【Wo Long】黄天の妖砦のボス張角について紹介※ネタバレ注意!!

天公将軍張角

これまでは黄巾党を率いた三兄弟の三男張梁と次男張宝について紹介しました。

【Wo Long】天焦がす黄火のボス張梁について紹介※ネタバレ注意!!

【Wo Long】半妖の地公将軍張宝について紹介※ネタバレ注意!!

今回は三兄弟の長兄、張角ちょうかくについて紹介します。

※この記事はネタバレを含みますのでご注意ください。

  1. 張角は黄巾党の指導者
  2. 張宝、張梁の兄で「大賢良師」「天公将軍」と称した
  3. 丹薬を飲み、巨大な妖魔と化した

この記事は5分程度で読み終わりますので、最後までぜひご覧ください!

Wo Long の張角

ここからは Wo Long における張宝の解説と作中での動向を紹介します。

大賢良師張角

後漢時代末期、朝廷は官僚の腐敗や政争によって支配力が低下しました。

また、蝗害や災害が相次ぎ、各地で飢饉が発生していたのです。

そんな中、鉅鹿郡出身の張角は、とある老仙から丹薬という薬を授かります。

張角は「大賢良師」を称し、罪の懺悔や病の治癒などの民への施しを行いました。

民に慕われた張角は「太平道」という宗教の教祖となりました。

黄巾党の首魁

張角はは黄巾党を率いる三兄弟(張角・張宝・張梁)の長男で、「公将軍」を自称します。

張角はストーリー冒頭の黄巾の乱から登場します。

徐州のとある村に火を掛け、襲う張梁。

張角はその様子を離れた場所から次男の張宝と共に眺めます。

「兄者、我らが弟の勢いをご覧あれ…黄天の世は目前ですぞ。」

張宝が張角に語り掛けます。

「天下大吉。」

張角はただ一言述べると、周囲の将兵らも天下大吉を叫び、奮起しました。

世の混迷を正すために起こされた黄巾の乱。

ですが、実際にそこで起こっているのは賊徒による乱暴狼藉でした。

彼らの目指す先に天下大吉はあるのでしょうか。

しかし、この徐州の村襲撃の裏には、とある老仙の企みが潜んでいました。

弟らの最期

張角は各地での戦いを弟に担当させました。

はじめ官軍との戦いは有利に事を進めていました。

末弟の張梁が徐州の村を攻めている中、張角と張宝は東山を攻め落とし、拠点を築き上げました。

しかし、徐州の村での戦いでは、張梁が死亡。

さらに東山も主人公と趙雲によって制圧されました。

これによって形勢を覆された黄巾党は、戦力増強のため信者に丹薬を与え、妖魔化させました。

張宝は鬼谷溝で妖魔の軍団を使い劉備軍を苦しめましたが、主人公の加勢によって、張宝も死亡しました。

二人の弟を失った張角は冀州の廣宗(広宗)に籠城します。

廣宗をどう攻めるか思案する曹操と孫堅の元に、主人公と紅晶が到着します。

孫堅は主人公を伴い、紅晶から聞いた廣宗への抜け道を用いて張角の元へと赴きます。

廣宗襲撃

廣宗は人間の黄巾党の他、無数の妖魔が彷徨っていました。

妖魔を使役するのもまた、妖魔と化した術者たち。

強大な妖魔の足元には、それに挑んで散った者たちの骸が無数に転がっています。

廣宗はもはやこの世のものと思えない、魔窟と化していました。

主人公と孫堅が廣宗の祭殿に迫る頃、張角は掌に乗る一粒の丹薬を見て葛藤していました。

丹薬を飲めば強大な力を手に入れることができる一方、自我を失った妖魔と化す可能性がある。

未知への恐怖か、体を蝕む病か、張角の手は震え息は上がっています。

祭殿の決戦

「ほれ…早よう飲まねば…巻き返す手は他にないぞ。」

張角に語り掛ける謎の老仙。

意を決した張角は丹薬を飲みます。

直後張角は苦しみ、悲鳴を上げます。

張角の瞳は赤く染まり、全身の気脈が赤く輝きます。

即効性過ぎます。

主人公と孫堅が張角の元にたどり着くと、老仙は姿を消します。

残された張角は薄れゆく意識の中で、「天下大吉」の一言を呟き、主人公を睨みつけました。

張角は持っている杖を勢いよく床に突き立てると、妖気が張角の全身を覆います。

張角の体は巨大化し、髪や髭は獅子の如く伸び、恐ろしい妖魔へと変貌しました。

黄天の意志

張角は巨大な杖、鋭い爪、札を使った仙術を用いて主人公に襲い掛かりました。

しかし、孫堅と力を合わせた主人公の攻勢によって張角も討ち果たされました。

「黄天立つべし…我が身朽ちようと、悲願は滅びぬ…。」

妖魔と化したはずの張角は、何故か今際の際に言葉を発し、消えてしまいます。

妖魔となり果ててもなお、黄天の世への意志は潰えていなかったのです。

黄巾党の指導者であった張角の死によって、黄巾党は大きく勢いを失うことになりました。

しかし、張角の死後も残党による暴動は続きました。

諸侯は対処に追われ、賊徒による深い爪痕を各地に残す結果となったのです。

張角はどんな人だったのか

掌の丹薬を見つめる張角

黄巾党を指導した張角、彼が実際の三国志ではどのような人物だったのか紹介します。

正史の張角

張角は道教の一派である太平道を開いた人物です。

?~光和7年(184年)

太平道を開いた張角は、自らを大賢良師と称し、活動していました。

主に人々の罪の懺悔や、灰にした符を入れた水を飲ませて病を癒すなどの施しを行いました。

そのような経緯で信者を増やしていった張角は、やがて漢王朝への反逆を画策し始めます。

蒼天已死そうてんすでにしす 黄天當立こうてんまさにたつべし 歳在甲子さいはかっしにありて 天下大吉てんかはだいきちならん

この標語を掲げた張角は、朝廷への反逆の姿勢を明らかにします。

184年2月、人身御供を行った張角は天公将軍を名乗り、黄巾党を一斉に蜂起させました。

黄巾党は各地の役所を襲撃し、役人の殺害や村落の略奪まで行うようになり、官軍が対処する事態となったのです。

黄巾党は当初官軍に対して善戦しますが、官軍の皇甫嵩や朱儁らの活躍によって徐々に勢力を失っていきます。

6月、形勢が不利となった黄巾党は、冀州の広宗に籠ります。

10月に入ると、皇甫嵩が広宗に籠る黄巾党に奇襲を掛けたことにより、広宗は陥落しました。

戦いの中で三男の張梁が戦死します。

広宗が制圧されたころ、張角はすでに病によってこの世を去っていました。

人の病を治すことができたはずの張角が病死というのは何とも皮肉なものです。

張角が納められた棺は官軍によって暴かれ、斬首されたのちに洛陽で晒されました。

三国志演義の張角

三国志演義では張角が黄巾の乱を起こすまでの経緯が書き加えられているのが特徴です。

張角ら三兄弟は、地方の科挙に合格できなかった者という設定になっています。

そんな張角はある日、南華老仙という人物に出会います。

南華老仙は張角に三巻の「太平要術」という書を授け、あまねく人を救済するよう使命を与えます。

ただし悪用すると報いを受けるとも警告します。

風雨すら操る道術を身に着けた張角は、「太平道人」と称し、人々を救いました。

疫病が蔓延すると、符水を飲ませて人々の病を癒し、「大賢良師」を名乗りました。

その後は黄巾の乱を起こした後、正史と同様に病死しました。

かつて南華老仙から賜った教えを悪用したからでしょうか。

民を安らげることも黄天の世に殉ずることもできず、寂しくこの世を去ったのです。

彼にとってこれ以上ない天罰だったのではないでしょうか。

さいごに

今回は Wo Long に登場するボスキャラクター張角について紹介しました。

腐敗した朝廷を打ち壊し、新たな統治のもとに世を作り直そうとした男の覚悟は相当のものだったことでしょう。

しかし、結果は引き返せないほどの世の混迷を引き起こしてしまいました。

彼もまた、暗躍するとある老仙の目的のために利用された犠牲者であると考えるといえるでしょう。

そう思うと筆者にとっては同情したくなるような人物であると思いました。