴースト・かくとう複合タイプであり、高速物理アタッカーよりの種族値と非常に嚙み合っています。

特性「テクニシャン」は威力が60以下の技であれば、威力を1.5倍にすることができるという優秀な特性で、「テクニシャン」+先制技で威力40の「かげうち」による縛り性能の高さが魅力です。

しかし、なんといっても専用技「シャドースチール」を抜きにしてマーシャドーを語ることはできません。

「シャドースチール」は相手の能力上昇を奪って自分のものとしてから、さらに威力90のゴーストタイプの技で攻撃する、というとんでもない技です。

たとえば、相手がザシアンであれば攻撃上昇を奪ってから、自身の攻撃ランクを上昇させてから攻撃することができます。

さらに、ダイマックスで相手が防御や特防を上げていたとしても、先に能力ランクを奪ってしまうため、それらを無効にした状態で攻撃することができます。

さらにさらに、「シャドースチール」は相手の「みがわり」を貫通してしまうため、相手が積み構築を使用していた場合は、選出から立ち回りに至るまで大幅な制限を課すことができるのです。

多くのプレイヤーを見ていると、実際にはマーシャドーを選出する機会は多くはなく、むしろ選出段階での圧力をかけるために採用されているような印象を受けます。

使用率は堂々の7位で幻のポケモン中トップです。

第7世代最後の1匹はゼラオラです。

ゼラオラはでんきタイプで、現環境ではザシアンに次ぐ非常に高い素早さが売りの高速両刀アタッカーです。

しかし、でんきタイプのアタッカーの宿命として、じめんタイプに対する打点に乏しいうえ、攻撃・特攻ともに種族値が物足りないため、あまり目立った活躍はできていません。

とはいえ、イベルタルやホウオウといったダイジェッターが多い環境なので、素早さアップアイテム「こだわりスカーフ」や対面操作ができる「ボルトチェンジ」を駆使しながら、カイオーガやザシアンにも隙を見せない立ち回りができれば、活躍するだけのポテンシャルは秘めていると思います。

使用率は45位となっています。

第8世代 脅威の火力お化けメルメタル&最新の幻のポケモン・ザルード

いよいよラストの第8世代の登場です。

メルメタルはポケモンホームとの連携でゲットすることができるため、入手難易度は低めです。

なお、メルメタルの進化前であるメルタンは、今回は取り上げません。

はがね単タイプですが、高い攻撃種族値と低い素早さ種族値から、トリックルーム下でのアタッカーとして運用されています。

特筆すべきは専用技「ダブルパンツァー」で、はがねタイプで威力60、1ターンに2回連続で攻撃しつつ、30%の確率で相手をひるませる、という効果です。

実質威力120は、火力アップアイテム「こだわりハチマキ」を持たせることで、等倍にも関わらず耐久に厚いザシアンさえ吹っ飛ばしてしまう破壊力です。

ひるむ確率は51%となるため、一度盤面をと整えることができれば、容易に止めることができない怪物となります。

実際には、「こだわりハチマキ」の効果を受けることができなくなるダイマックスとの噛み合いが悪いことや、広くない技範囲により日食ネクロズマが天敵となってしまい、徐々に使用率を落としています。

使用率は21位です。

最後のザルードは、くさ・あくタイプで、ザシアンとダイジェッターに隙を見せるというお決まりの理由で、活躍の場が制限されています。

強いて役割対象を上げるなら、バドレックス(黒馬上の姿)やカイオーガとなりますが、これらのポケモンを受けるだけならほかのポケモンの方が汎用性が高い、という評価がなされています。

攻撃・素早さの種族値が高く、対面操作ができる「とんぼがえり」や素早さ操作ができる「がんせきふうじ」といった優秀な技も覚えるので、同じ草タイプのセレビィと同様に、今後の研究が待たれます。

使用率は集計対象外の150位未満となっています。

さいごに

幻のポケモンがランクバトルで解禁されてからまだ2週間ほどしか経っていないため、まだまだ新しい戦術が発見されることが期待されます。

種族値が高い禁止級伝説を何匹でもパーティに入れることができるため、せっかく解禁されたにも関わらず幻のポケモンの使用率はあまり高くありません。

しかし、この機会を逃してしまうと、おそらく今後数年間、下手をすれば2度と幻のポケモンを活躍させるチャンスは訪れないでしょう。

もし好きな幻のポケモンがいれば、この記事を参考に対戦で活躍させてみてはいかがでしょうか。