難易度は折り紙つき
難しいゲーム。
敵が強い、謎ときが難しい、道のりが複雑である。
クソゲーにも理不尽な難しさゆえに、そう呼ばれることもあります。
難しさは人それぞれでしょうが、TV ゲームの場合、「プレイのしやすさ」が筆頭に挙げられると思います。
遊んでいて面白さや楽しさをともあわない難しいゲームは多くの人に遊ばれなくなり、ひっそりと歴史の闇へと消えていくのでした。
ドラゴンクエスト2は、難しいゲームです。
多くの人によってそう言われてきています。
なのに、なぜ今日まで遊ばれているのでしょうか?
名作だから遊ばれる?
そこには「なるほど」と思わせる理由がいろいろと含まれていたのでした。
この記事ではそこを掘り下げて、知っておいて損はない知識として皆様にご提示できればと思います。
さらに、今プレイするならどのプラットホームがオススメかも紹介させていただきます。
今回記事を書くにあたって、スーパーファミコン版のドラゴンクエストⅠ Ⅱを取り上げさせてもらいました。
その訳も、記事を読めば分かるでしょう。
- ドラゴンクエスト2の難しさ
- なぜそれでもプレイしてしまうのか?
- 今プレイするならリメイク版がオススメ
この記事は3分で読めますので、よろしければ最後までご覧ください。
ドラゴンクエスト2の難しさ
最初のドラゴンクエスト2は、1987年1月26日にファミコンの ROM カセットで発売されています。
当初発売は1986年の12月下旬と発表していました。
11月初旬には一応の完成が成っていたということです。
ところがテストプレイしてみると、序盤のローレシア近辺でゲームバランスが崩壊していることが判明しました。
バランス調整をかけるため、発売日を最初に述べた次の年の1月26日に延期することにしたのです。
テストプレイをすればするほど、見つかっていく問題の山。
マスターアップの時点でさえ、通しでクリアまでプレイした者もいませんでした。
エニックスから何度も催促の電話がかかってくる中、さらなる延期はできまいと判断した堀井雄二氏は中途半端な状態のまま、発売を決行したのでした。
これが高い難易度につながっていったのです。
決して意図して設定されたものではなかったということです。
どのように難しいのか?
それでは2はどこがどのように「難しい」のでしょうか?
- アレフガルドまでは楽
- サマルトリア王子が弱い
- ロンダルキアの洞窟がムズイ
途中までは比較的バランスがいい
さすがに最初から難しいという問題は解決されました。
何もしなかったわけではなかったのですから当たり前でしょう。
とある雑誌のインタビューによると、そのエリアにおける戦闘バランスも部分部分ではとれていたみたいです。
しかし、それも途中まで。
2から登場した大きな移動手段である船を入手して、次の目的地であるアレフガルドへ渡った以降から怪しくなってくるというありさまだというのです。
つまり、正確には2は全体の半分くらいは難しくない、やりやすいゲームだったということです。
ただし、残りの半分が存外に難しいのですが。
謎解きも難しい
ドラゴンクエスト2を難しくしている要素の一つに謎解きがあります。
良く知られているものとして、金のカギとラゴスという人物の居場所が挙げられます。
金のカギについては上の画像で解答を載せておきましたので、ご参考までにどうぞ。
その他にもやけに地形が入り組んでいてなかなか目的の場所にたどり着けない、マップ自体の難しさもありました。
これも地形というギミックを使ったある意味の謎解きと言えるでしょう。
大きな2つの問題(3つ?)
代表的な難点を挙げましょう。
まずはサマルトリアの王子の弱さ。
魔法戦士という位置づけなのですが、器用貧乏で、中途半端な強さなのです。
ファミコン版では唯一ザオリクを使えるポジションにいながら、防御力も、装備できる防具も弱いため打たれ弱く、気がつけば3人の誰よりも先に死んでいるというありさま。
以降のバージョンで強化が図られましたが、根本的な解決に至りませんでした。
それくらい弱いのです。
唯一活躍できるのが、スーパーファミコン版での「マヌーサザラキ」です。
これはムーンブルクの王女が敵にマヌーサをかけ、かかった敵にサマルトリアの王子がザラキをかけると、その敵は(大ダメージを受け)即死してしまうというバグ技です。
サマルトリア王子がんばれ!と思う人がいればスーパーファミコン版をおススメします。
ダンジョンの難しさ
ドラゴンクエスト2はダンジョンも高難易度です。
その中でも特に難しいのが最後の地ロンダルキアへ向かう洞窟です。
ダンジョンが長いことはもちろん、途中に仕掛けられたトラップも凶悪でそこらじゅうにある落とし穴の階、無限ループをしてしまいかねない階と、難所のオンパレードです。
セーブポイントはありません。
洞窟を抜けた先、最後の地ロンダルキアにあるほこらにたどり着くまで耐えきらないといけません。
ロンダルキアに出た途端、アークデーモンやデビルロード、ギガンテスといった強敵がバンバン出てきます。
さいごのほこらに着くまでがロンダルキアに着くまでの洞窟の難易度なのです。
ファミコン版の最大の難しさ?
ヒントがほぼない謎解き、厳しい戦闘、装備品のアンバランスさ、呪文の使えなさと数え上げればきりがありませんが、ファミコン版にはもう一つの難しさがありました。
「ふっかつのじゅもん」です。
最大52文字のひらがなで構成されているのですが、手書きでメモ書きした文字は「わ」と「れ」と「ね」や「き」と「さ」、濁音・半濁音等の誤認により多くのプレイヤーを泣かせる事態へと追いやったのです。
ちなみにスーパーファミコン版以降ではバッテリーバックアップ等になってこの問題は解決されました。
なぜそれでもプレイしてしまうのか?
ではなぜそれでもプレイしてしまうのでしょう?
それは、ゲームの魅力と依存のメカニズムにあると思います。
- 広大な世界を自由に冒険できる
- 一緒に旅をする仲間がいる
- 隠し要素が加わった(アイテムなど)
- 音楽やグラフィックの良さ
これらにゲームの難易度が高いことで、挑戦意欲や緊張感も高まります。
高まれば、快楽物質であるドーパミンが脳内にドパドパ出ることになります。
同時にドーパミンは依存感も引き起こします。
味わった快楽を再び味わいたいという欲求が出るのです。
ドラゴンクエスト2には依存感を強めるメカニズムがわかりやすく組み込まれています。
- ゲームの進行に応じて報酬が変化する
- ゲームの中で自分の能力や名声が上がる
- 現実から逃避できる
ゲームの魅力と依存の両方がそれでもプレイしてしまう状態を作り出していたのです。
今プレイするならリメイク版がオススメ
それではファミコン版のドラゴンクエスト2を遊ぶべきなのでしょうか?
残念ながら、ファミコン版を現状遊べるのは実機か互換機のみです。
カセットも必要になります。
理不尽なほど不親切で、これまで述べてきた通り出ている中ではもっとも高難易度です。
現在手っ取り早く遊ぶとするならば、リメイク版をおススメします。
スマホ、Switch 、PS4あたりが妥当でしょうが、機会があるならば最初のリメイクとなったスーパーファミコン版を推したいところです。
ぜひ最初のリメイクの息吹を感じてほしい。
マヌーサザラキでサマルトリア王子の活躍を味わってほしい。
筆者は環境を整え、スーパーファミコン版を遊びました。
見合うだけの満足感は得られました。
リメイク版はどれも難易度が改善されてはいますが、記事にした重要な部分はしっかり残っていますので、ぜひ「難しいけどやめられない!」ドラゴンクエスト2をお楽しみください。
ライター紹介
- 本とゲームが大好きです!
ゲームはアナログ、TRPG、ボードゲームも好物。デジタルは特にアドベンチャーとRPG。
他にもイラスト、音楽、映画、アニメ、マンガと、言ってしまえばカルチャーに浸かっているようなものです。どれもこれもがいいんです。
無類の珈琲党。