シャドバの歴史 STD期~【Shadowverse】

シャドバの歴史 STD期~

2016年にリリースされたシャドウバース。

現在までの軌跡をおさらいしたいと思います。

最近シャドウバースを始めた方は知らないカードが多数出てくると思います!

今回は、第一弾カードパック「CLASSIC CARD PACK / クラシックカードパック」について紹介しますね。

  1. 当時最強!?【冥府エルフ】
  2. 能力調整「ナーフ」とは?
  3. 「ナーフ」によって起こる環境の変化

この記事は5分で読み終わりますので、最後まで読んでいってくださいね!

STD期の環境

第一弾カードパック「CLASSIC CARD PACK / クラシックカードパック」(略称はCLC)は当時「STANDARD CARD PACK / スタンダードカードパック」(略称はSTD)と表記されていました。

なぜ変更されたかはまた後のお話…

リリース当初は、このSTDとスタート時から全員が使用できる「ベーシックカード」を使用してデッキを組むことになります。

最初に当たったレジェンドカードでデッキを組む!なんて人も多くいたのですが、各クラスに収録されたレジェンドカードの強さにあまりにも差がありすぎて、対戦(ランクマッチ)では次第に似たようなデッキが溢れかえることになります。

  • ミッドレンジロイヤルの「乙姫セージ」
  • アグロネクロの「ミミココハウル」
  • 対抗策としてのコントロールデッキ
  • STD期の回答「冥府エルフ」

ミッドレンジロイヤルのが名乗りを上げる

 

まず初めに多く使用されたのはロイヤルクラス。

序盤から中盤にかけて幅広く戦える「ミッドレンジ(中速域)デッキ」が流行りました。

ロイヤルの特性として、小型のフォロワーを横に多く展開して盤面制圧を行います。

また、プレイ難度も低く初心者でも扱いやすいデッキとして流行りました。

キーカードの「海底都市王・乙姫」と「セージコマンダー」のコンボは、当時は全体除去が少なかったために、多くのプレイヤーを苦しめ、最強の名をほしいままにしていました。

海底都市王・乙姫

STD期では全体(多面)除去カードが揃っていなかったため、場に上限の5体を展開できる乙姫様は圧倒的強さを誇っていました。

全クラスで使用できるニュートラルの「エンジェルバレッジ」も全体に1ダメージと「乙姫お守り隊」には届きません。

セージコマンダー

6ターン目に「海底都市王・乙姫」、7ターン目にこの「セージコマンダー」を出すコンボがミッドレンジロイヤルの最強コンボでした。(略して乙姫セージと呼ばれていました。)

前のターンから生き残った「乙姫お守り隊」が1/1バフを受けてさらに強力な盤面を形成できます。

このコンボを適切に除去できるカードは片手で数える程度しかなかったので、このコンボが決まったら大体勝ちと言っても過言ではありません。

最速6ターンの「ミミココハウル」

ミッドレンジロイヤルの「乙姫セージ」に対抗するために、多くのプレイヤーが全体除去カードの採用を検討し始めます。

一方で、ネクロマンサークラスは低コストの強カードが多く収録されており、「海底都市王・乙姫」がプレイされる6~7ターン目までに勝負を終わらせようとする、「アグロ(速攻)デッキ」が流行り始めました。

ケルベロス

 

アグロネクロのキーカード「ケルベロス」は1コストの「ミミココ」を手札に加えます。

ミミ」:1コスト 相手のリーダーか相手のフォロワー1体に2ダメージ。

ココ」:1コスト 自分のフォロワー1体を+2/+0する。

攻めにも守りにも使える万能カードで、当時のネクロマンサーデッキには3枚搭載は必須でした。

ファントムハウル

このカードがアグロネクロのフィニッシュカードです。

自分の場に最大5体の「ゴースト」を展開できるスペルです。

※「ゴースト」は疾走の能力を持っているため、場に刺した瞬間から相手のリーダーを攻撃できます。

場に5体並べば相手リーダーに5点、進化込みで7点、さらには「ミミ」と「ココ」を一緒に使用することで最大11点をさすことが出来ます。

5ターン目に「ケルベロス」、6ターン目に「ファントムハウル」「ミミ」+「ココ」がこのアグロネクロの鉄板コンボです。

このコンボは「ミミココハウル」と呼ばれています。

アグロネクロはデッキの大半を低コスト帯に集中させているため、序盤の盤面の取り合いは他のデッキに比べて優位に進めることが出来ます。

4ターン目までにミミココハウル圏内の11点までリーダーを削ることは造作もありません。

この黄金コンボを引っ提げて、ミッドレンジロイヤルに立ち向かいました。

コントロールデッキの躍進

上記の2デッキに対抗するために様々なデッキが考案されました。

ミッドレンジロイヤルへの対抗策として全体除去を、アグロネクロに対しては守護と回復を多く搭載したデッキがここから流行ります。

陽光サタン

この「守護の陽光」を搭載したビショップデッキがネクロマンサーに優位を取れるとして頭角を現しました。

全体除去の「テミスの審判」やネクロマンサーと相性が良い消滅能力持ちの「鉄槌の僧侶」など、盤面除去に徹底することで試合を長引かせることで、相手の息切れを狙うデッキです。

絶対的なフィニッシャーとして「サタン」を搭載して、「守護の陽光」と合わせて「陽光サタン」と呼ばれていました。

コントロールヴァンパイア(昆布)

ヴァンパイアクラスからも相手の盤面を的確に除去することで息切れを狙う「コントロールヴァンパイア」(通称昆布)デッキが増加しました。

このデッキのキーカードは「黙示録」全体に8ダメージの強力なスペルです。

8コストのため、通常6~7ターン目に来る「乙姫セージ」に間に合いませんが、自分が復讐状態(リーダーの体力が10以下)の時には4コストで打てる破格カードとなります。

その他、相手に5点ダメージと自分を5回復する「クイーンヴァンパイア」や復讐状態時に1コストで打てる「ディアボリックドレイン」など、盤面除去と自分の回復を同時に行うカードも多く、ロイヤルクラスには優位を取れる展開も少なくありませんでした。

ただし、上記の2クラスの欠点として高コストのカードを多く搭載するため手札事故が良く起こりました。

序盤にテンポよくフォロワーをプレイしてくるロイヤルとネクロマンサーに対して除去が追い付かずに負けてしまうシーンもあり、安定した勝率を出せるわけではありませんでした。

環境の主役「冥府エルフ」

※上記の画像はカード能力変更後のデータの為、当時のコストと異なるカードが存在します。

打倒ミッドレンジロイヤルに向けてここまで多くのデッキが世に出ましたが、STD期の回答として「冥府エルフ」が登場しました

この「冥府エルフ」は序盤から終盤まで幅広く戦える一方で、使用プレイヤーのスキルが試される使用難度の高いデッキであり、使用プレイヤーが増えるまで時間がかかりました。

戦い方を覚えれば、上記のデッキにも安定した勝率を残せる強デッキとして、環境の頂点として君臨しました。

冥府への道

「冥府エルフ」のキーカードは、まさかのニュートラルの「冥府への道」

墓場を30まで増やせば、相手に6点バーストを与える制約の強いカードです。

墓地を蓄えることを得意とするネクロマンサーよりもエルフのほうが有効に使えるというジレンマ…

当時このデッキが登場した時には運営の青い顔が容易に想像できました。

新たなる運命

「冥府への道」の条件を達成するためにこの「新たなる運命」がデッキの潤滑油として機能します。

手札をすべて捨てる=手札を墓地に送るので、手札交換しながら墓地を肥やせる「冥府エルフ」と相性がすこぶる良いカードです。

手札枚数の上限は当時は8枚ですので、これをプレイすることで7枚の手札を墓地に送り、新たに7枚デッキから引くことが出来ます。

エルフは「フェアリーサークル」「フェアリーウィスパラー」など、トークンカードの「フェアリー」を手札に加える能力を持つカードが多くあります。

増やしたフェアリーを「新たなる運命」で墓地に送り、同時に大量ドローするという文面だけ見れば悪魔的なコンボが当時蔓延りました。

根源への回帰

このカードがミッドレンジロイヤルへの対抗手段の代表格です。

「海底都市王・乙姫」をプレイされた返しのターンにこのスペルを打つことで、「海底都市王・乙姫」の他に「乙姫お守り隊」も一緒に手札へと戻すことが出来ます。

1ターンの時間稼ぎのみならず、相手の手札圧迫を狙えるわけです。

手札上限が8枚の為、相手の手札に最大5枚カードが戻ってきて次のターン開始時のドローが溢れてしまう可能性があるわけです。

※この「根源への回帰」、当時は5コストで打てました。(能力調整により7コストへ変更されました。)

当然「乙姫セージ」に間に合いますので、ロイヤルには有効札として活躍しました。

フェアリービースト

このカードはネクロマンサーを筆頭とした、アグロデッキに対しての回答札です。

自分の手札枚数を参照して体力回復するカードで、最大で7回復できます。

この7回復は、当時のカードプールの中でも圧倒的なパフォーマンスを誇り、相手のフィニッシュターンをずらせることでとても有用なカードでした。

また、「自然の導き」「妖精のいたずら」などの場のカードを手札に戻す能力と相性が良く、「フェアリービースト」を使い回して大量回復も狙えました。

アグロネクロの「ミミココハウル」は最大11点。一度凌いでしまえば、このカードでライフアドバンテージを容易にとることが可能です。

リノセウス

冥府エルフが環境の頂点から引きずり降ろそうと、様々な「冥府への道」対策が考案されます。

コントロールデッキの多くがアミュレットを破壊する「エクスキューション」を搭載し始めました。

これに対抗すべく、エルフ側は新たなフィニッシャーとして、「リノセウス」が多く採用されました。

1ターンにプレイした枚数を参照して攻撃力を上げる能力を持ち、後半になればなるほどバリューを高められるカードとなります。

「リノセウス」を2枚同時に使用すれば軽く10点以上は出せるパワーカードです。

守護に弱いという明確な弱点はありますが、この「リノセウス」をメインに挙げるデッキものちに登場するくらいにはポテンシャルが高いです。

また、このカードを使用する際に現状最大何点まで出せるかという「リノ算」をいうワードまで登場した程です。

「リノセウス」は今後嫌というほど登場します…

ナーフと仕様変更

ナーフとは、オンラインゲームなどで、武器やクラスが弱体化されることを指すネットスラングです。つまりは下方修正ですね。

主にバランス調整目的でナーフが行われます。つまり、ナーフ対象カードは環境で暴れすぎて逮捕された認識でOKです。

ナーフが起こる基準として、使用されているデッキタイプの勝率・使用率が参照されることが多いです。

このSTD環境でナーフを受けてしまったカードが2枚存在します。(1枚は次のカードパックと同時にナーフだったため実質1枚。)

その2枚はどちらも、今環境の頂点に立った「冥府エルフ」に採用されていたカードです。

今回はSTD期間中にナーフを受けた1枚のみ紹介します。

ナーフ 収穫祭

2016年8月15日にこの収穫祭がナーフを受けました。

当時は2コストでしたが、4コストと無残な姿になってしまいました…

ざっくり言うと、条件を満たせば、1ターンに追加で1枚ドローできる能力です。

その条件もエルフクラスからしたら非常に容易に満たせる内容ですので、実質1ターン2ドローのアドバンテージを得られるわけです。

今カードは若干特殊で、環境での暴れ具合を問題視したのではなく(その要素が0というわけではない)、将来的な仕様変更による「冥府エルフ」の更なる一強化を危惧した調整だと思われます。

バトルの仕様変更① 後攻2ドロー

収穫祭のナーフと同時にバトルにおける仕様変更が起こりました

当時は、1ターン目のドローは先攻後攻それぞれ1枚ずつでしたが、仕様変更により後攻プレイヤーのみ1ターン目に限り2枚ドローとなりました。

この調整は、先攻勝率が当時60%を超えていたことから、後攻の勝率上昇を意図した調整だと思われます。

それぞれの勝率が50%前後になることがベストですが、それを逸脱した数値が出てしまったわけです。

バトルの仕様変更② 手札の上限枚数

さらに、同年9月8日に追加の仕様変更が入ります。

互いの手札の所持上限が8枚から9枚へと変更されました。

後攻側の1ターン目2ドローも相まって、手札が溢れてしまうことが増えてしまい、これの救済の為の調整だと思われます。

この調整により、環境で目立っていなかった「次元の超越」を軸とした「超越ウィッチが強化を受けて、若干の地位向上を果たしました。

しかし、それだけには収まらず、環境トップの「冥府エルフ」も実質的な強化となりました

「新たなる運命」で墓地に送れる手札枚数が増えたので、墓地30枚達成のハードルが下がりました。

これの代償ともいわんばかりに「収穫祭」が産廃となってしまったのです…

ナーフ後の環境変化 ~まとめ~

冥府エルフに採用されていた「収穫祭」がナーフされましたが、このカードはキーカードというわけではなく、弱体化を受けたことでデッキの根幹が揺らぐということはありませんでした。

むしろ、仕様変更に伴う相対的強化の方が影響が強く、「冥府エルフ」の立ち位置を確固たるものにする結果となってしまいました。

しかし、依然として「冥府エルフ」のプレイ難度は高く、デッキをコピペしただけでは勝率は伸ばせないテクニカルなデッキでした。

使用者は多くいましたが、全体的な勝率は伸びなかったため、デッキが崩壊するほどのナーフをくらわなかったのではと思います。

次回は第2弾カードパック「Darkness Evolved / ダークネス・エボルヴ」の紹介となります!

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。