エクスペリエンスの新作ダンジョンRPG「モン勇」とは?
「モン勇」とは、「黄泉ヲ裂ク華(以下:黄泉華)」や「死印」といった作品をリリースしているメーカー「エクスペリエンス」社が新しく発売しようとしているRPG作品です。
正式名称は「モンスターを倒して強い剣や鎧を手にしなさい。死んでも諦めずに強くなりなさい。勇者隊が魔王を倒すその日を信じています。」です。
長すぎるので、公式での略称として「モン勇」が用意されています。
世界観は他のエクスペリエンス製ダンジョンRPGの「デモンゲイズ」や「剣の街の異邦人」のようにファンタジックなもの。
ですが、今回はイラストのライトな感じも含めてかなり毛色が違います。
どことなく別メーカーの某「世界樹」を思わせるような作品ですが、実際はどんなものなのでしょうか?
ここではそんな疑問にお応えすべく、2021年6月現在リリース前に判明している情報をまとめていきます。
また、2021年6月17日にリリースされる「特別体験版」を遊んでみた感想レビューなども掲載します。
- 「モン勇」はエクスペリエンスがリリースする予定のダンジョンRPG作品!
- 発売日は2021年7月15日予定で、プラットフォームはニンテンドーswitch!
- 特別体験版が2021年6月17日から配信開始!モン勇を真っ先に遊べる!
この記事は5分で読み終わりますので、最後まで読んでいってくださいね!
「モン勇」の基本情報
エクスペリエンス社の新作ダンジョンRPG「モン勇」の基本情報は以下の通りです。
タイトル | モンスターを倒して強い剣や鎧を手にしなさい。死んでも諦めずに強くなりなさい。勇者隊が魔王を倒すその日を信じています。 |
略称 | モン勇 |
ジャンル | 腕試し・ダンジョンRPG |
対応機種 | ニンテンドーswitch |
開発・発売元 | エクスペリエンス |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 2021年7月15日発売予定 |
以上となります。
キャラクターデザインは「モタ」氏!
モン勇は今までのエクスペリエンス社作品の雰囲気とは大きく違う印象であると感じる人も多いでしょう。
その原因は恐らく、というか完全にプレイヤーキャラクターのデザインにあると思います。
今までの方針とは明らかに違う高い等身のキャラクターから、低いSD調のキャラクターになっています。
キャラクターデザインを担当しているのは「モタ」氏。
イラストレーターとして活動を行っている人物で、主にゲームのイラストを描いています。
独特のぷにっとした絵柄と可愛らしい印象のキャラクターが特徴ですね。
モンスターデザインは「山本章史」氏!
ポップでキュートなキャラクターデザインに合わせてか、今回はモンスターのデザインもどこかファンタジックでポップなイメージです。
デザインしたのは数多くのカードゲームなどにイラストを提供しているイラストレーター「山本章史」氏です。
普段、山本章史氏は等身が高かったり、重厚な厚塗り系のモンスターを描いています。
しかし、今回はその厚塗りのまま可愛らしい印象のモンスターをデザインしたようですね。
コンセプトは「原点回帰」!
モン勇のコンセプトは「原点回帰」と言われています。
そのため、複雑化していくゲームシステムに反して、シンプルかつ分かりやすいゲーム内容に仕上がっているようです。
DRPGを数多く開発しているエクスペリエンス社の技術をぎゅっと凝縮した、正統派DRPG作品が「モン勇」なのです。
そんな中で目を引くシステムが「評価システム」。
この評価システムはどのようにしてダンジョンの一階層を踏破したのか、ということを評価し、ランク付けを行うシステムです。
パーティの平均レベルや戦闘の内容の評価、全滅の回数などで評価が下され、その階層での総合評価が各項目5つの星でつけられます。
評価が高ければ高いほど次の階層で手に入るアイテムのレア度などが変わっていくようです。
そんな評価システムが若干目を引くものの、それ以外は原点回帰の文字通りの様子。
従来のエクスペリエンス社が得意とする古き良きDRPG味を出しています。
DRPGの前作「黄泉ヲ裂ク華(以下:黄泉花)」も遊びやすさ的にはかなり良好だった印象ですが、今回は更に輪をかけて遊びやすそうな印象です。
(以下、2021年6月24日追記)
…と、思いきやそんなことはありません。
蓋を開けてみれば、黄泉華よりもシステム面は親切になっているものの、評価システムや戦闘面において難しくなっていることが判明。
特に評価システムに関係したレベル制限が大幅に難易度を高めているようです。
絵柄のライトさに騙されてはいけません、「初心者向け」だとは決して言えない作品に仕上がっています。
「モン勇」の体験版を実際に遊んでみた!
ライトでポップそうな印象を受ける絵柄に、前作である黄泉花に比べると明るい色調のゲームデザインが目立つモン勇。
原点回帰を謳い文句にしている本作、果たしてその実際の内容や遊んでみた感覚はどんなものなのでしょうか。
そこで筆者は実際に、2021年6月17日午前0時から配信が開始されたモン勇の特別体験版をダウンロードしました。
この特別体験版をプレイしてみて、実際遊んでみた感覚をレビューしていきたいと思います。
モン勇体験版はダンジョンの第一界層を踏破するまで遊べます。
つまり、竜王の塔の第一界層ボスを撃破し、ダンジョンの評価を受けるまでを遊ぶことができるようです。
そして特別体験版で作ったデータはそのまま製品版へ引継ぎができるようになります。
なので、製品版を購入する予定のプレイヤーは、最初からそのつもりでキャラクターメイキングやダンジョン攻略をしていくといいでしょう。
ちなみに、筆者はエクスペリエンス社の作品をそこそこ遊んできたプレイヤー。
特に遊んだシリーズは「黄泉華」、「東京新世録 オペレーションバベル(以下:バベル)」、「死印」、「NG」です。
そのため、これらの作品と比べることが多いと思いますが、了承したうえで読んでもらえればと思います。
キャラクターメイクは?
エクスペリエンス社のDRPGといえば、自分で冒険者を作成し、冒険に挑んでいく方式。
モン勇もその例に漏れず、キャラクターメイキング要素がありました。
しかし絵柄は完全に可愛らしいモタ氏のイラストで統一されています。
キャラクターポートレートは公式サイトに掲載されているものより多めにありました。
各職業モチーフのものが二種類ずつあるような印象です。
全ポートレートカラーチェンジバージョンありです。
キャラクターメイクの際に振り分けるパラメーターポイントは「黄泉華」以前のランダムポイント制になりました。
黄泉華の時はランダム性がありませんでしたが、今回はある程度ポイントの量に差があります。
では、気に入ったポイントが出るまでキャンセルマラソンをしなければならないのかといえばそんなことはありません。
ポイント振り分けの画面でポイントの「再ロール」ができるようになったのです。
この再ロールは回数無限でできるので、気に入ったポイントが出るまで何度もやり直すことができるようになりました。
今までのエクスペリエンス社のゲームではできなかった、地味に嬉しい部分ですね。
ちなみにキャラクターには一応「男」「女」と便宜上名称が振られています。
しかし、実際の性別などには反映されないので、男のような見た目をした女子や、女の子のような男子を作ることも可能です。
また、全体的にポートレートは可愛らしさと萌えを重視したぷにぷにの絵柄。
オジサンキャラやゴツメンを作りたい人はキャラクターメイクで苦労すると思います(筆者体感済み)
職業の使用感は?
今回の職業は「戦士」「騎士」「武道家」「魔法使い」「僧侶」「忍者」「銃使い」「侍」の7つ。
黄泉華に直すと「戦術工」「防術工」「闘術工」「魔術工」「聖術工」「忍術工」「猟術工」「斬術工」。
つまり、黄泉華と全く一緒です。
スキルの内容や構成、効果もほぼ一緒のものが揃っていると言わざるを得ません。
なので、使用感や雰囲気は歴代エクスペリエンス社の作品をプレイしているプレイヤーからしたらおなじみの印象です。
それだけ黄泉華に登場した職業が全体的に安定していたのだということがわかりますね。
ストーリーの雰囲気は?
前作の黄泉華がかなり陰鬱で暗い雰囲気を醸し出していたため、ストーリーの重さが気になるという人もいるでしょう。
それに関しては心配しないでください。
モン勇のストーリーは画面の明るさやキャラクターデザインのポップさを反映したかのようなライトさでした。
ストーリーもわかりやすく、「7人の魔王によって奪われたダンジョンの秘宝を、妖精の女王に頼まれた勇者隊が取り戻す」というもの。
体験版の時点ではストーリー要素もあまり濃くはなく、さらりと受け入れて遊べる印象ですね。
ですが、それはまだまだ最序盤でのお話。
この「モン勇」は黄泉華や心霊ホラーシリーズをリリースしているエクスペリエンス社の作品。
決して油断はできません。
今後界層が進めば、その明るさを筆者としても保証はできません。
裏に何があるか全くわからないと言ってもいいでしょう。
実際エクスペリエンス社の作品をそこそこに遊んできた筆者としては、妖精の女王がいつこちらを裏切るのかと戦々恐々しています。
(2021年6月24日追記)
世界観はエクスペリエンス社の過去作「蒼き翼のシュバリエ」や「円卓の生徒」と共通であることが、公式の生放送で明言されました。
つまりは、黄泉華でも登場した「異世界アルダ」に関連した世界であるということになります。
今の時点ではまだまだストーリーは見えてきませんが、不穏な要素だと筆者は思います。
ダンジョンの雰囲気は?
モン勇のダンジョンは、いつものエクスペリエンス社の作品とほぼ同じ3Dダンジョンです。
操作方法もスタンダードなDRPGそのままで、十字キーの上で移動、左右で方向転換のままですね。
ダンジョンはランダム性がなく、いつ入っても構造は一切変わりません。
これもエクスペリエンス社の作品としてはいつもの仕様です。
今回のダンジョンは竜王の塔と呼ばれる場所で、塔の中は魔法のおかげで外見以上の広さを誇ると設定されています。
舞台に合わせてファンタジックな意匠が目立つダンジョンですね。
全体的に暗くてじめっとした雰囲気だった黄泉華や、暗い場所や不気味な場所が多かったバベルなどに比べると明るく感じました。
今回のコンセプトなのか、恐怖感はかなり抑えめだと思います。
今回はランダムエンカウントが廃されていて、完全なるシンボルエンカウントとなりました。
戦闘を意図的に回避することも、意図的に行っていくことも自由です。
危険な状況になったときは出会わないように逃げ、レベルを上げたいときは進んでぶつかっていく、ということが容易に。
地味に遊びやすくなったポイントの一つだと言えるでしょう
戦闘の雰囲気は?
モン勇の戦闘はスタンダードなRPGのコマンドバトル形式です。
行動順がパラメーターや使うスキルなどで決定され、その行動順にならってそれぞれ動いて戦闘を進めていくという方式ですね。
これに関しては特に前作や他のDRPGに比べても特筆する部分はないでしょう。
スキルの仕様も黄泉華と同じMP方式なので、よりスタンダードな印象です。
しかし、今回は戦闘において嬉しい親切ポイントがいくつか追加されています。
まず最初に、行動の成功率が表示されるようになりました。
攻撃の命中率が表示され、現在の相手にどれだけちゃんと攻撃が当たるのかがわかるようになったのです。
「速さ」のパラメーターや命中率の基準がわかりやすくなったので、装備やビルドに役立ちますね。
次に、杖系装備の攻撃が魔法攻撃になりました。
今までのDRPGシリーズでは物理攻撃だった杖装備の攻撃が魔法判定になっているのです。
魔法攻撃判定になるので、魔法使い系のキャラの攻撃も馬鹿にできない威力に。
魔法使いも通常攻撃に参加しやすくなっています。
MPの節約を考えて戦う必要がなくなったので、魔法使い系が平時お荷物になることも少なくなりました。
これらの二つの仕様が追加されたので、かなり戦闘がやりやすくなった印象です。
はじめてDRPGを遊ぶというプレイヤーにも優しいですね。
特殊な仕様について
モン勇は「評価システム」の影響である程度「低レベルクリア」がおすすめされているゲームデザインです。
なので、他のDRPGにはあまり見られないゲームシステムがありました。
それが「任意レベルアップ」。
モン勇のキャラクターはただ経験値を溜めていくだけではレベルアップしません。
レベルアップに必要な経験値を溜めたところで、ステータス画面を開いて自分でレベルアップをする必要があります。
レベルアップを忘れるともちろんパラメーターを上げることはできませんので、レベルアップをしたい場合は忘れないようにしましょう。
ちなみに、低レベルクリアが推奨されているという仕様上、レベルダウンも任意ですることができます。
尚、この仕様は黄泉華では採用されていませんでしたが、バベルなどの「エクス」シリーズの作品で既に似たような仕様が採用されていました。
エクスシリーズを遊んだプレイヤーとしては久々の仕様ですね。
難易度について
モン勇は難易度を選ぶことができます。
「あまい」「ふつう」「きつい」の三段階から選べるようになっています。
ですが、戦闘の難易度が下がるというわけではなく、レベルキャップの上限が変化するだけです。
つまり、難易度が簡単だとよりレベルを上げて挑めるようになるのです。
しかし、評価システムの関係もあってか、あまり関係が無いと言っても過言ではないと思われます。
正直難易度は低くありません。
評価システムがとにかく足を引っ張っているようで、ちゃんと完璧に遊ぼうとすると厳しい戦いを強いられることになるでしょう。
初心者向けかどうかで言うなら黄泉華の方がよっぽど初心者向けです。
総評
黄泉華にあったホラーポイントや陰鬱な印象、硬派で萌えの足りないグラフィックが一切取り払われています。
冒頭から可愛らしさとファンタジー要素を全面的に押し出していて、黄泉華が受け入れにくかった人でも受け入れやすい印象です。
しかしその中身は正統派DRPGで、黄泉華までに培ったゲーム作りのノウハウがたっぷり生かされています。
相対的に黄泉華の初心者向け感は薄れてしまっているので、どちらかというとDRPG経験者向けといった感じでしょうか。
見た目以上に奥深い作品だと筆者は思いました。
強いて言うなら筆者的な物足りない部分として、「ストーリー面に毒がまだないな」という感じでしょうか。
これは体験版の時点では測れないので、製品版を楽しみにするしかありませんが。
さいごに
グラフィックや雰囲気を見たところ、いつものエクスペリエンス社作品ではない印象を受ける「モン勇」。
筆者も最初に画面を見た時は「どうしたエクスペリエンス」と思わずつぶやいてしまうほどでした。
ストーリーや画面が明るめで、黄泉華をやり込んだプレイヤーとしては戸惑ってしまいました。
ですが蓋を開けてみれば中身はまさしくエクスペリエンス社のDRPGといった様相。
黄泉華の遊びやすさはそのままに、細かいポイントを追加した印象です。
硬派でとっつきにくい印象のわりにやたらと親切で遊びやすい黄泉華の、とっつきにくさを取り払ったという感じでしょうか。
見た目はやや初心者向けに寄っていますが、システム面を省みると決して初心者向けとは言えない印象です。
難易度は黄泉華より確実に上がっていますので、黄泉華では物足りなかったというプレイヤーは試しに遊んでみることをおすすめします。
ちなみに、モン勇特別体験版を遊んだ後は、ぜひとも公式に意見を届けてあげてください。
こちらのフォームから投稿可能です。
ライター紹介
- 幅広いゲームが大好きな、ゲーマー歴20年以上の女ヲタク「カンダカズマ」です。
海外ゲームから国内ゲーム、アクションからRPGまでいろいろ嗜みます。
マニアックなメーカーの作品を遊ぶことも多いので、マニアックでマイナーなメーカーの作品(特にエクスペリエンス社の作品)の面白さを共有できればと思います。
みなさまのゲーム選びの参考になれば幸いです。
よろしくお願いいたします。