『ウルトラマン』のスーパーファミコン版はアーケード版でも大ヒットした名作だった

スーパーファミコンで発売された『ウルトラマン』の格闘ゲームをレビュー

今回遊ぶゲーム

かつてスーパーファミコンで発売された、2D格闘バトル型アクションゲーム『ウルトラマン』

今回は『ウルトラマン』をレビューしていきたいと思います!

ちなみに今回の記事をザックリまとめると!

  • 格ゲー『ウルトラマン』はゲーム自体の評価も高く「名作」と呼べるもの!
    『ストⅡ』の「空き待ち」でプレイするゲーマーたちで大人気!
  • シビアな操作性が難易度を跳ね上げている!
    クリアするにはハメ技も許容するしかない?
  • 肉体を使った格闘技&光線技の組み合わせでのバトルが面白い!
    とどめを刺すまで緊張する最高にドキドキできるゲーム!

この記事は、5分程度で読み終わりますので是非読んでいってください!

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『ウルトラマン』(SFC版)の特徴や原作との違いとは?

『ウルトラマン』(SFC版)の特徴

スーパーファミコンで発売された『ウルトラマン』

国民的ヒーローの『ウルトラマン』と怪獣の闘いをゲーム化した、2D格闘バトル型アクションゲームです

それ以前の『ウルトラマン』のゲーム化作品と言えば…
ファミリーコンピューターのディスクシステムで発売された
・「ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲」
・「ウルトラマン2 出撃科特隊」
の2作がありました。

どちらもファミコンらしい、横や縦のスクロールアクション色が濃い作品だったものに対し
このSFC版ではウルトラマンVS怪獣のバトルを純粋に楽しむ内容

科学特捜隊員だけでなく、ハヤタ隊員すらほとんど登場しません。

体力を減らしただけでは勝てない?「トドメ」をさすことでクリア!

特徴としてはお互いの攻撃で体力ゲージを削り合って、ゲージが0になれば「負け」になるわけですが…
怪獣を倒す場合は、体力ゲージがゼロになっただけでは勝利できません

その状態で、ウルトラマンが必殺技のスペシウム光線を怪獣に当てて爆発させて、やっと勝利になるシステムです。

また、「地球上では3分しか闘えない」という原作通りの設定もあり、3分以内に倒さないと体力ゲージが一気に減っていきほぼ敗北が決定します。

『ウルトラマン』(SFC版)と原作との違い

まず、原作との違いは怪獣の登場順番(話数順ではない)ない点があります。

しかし、これはそこまで気になる点でもありません。

それより気になるのは、倒し方が忠実に再現されていない怪獣がいることです。

原作ではスペシウム光線以外で倒された
『テレスドン』
『ジャミラ』
『レッドキング(2代目)』
『ジェロニモン』
がスペシウム光線で爆発するのを見ると、原作ファンとしてはなんだかやるせない気持ちになるのも事実(笑)

特に『2代目レッドキング』は、海底に投棄された水爆6つを飲みこんでいる状態

それなのに、スペシウム光線でレッドキングもろとも爆発なんてさせたら…日本、いや地球規模の大惨事になっていたはずです。

『ジェロニモン』も、イデ隊員の自立を促すために彼の兵器でトドメを刺したことが重要なポイントだったのに、ウルトラマンがそのまま倒したらイデ隊員はますますやる気を失ってしまったでしょう。

ただSFC版は、そんな所まで拘って作れなかったんだろうなと理解はできます…。

原作に忠実な演出もあるのはうれしい!

しかし!

  • メフィラス星人は「宇宙人同士が闘っても仕様がない」と言い消え去る流れになる点
  • ラストのゼットンでウルトラマンが倒される点

などは、原作に忠実でファンとしてもうれしいポイントです!

『ウルトラマン』のアーケード版との違い

対戦バトルゲーム『ウルトラマン』は、1991年4月にSFC版とアーケード版がそれぞれリリースされました

同年の前月に、対戦型格闘ゲームの金字塔である『ストリートファイターⅡ』が登場したばかりで、空前のゲーセンブームが到来していました。

当時の10代は、1980年代に再三放送された昭和ウルトラシリーズの再放送を見て育った世代

『ウルトラマン』は誰でも知っているほどでした。

『ウルトラマン』の圧倒的ネームバリューと認知度だけでなく
『ストⅡ』の“空き待ち”でプレイするゲーマーも多く大人気を博しました

この『ウルトラマン』というゲームは単純にそのゲーム性が当時としては斬新で
「新時代の格闘バトルゲーム」感が強く、ゲーム自体の評価も高い、まさに「名作」と呼べるものなのです

アーケード版との違いとは?

基本的なバトルシステムは、SFC版と違いはありません

が、以下2点異なる点があるのです

1、アーケード版にしか登場しない怪獣も3体いる

まずSFC版で、登場しなかった3体の怪獣
『ネロンガ』
『アントラー』
『バルタン星人二代目』
がアーケード版には登場します!

『ウルトラマン』ファンとしては、一体でも登場怪獣が多いのは嬉しいですよね!

特に『ネロンガ』は原作通り姿が透明になる特殊能力を駆使して、かなり戦いにくい敵ですが
こんな敵がもう2戦目で出てくるので難易度はSFC版より高めです

2、怪獣の倒し方はアーケード版の方が原作に忠実

SFC版では容量の関係で実現できなかったであろう「原作通り」の倒し方が実現している怪獣がいます!

例えば…

『ジャミラ』は、原作通り「ウルトラ水流」で倒されます

『アントラー』は、原作通り「ムラマツキャップ」の超人的強肩によって投じられた、「バラージの青い石」で倒されます

『二代目バルタン星人』も「スペシウム光線」ではなく「八つ裂き光輪」で真っ二つに!

しかし!それらの怪獣以上に原作重視しなければならないだろう
『二代目レッドキング』と『ジェロニモン』は
やはり「スペシウム光線」で爆発する結果なのは変わりません。

『ムラマツキャップ』の登場が実現できたなら、『イデ隊員』の登場も実現できそうなものですけどね?

でも、SFC版では見られない怪獣や演出が見れるだけでも楽しいものです

『ウルトラマン』の登場怪獣

1戦目:“宇宙怪獣”ベムラー

原作でも記念すべき第1話「ウルトラ作戦第一号」に登場した怪獣

ゲームでも先陣を切って登場します。

原作同様特に強いこともなく、岩石落とし(投げ技)が面白いように決まり
簡単に体力ゲージを削れて簡単に倒せます。

2戦目:“地底怪獣”テレスドン

原作では22話の「地上破壊工作」に登場した怪獣です。

射程距離の長い炎と尻尾による攻撃があり、ベムラーよりはちょっと厄介ですがまだまだ余裕です。

アーケード版では5戦目で登場しますが、やはり大して強くありません。

原作では、あのレッドキングさえ一発で倒したウルトラマンの投げ技で倒されましたが
ゲームではスペシウム光線で爆発させられています。

3戦目:“棲星怪獣”ジャミラ

とても悲しいお話だった第23話「故郷は地球」に登場した怪獣

元は人間の宇宙飛行士でしたが、事故に遭遇して祖国に見殺しにされて不時着した星で怪獣化した姿です。

テレスドン同様に炎を吐き、その射程は無限でどこまでも追ってきます。

それでも攻撃パターンはシンプルなのでそこまで倒しにくい相手ではありません

倒した後は彼の墓標を科学特捜隊が弔う姿映し出されます。

4戦目:四次元怪獣“ブルトン”

原作第17話「無限へのパスポート」というセンスあふれるサブタイトルの回に登場した異色の怪獣

無機質な風貌からとらえどころのない闘い方をしてくる相手で、ゲームでもその特徴が良く出ています。

特に厄介なのが回転しながら突進してくる攻撃で、防御もジャンプでかわすのも難しいのでほぼダメージは避けられません。

急降下キックや、岩石落としなどの「ハメ技」に近い攻撃もなかなか通用せず
光線技で攻撃すればバリヤーで反射されてこっちが大ダメージを受けるリスクが高いです。

攻撃してもテレポーテーションで姿を消してしまうことが多く
体力ゲージを削るのも苦労する難敵で、完全に「序盤の壁」的存在です

『ゲームセンターCX』でも有野課長が大苦戦してしまい、倒すのに3時間も要していたほどでしたね(笑)

5戦目:“どくろ怪獣”レッドキング(二代目)

人気怪獣レッドキングですが、こちらは背景が雪山であることから二代目と考えられます

原作第25話「怪彗星ツイフォン」に登場して
オホーツク海に投棄された水爆6つを飲みこんだまま暴れてるという
まさに「腫れ物に触る」状態でした

ゲーム内での特殊攻撃は岩を投げてくることくらいで、
あとは接近戦で太い腕から繰り出すパンチや尻尾攻撃など
「肉体派」らしい闘い方をしてくるので、原作同様割と楽に倒せる相手です。

原作では水爆を爆発させないように、飲み込んだ首から上を八つ裂き光輪で切断し
宇宙まで運んでスペシウム光線か何かで起爆して大爆発させましたが
ゲームでは水爆もろとも地球上で大爆発させています

たまりません。

6戦目:“宇宙忍者”バルタン星人

言わずと知れた超人気怪獣で、こちらは原作第2話「侵略者を撃て」に登場した初代になります

原作では弱い敵でしたが、このゲームでは再三繰り返す分身の術と
かなりスピードが速い赤いエネルギー光弾がかなり厄介で
身軽で動きも早くじっとしていてくれないので攻撃を当てるのも大変な屈指の難敵です。

アーケード版では、対戦型ゲームでありがちな「3戦目で強敵登場」(序盤の壁)
多くのゲーマーの100円を吸い取ることに貢献した怪獣です。

そして、アーケード版では2代目も登場しますが、強さに大きな違いはありません。

7戦目:“古代怪獣”ゴモラ

原作26~27話「怪獣殿下(前篇/後編)」に登場した怪獣

一度はウルトラマンを撃退するほどの強豪怪獣でした。

原作でウルトラマンを苦しめた尻尾の攻撃がゲームでは大して脅威ではなく
基本的にレッドキング同様に肉弾戦タイプなので攻略はしやすいです。

原作ファンからすれば「ゴモラはこんなに弱くない!」と言いたくなるほどかもしれません。

ちなみに大阪城は既に破壊されてしまっています。

8戦目:“悪質宇宙人”メフィラス星人

原作33話「禁じられた言葉」に登場した宇宙人

10,000以上のIQを誇る頭脳と格闘戦・光線技等すべてウルトラマンと互角だった強敵。

ゲームでも積極的に動いて素早く攻撃してくるタイプなので息を突く暇もなく
ハメ技も小細工も通用せず真っ向実力で勝負するしかない相手です。

結末は原作に忠実です。

9戦目:“怪獣酋長”ジェロニモン

原作37話「小さな英雄」に登場し
ウルトラマンや科特隊に倒された60匹の怪獣を蘇生させて総攻撃をかけようとした
怪獣軍団の「親玉」的存在

しかし、実際は大した強さはなく、任務に無力感を感じていたイデ隊員の新兵器で簡単に倒されてしまいました。

ゲーム内でも大した強さはありませんが
唯一口から吐く半重力光線は全ての登場怪獣の中で最大の攻撃力がありゲージがごっそり削られます

そして、ゲーム内ではイデ隊員に自信を持たせるウルトラマンの狙いも描かれることはなく
そのままウルトラマンが倒してしまいました。

10戦目:“宇宙恐竜”ゼットン

原作最終回「さらばウルトラマン」に登場した言わずと知れた「最強のラスボス」

その強さは『ウルトラマン』を完全に圧倒してしまいました。

ゲーム内では攻撃を仕掛ける度にほとんどテレポーテーションで消えてしまうので
消えた後を予測して急降下キックを続けるという闘い方が求められます

強いことは強いですが、ここまできたユーザーなら慣れてしまえば勝てない相手でもなく
おそらくブルトンやバルタン星人よりは苦戦しなかったゲーマーが多いと思います。

原作同様に相手のゲージがゼロの状態でスペシウム光線を当てても、ウルトラマンは倒されてしまいます。

その後は「無重力弾」を原作通り当てられるかどうかのシューティングシーンに突入し
不規則に動くゼットンに残機分の無重力弾を撃って当てることができれば見事ゲームクリアです。

『ウルトラマン』のゲーム性

細かくシビアな操作性が必要

まず『ウルトラマン』の、
・ハイジャンプ
・バク転
・前転
この3つの動作を自在にこなせるようになることが「攻撃」「回避」の上で極めて重要になります

また、敵の攻撃を瞬時に跳ね返す「バリア」を発する反射神経も求められます。

どれもシビアかつ細かいコントローラー操作が必要です。

ゲージに関しては体力ゲージだけでなく、光線技を使うためのゲージもあります。

これは時間経過と共に増えていき…
『スラッシュ光線』⇒『アタック光線』⇒『八つ裂き光輪』⇒『スペシウム光線』
と、貯まったエネルギーゲージ量に応じて、それに比例し強い技が撃てます。

ゲージMAXが条件のスペシウム光線は
敵に当てるだけで半分近く体力を削るほど絶大な威力を誇ります。

また、敵を倒す(爆発させる)ためにも
相手が体力ゼロの状態でこれを当てる必要があります

このゲージが闘いの序盤はなかなか増えないので
光線技を安易に乱発して相手の体力を簡単に削れないよう考えられてはいますが
後述するような“抜け道”のような戦略も!

タイミングだけではなく、操作も難しい

光線系の技は、ゲージが溜まっただけでなく
Lボタンを押してカーソルを動かし、4種類のうち、どの光線を撃つか選択する必要があります。

相手との攻防が激しい時など、なかなか余裕がない状態でもそれをやらなければなりません

最強威力のスペシウム光線を撃つためには、Lボタンを最大で3回も押さなければならず
接近戦等でそんな余裕がない時はタイミング的にかなりシビアだったりします。

厄介な体力の自動回復機能

体力ゲージはウルトラマンも怪獣も
攻撃を受けてからしばらくすると、自動で少しずつ回復する機能があります。

体力が回復するなら良いことだと思いがちですが
実はこれはプレイヤーにとっては非常に迷惑な機能であることは否定できません。

相手の体力がゼロになってゲージ部分に「FINISH」が表示されている間に
スペシウム光線を当てなければ相手を倒せませんが
この自動回復機能があるためにわずか数秒で「FINISH」状態が解除されてしまうからです。

その数秒にちょっと遅れたタイミングでスペシウム光線を発射してしまえば完全な「無駄撃ち」となります。

再び光線技ゲージがMAXに溜まるまで長い時間相手の攻撃をしのぎながら待つという
ハメに陥ったゲーマーは数知れず…と言うより
このゲームをした方ならほとんど皆経験していることだと思います。

しかし、それがあるからこのゲームは最後まで緊迫感があるのも事実
この自動回復機能がなければ相手怪獣の体力がゼロになったら
後はもうずっと逃げて光線技ゲージがMAXになるのを待てば良いだけですからね。

そのようなつまらない闘い方ができず、緊張感を持った闘いが保てるよう配慮されたシステムと評価できます。

「ハメパターン」もある

このゲームは
「ハイジャンプからの急降下キック」
「前転して相手の懐に潜り込んで組み付いての岩石落とし(投げ技)」
「正面からひたすら蹴り続ける」
などのハメパターンがいくつかあります。

序盤の弱い敵などはこれだけで簡単に体力ゲージをごっそり削れたりして
『ゲームセンターCX』の有野課長も「前転岩石落とし」と「正面からひたすらキック」ばかりやってましたね(笑)

これがあるために、ちょっと闘いが単調になりがちな側面もあります。

スペシウム光線「ヒット・アンド・アウェイ」作戦

スペシウム光線の威力に頼った「ヒット・アンド・アウェイ作戦第1号」も不可能ではありません

相手からひたすら逃げながら光線技ゲージがMAXまで溜まるのを待ち
スペシウム光線を当てて体力を半分奪います。

そして、また同じように逃げながら
ゲージがMAXになったらスペシウム光線を当てる
という戦法も時間がかかりますができないわけではありません。

ただ、ブルトンやゼットンのようにバリアーで光線技を反射できる敵もいるので
スペシウム光線が反射されたらこっちが絶大なダメージを受けるリスクもありますね。

そもそも、そんなやり方で勝っても面白くないという側面もあります

「ハメ」も「ヒット・アンド・アウェイ」も『ウルトラセブン』では使えない

ちなみに、2年後にほとんど同じゲーム性の『ウルトラセブン』が発売されますが
『セブン』ではこれらのハメ技はほとんど連続で効かない仕様になっています。

光線系の技もゲージMAXで放つ最強技のアイスラッガーでさえ1/4程度しか体力を削れません。

これらの戦法は『(初代)ウルトラマン』限定の“ズルい”闘い方とも言えますね。

『ウルトラマン』のここがおもしろい!

『ウルトラマン』の面白さは
肉体を使った格闘技と、遠距離攻撃による光線技の組み合わせで闘える点でしょう。

肉弾戦のみだったり、光線の撃ち合いみたいな闘いだと単調になりがちですが
その双方を駆使することで闘い方の幅が広がるからです。

また、怪獣も肉弾攻撃と遠距離攻撃を両方持っているので
それを読んでかわしたり、バリアで反射させるなどの「駆け引き」の要素もあります

最高にワクワクする瞬間は
相手の体力ゲージがゼロになって「FINISH」が表示されているわずか数秒間です。

その数秒間で光線技ゲージがMAXだったら
ボタンを3回押して「FINISH」が消える前に撃つという
「間に合うか間に合わないか」というハラハラ感がゲームをダレさせず緊張感を保ってくれています

3分間の闘いですが、とても「中身が濃い」上に
緊張感が最後まで続くので飽きることを知らないゲームです。

何よりも『ウルトラマン』ファンなら、いろんな人気怪獣が登場して
そして、どんな動きや攻撃をしてくるかなど見ているだけでも楽しいものですよ!

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