【前編】優しさを捨てきれぬオールドロボット「ロックマンX」の魅力紹介!

果てない戦いの中に生きた優しきロボット

ロックマンシリーズの中でもシリアスな雰囲気を持ち、スピーディーなアクションが高い評価を受けている『ロックマンX』。

その主人公であるロックマンX(エックス)は、ロックマンと同じくライト博士(トーマス・ライト)により生み出されたロボットです。

ロックマンシリーズから100年以上の年月が経過した世界が舞台であるロックマンXの世界では、ライト博士が作ったエックスは古いロボットの扱いになります。

しかし、そのボディや思考回路のほとんどがブラックボックスに覆われており、100年後の科学でも解明できない、まさに無限の可能性を持つ存在でもあります。

今回は、そんなエックスの魅力について前後編にわたってたっぷりと語っていきたいと思います!

前編の内容は…

  1. エックスとはどんなロボット?
  2. エックスが持つ無限の可能性とは?
  3. エックスが持つ無限の危険性とは?
  4. エックスは本当は戦いを望んでいない

こんな感じでしょうか?

この記事は7分で読み終わりますので、ぜひご覧になってください!

ロックマンの後継機と呼べる存在

エックスの製作者はロックマンと同じくライト博士であり、見た目やバスターなどの武装、ボスを倒して特殊武器を使用できるようになるなど基本的な能力はロックマンと酷似。

しかし、エックスには緊急加速システム(ダッシュ)や壁を蹴って登る(壁蹴り)、パワーアップパーツによる強化など独自の能力を持つのが特徴です。

加えてエックスには、ほかのロボットたちにないある力を持っています。

進化を勝ち取る力

エックスがこれまでのロボットたちになかった力。

それは自ら考え、悩み、行動する力です。

つまり、エックスはまるで人間のように自らの意思で動き成長・進化するという無限の可能性を秘めたロボットであり、「悩む」ことこそがエックス最大の特徴です。

しかし、その無限の可能性は無限の危険性と言い換えることができます。

エックスが、主である人間の命令に対して疑問を持ってしまったら?

エックスが、人間の方が悪だと判断したら?

もし、エックスが人間と敵対する道を選んだ場合、その結果はロックマンシリーズに登場したDr.ワイリーの世界征服計画以上の惨状を招くとライト博士は危惧していました。

100年間の封印

Xの無限の可能性と無限の危険性に気づいていたライト博士は、100年前の時点ではエックスを世に出すのはまだ早いと考えていましたが、ライト博士はすでに老体の身であり自分の研究を託せる後継者はいませんでした。

そこで、ライト博士はエックスの安全性を検査するために彼をカプセルに封印。

最低でも30年間はカプセルの封印を解かないようにとメッセージを残し、この世を去りました。

封印されたエックスは静かに眠り続け、ライト博士の研究室がボロボロに朽ち果て、がれきに埋もれた100年後に、ケイン博士という人物に発見されることになりました。

すべてのレプリロイドの祖となる

100年後に発見されたエックスはケイン博士により回収・分析されましたが、現代の科学力をもってしてもエックスのすべてを解析することはできませんでした。

それほどまでにエックスのボディは未知の領域が多く、まさに生けるブラックボックス。

その時点でライト博士の異常ともいえる頭脳がわかりますし、彼の研究を理解してくれる後継者がいなかったのも仕方のないことだったのでしょう。

それでも、ケイン博士はなんとかエックスをもとに限りなく人間に近い思考回路を持った新たなロボット「レプリロイド」を生み出しました。

その第一号となったのがロックマンXシリーズの最大の宿敵であるΣ(シグマ)です。

シグマについては、今後魅力をご紹介しますので楽しみにしていてください。

イレギュラーハンターに所属

レプリロイドたちの登場により世界はさらなる発展を遂げました。

しかし、ブラックボックスの塊であるエックスをもとに作られたレプリロイドたちは、電子頭脳に異常(イレギュラー)をきたし、人間たちに危害を加えるという事件が発生するように。

そこで結成されたのが、レプリロイドによる警察組織「イレギュラーハンター」です。

エックスもハンターの一員として所属することになり第17部隊に配属されました。

エックスの力はB級?特A級?

イレギュラーとの闘いの日々が始まったエックスですが、敵と戦うことにさえ悩んでしまうエックスの戦績はよいとはいえず、周囲からも「B級ハンター」と揶揄されてしまいます。

しかし、そのボディには圧倒的な力を秘めており、その無限の可能性は特A級もしくはそれ以上とも言われています。

  • エックスは悩んでしまうために本来の力を出せていない
  • 本当の力を発揮すれば誰よりも強いと言われている
  • エックスの可能性に気づいているのはシグマやゼロなど一部の者のみ

望まぬ戦いの日々

暴走したシグマやハンターの仲間たちを止めるために、エックスはゼロと共に数々の任務を達成し、第17部隊の隊長として活躍することになります。

しかし、エックスは本来戦いを好まない優しい性格であり、暴走しているとはいえかつての仲間を倒すことに抵抗を感じていました。

その葛藤はどんどん強くなり、シリーズ5作目である『ロックマンX5』では、誰もが平和に暮らせる世界「ヘブン」を作りたいと語ったり、シリーズ7作目『ロックマンX7』では第一線から退いたりすることもありました。

親友を取り戻すための戦い

戦いを望まないエックスですが、シグマなどのイレギュラーからは命を狙われる存在であるエックス。

しかし、誰よりもエックスを倒すという望み、呪いを託された存在がいます。

それが親友であるゼロです。

ゼロについては今後のキャラクター紹介で詳しく語らせていただきますが、簡潔に述べると……。

  • ゼロはDr.ワイリーが最後に作ったロボット
  • ワイリーの望みはライト博士を超えること
  • 進行ルートによってゼロは覚醒し真の姿でエックスに戦いを挑む

熱さと切なさが同居した悲壮感のある二人の戦いは、ロックマンXシリーズの中でもベストシーンと言えます。

さらに、戦闘中に流れる「X VS ZERO」のBGMも相まってよりファンの心の中に残っている名シーンです。

ちなみに…この二人の対決はエックスを操作して通常のゼロと戦う、覚醒ゼロと戦う、ゼロを操作してエックスと戦うという三つのルートが存在し、筆者はセーブデータを三つに分けていつでもこのシーンにたどり着けるようにしています。

仲間のために戦い続ける

ほかのレプリロイドから見れば、その姿はやはり「甘い」と映ったことでしょう。

それでも、理解を示してくれる者たちはいました。

エックスのすべてを理解することはできなくても、その甘さを認め、横に並んで歩いてくれる者たちがいました。

エックスは孤独ではなかったのです。

確かに、いつ終わるともわからない戦いにエックスは悩み、苦しみました。

しかし、仲間が、友がいた時のエックスは、少しの幸せも感じていたのではないでしょうか。

自分のためではなく仲間のため、世界のために戦い続けたエックスの人生はあまりにも過酷であったでしょう。

それでも彼の人生、そのすべてが不幸ではなかったのだと筆者は思いたいです。

エックスの今後はどうなる?

たとえ親友が宿敵であっても、親友を取り戻すために戦い、選択によっては親友を失わずに済むルートもあります。

現状、どのルートが正史なのかは明確にはなっていません。

けれど、ゼロを失わずに済んだルートの先で、エックスの最期の姿が明確に描かれます。

その最期は、平和を望んで戦い続けてきた彼にとって報われない最期だったのかもしれません。

しかし、エックスは自分の想いを親友に託すことができました。

そしてその親友は、最期までエックスの想いも背負って戦いました。

後編では、その部分についても詳しくお話をしていければと思います!

ライター紹介

政喜
ゲームとバーチャルアイドルとバイクが好きなライターです。好きなゲームのジャンルは2Dアクションで、ロックマンシリーズは今でもハマっています。最近やっているゲームは『マリオカート8DX』『ロックマンX アニバーサリーコレクション』『ロックマンXDiVE』などです。キャラクターの深掘りをしてゲームの魅力を発信したり、読んだ方から「このゲームやってみよう」と思ってもらえたりするような記事を書いていきたいです。どうぞよろしくお願いいたします。