【Over watch2】マクリーは何故キャスディヘ改名したのか?

ゲーム史上でも稀な改名事件について解説

こんにちは!皆さん、素敵なゲームライフ送っていますか?

今回は私も大好きで2016年のリリース当初からプレイしている【オーバーウォッチ】(以下:OW)に関するものです。

プロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」主催のCR杯やOWCS、有名人気ストリーマーを集めたオフラインイベントなどが今年2024年に開催予定など益々の盛り上がりを見せるオーバーウォッチ。

ここでは、オーバーウォッチとは何なのか?という基礎の部分はもちろん、開発元の「ブリザード・エンターテインメント社」を巡る訴訟問題がきっかけでキャラクターの名称変更に追い込まれた事件について焦点を当てて解説していきます。

  1. マクリーはキャスディに改名
  2. 開発会社の不祥事が発端
  3. 不祥事の中心人物の名前は「マクリー」だった

この記事は5分ほどで読み終わるので是非最後まで読んでいってくださいね!

オーバーウォッチとは?

オーバーウォッチは2016年5月24日にリリースされたアクションシューティングゲームです。

ゲーム内にはFPS視点で戦うキャラクターだけでなくTPS視点で戦うキャラクターもいるため「アクションシューティングゲーム」という枠組みになっているが、実際のところMOBA(Multiplayer online battle arena)のゲーム性に似ており、チームとしての戦術や連携が重要視されます。

略称は「OW」

開発、運営はアメリカのブリザード・エンターテインメントが行っており、現在は続編となる「Over watch2」がPlay Station4、Play Station5、PC、Xbox、Nintendo Switchという多種多様なプラットフォームでプレイでき、異なるプラットフォーム間でのクロスプレイにも対応しています。

改名したカウボーイ「キャスディ」

こちらはOW公式YouTubeチャンネルが公開しているキャスディの短編アニメーションです。

OWでは多くのキャラクターの過去やバックボーンを深堀したアニメが公式により公開されており、どれもかなり質が高いので1度見てください。

キャスディは元ギャングの孤高のカウボーイ。

自身の過去の過ちを正すために、自身の大義のために、世界の不正と戦うガンスリンガーです。

彼はOWリリースの2016年から5年間「ジェシー・マクリー」というキャラクター名でした。

しかし、2021年10月27日

彼は「コール・キャスディ」として生まれ変わりました。

キャラクターデザインやゲーム内での性能はそのままに改名した彼。

その時、彼の周囲で何が起きていたのでしょうか?

ブリザード・エンターテイメントを巡る不祥事

OWの開発・運営を手掛ける「ブリザード・エンターテイメント社」はOW以外にもディアブロシリーズやWorld of Warcraftなど主に海外で熱狂的な人気を誇るタイトルを複数世に生み出してきた開発会社です。

そんな同社は2021年にアメリカの公正雇用住宅局から訴訟されました。

2年間に渡る調査により、同社では女性に対するセクシュアルハラスメント、賃金・昇進に関しての不平等が確認されたとのことです。

この件が大きく報道されると、元・現従業員がSNSを通じて社内で受けた不当な扱いが多く投稿されました。

これを受け一部海外メディアは同社のゲームのプロモーションをボイコット、海外ストリーマーやクリエーターは同社のゲームを扱わないという姿勢を示す者も多く現れました。

その後、社内のストライキや過去の開発陣の言動が掘り起こされた結果、同社の株価は大暴落しました。

掘り起こされた過去の問題

とあるイベント中に登壇した開発陣へ、ある女性が質問をしました。

「露出の少ない女性キャラクターデザインを考慮してはどうか?」というものだった。

それに対し開発陣は苦笑いの後、終始茶化した様子で受け答えし、最後は冗談で締めくくるといった受け答えをしました。

イベントは2010年のものだが、現代では到底通用しない対応だと批判を受けました。

また、過去には男性従業員による社内男女共用トイレの盗撮による逮捕、社外女性へのセクシュアルハラスメント、女性従業員から男性従業員への人種差別を含むハラスメントと、その苦痛に対しての自殺未遂も明らかになりました。

そして、2022年にはセクシュアルハラスメントが原因として自殺した従業員の遺族が同社を訴訟する事態まで起きました。

止まらない負の連鎖

次々に露になる過去の不祥事と、止まらない社内外の批判。

ついにはブリザードエンターテイメントのCEOは退任に追い込まれ、親会社である「アクティヴィジョン・ブリザード」のCEOも「事態の隠匿を図ろうとしていた」と報道され退任しました。

世界ではインターネット上で、同社のゲームのプレイ・購入を取りやめる呼びかけが広まり時価総額1兆円以上が吹き飛びました。

この動きの追い風となったのが2017年から始まった「#Me too運動」です。

性被害の告白、告発、共有をするこの運動が世界中で行われている2021年に問題が公になったこともあり同社は窮地に追い込まれた。

でも、会社の不祥事が何故リリースから5年も「マクリー」として親しまれ、コミックやアニメーションなど様々なメディアにも登場していた人気キャラクターの改名に至ったのでしょうか?

もう一人の「マクリー」

当時、「ジェシー・マクリー」がもう一人いました。

それはOWの世界で悪を成敗する孤高のガンスリンガーではなく、ブリザードエンターテイメント社にいた「マクリー」です。

彼は、同社のリードレベルデザイナー。

そして、社内で起きたセクシュアルハラスメント問題において、複数人で悪質なセクシュアルハラスメントや女性蔑視を行っていた上層部の中心人物でした。

そう、OWの世界の「ジェシー・マクリー」は社内の同名社員の名前を使用して生み出されたキャラクターです。

問題が公になった後、不祥事の中心人物と同名のキャラクターに嫌悪感を感じるという動きがOWコミュニティ内外で次第に大きくなりました。

また、同社開発のゲーム「World of Warcraft」でもNPCの名前にマクリーとは別の社員名が使用されていたことから改名されたこともあり、2021年10月27日にマクリーはキャスディとして生まれ変わりました。

課題となったもの

キャラクター名の変更に伴い、課題とされたものがいくつかありました。

まずは、ゲーム内でのボイスラインです。

OWはゲーム内でキャラクター同士がボイスでの掛け合いをすることが多いです。

その中には、お互いの名前を呼ぶものも存在します。

例としてサイボーグ忍者ゲンジがマクリーのULTを弾いた際には「狙いはよかったぞ、マクリー」と自動で発声するのです。

多くの掛け合いがあるため、各言語のボイスラインを全て再収録する必要があります。

2024年現在は、全てのボイスラインが修正済みです。

大変な労力だったでしょうね・・・。

そして、これまでに展開されたコミックやアートブックはどうするのか?という疑問も残りましたが、これまでのものには変更なしと公式から発表がありました。

世界中で発行、販売してしまった後では修正しても効力は薄いという判断なのでしょう。

さいごに・・・

さて、今回は普段と違って過去の重い話を解説する内容となりました。

この問題を取り上げようと思ったキッカケは、この一連の不祥事によって多くの人が傷つき、命を絶った、断とうとした人までいる、非常に深刻な問題であるということを少しでも多くの人に知ってほしかったからです。

自身を含め多くのストリーマーやクリエーターが今でも「キャスディ」のことを「マクリー」と言ってしまうことが多いです。

特にリリース当初からプレイしていた身だと、癖になっているのも非常によくわかります・・・。

かなりスピード感の速いゲーム性な上に、チーム内でのコールも重要なゲームなので咄嗟に出てしまいますよね・・・。

私もそうです・・・。

今更「直そう!マクリーって絶対呼ぶな!」なんて言いません。

ただ、過去に傷ついた人たちが今なお苦しんでいるかもしれないことだけは絶対に忘れないようにしましょう!

ライター紹介

タカハシ
フリーライターのタカハシです!
楽しそうなので、東京→北海道へ移住!面白そうなことは何でもやります!
興味のあるゲームは何でもやってみる!がモットー。
最近はOW2、War lander、鉄拳8、ディアブロ4をプレイ中。
「ゲームを楽しむ」を、お手伝いをします!